炎る日差しにの中に新たな日差しを見つける
遅くなってすみませんです。
部屋に戻るとドキドキが止まらなかった。
「私、何やってるんだろう」
ハルトを探しに行っただけなのに見知らぬ男の人を治療して帰ってくるなんて。
「でも、素敵な人だったな」
苦しんでいる相手に対して言う言葉ではないけど、すごく綺麗で見た瞬間全身が震えたっていうか
今でも、目を瞑るとあの人を思い出してしまうかも。
「一目惚れってやつなのかな」
最後に何か話そうとしていたけど聞こえなかったな。できれば声も聴きたかったかも。
一緒にいた時間はわずかだったけど多分忘れる事はないだろうな・・・。
「はぁ~。一目惚れの瞬間に失恋なのかもしれない」
とりあえず私はベッドに入りもうすぐこの国を出る事を少し寂しいと思いながら目を瞑った。
翌日、夜更かしした割には気持ちよく目覚める事ができた。
「おはよ~」
私はいつものように寝室から出ると
「「おはようございます」」
バレリアとハルトがいつものように既に仕事を始めていた。
うん。いつもの日常が戻って良かった。
「姫!そろそろ次の国に行く日が迫っています。メリーディエースの王族の方とお別れの挨拶をしなければいけないです」
「そうね。皆さんにすごくお世話になったからきちんと挨拶をしてこの国を出たいわね」
「それでは、相手方のスケジュールを確認してきますね」
「うん。よろしくね」
ハルトはそう言うと部屋から出ていった。
「アンニーナ様、今日のお召し物はこれにいたしますがよろしいですか?」
「そうね。早速着替えるわ」
「はい。」
私とハルトの関係が以前の様に戻っているのを見たバレリアは安心したようだった。
ごめんね。心配ばかりかけて。
バレリアは私の支度を手伝っている時に
「なんだかアンニーナ様がキラキラしているように見えます」
「ん?急にどうしたの?」
バレリアもなんて表現していいのか分からない様子だった。
「恋とか・・・。でも昨日の今日だし・・・」
「ほら、もうすぐ朝食の時間でしょ!早く準備を勧めましょ」
私が悩んでいるバレリアに声を掛けると「そうですね。すみません」と言いながら髪型の仕上げをしてくれた。
そうして、食堂で美味しい朝食をとっているとハルトがやってきて
「今日の夜、姫の送別会をして下さる事になりましたよ」
「そう。ちょうど良かったわね。ハルト、ありがとう」
「それでは、僕は引き続き次の国への手続きをしてきますね」
「よろしくね~」
朝食をとった後、バレリアも出国の準備をする為他の使用人たちと荷物のチェックを始めた。
私は、文官と護衛を連れて貴族たちの別れの挨拶を受ける為に部屋を借り最後の公務をこなした。
カロル王女達がお見合いの件について何かお触れを出したのか、前回みたいな自分の息子や自分自身の売り込みをする貴族は一切なかった。
とてもスムーズに終えたので気持ちが良かった。
夜、晩餐の準備をとモリーさんがあの例のおへそが見える服を嬉しそうに持ってきた。
私は、最後だし仕方ないかと思いながらそれに着替えるとやはりお腹周りがスースーするので上から羽織る物も借りて着ていくことにした。
「とても美しゅうございますよ」
モリーさんは嬉しそうに私を見ると頷きながら
「王妃様を思い出します。始めは嫌がっていたのですが最後は国王様に絆されてきていましたね」
フフフと何かを思い出しながら話してくれた。
「さあ、参りましょう」
移動はモリーさんを先頭に私そしてその後ろにハルトとバレリアさんが付いてくる形になった。
どうやら使用人の方でも同じくお別れ会をしてくれるらしい。最後まで良い人たちで良かった。
晩餐会場につくと既にメリーディエースの王族達は席に着いており、私を見ると全員が立って歓迎してくれた。
カロル王女はハルトを見つけると駆け寄り
「もう大丈夫なのか?」
「はい、すみませんでした」
「無理をするんじゃないぞ」
とても仲睦まじく話していた。
あっあれ?どうしてだろう。以前なら二人が親しく話しているだけでも心の中にモヤモヤができたのに何とも思わないなんて私はハルトの事を好きになってたんじゃないの?私は気になってそっと手首の魔法陣を見るといつの間にか綺麗な桜色の魔法陣が煌々と光っていた。
私の気持ちは満たされているの?
たった一回しか会っていないあの人に?
カロル王女とハルトの会話をそんな思考の中でただただアルカイックスマイルを浮かべながら眺めいた。
最後までお読みいただきありがとうございました。




