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ゴミ箱を投げつけられて死んだ僕がドラゴンに転生しました。  作者: おもち
第四章:ヘタレのジル、教会に殴り込む。
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ヘタレドラゴンと特攻二人組

ゼアスさんに送ってもらい、僕たちはフォーティ二大陸に到着した。

その後は、レデルソンという町を目指す。


僕はゼアスさんと別れるや否や、レニアとエリンさんに


「僕に乗っていきましょう」


と、声をかけると、ドラゴンの姿へと変わった。

正直なところ、ドラゴンの姿になったのは随分久しぶりな感じがする。


「うひゃー…本当にドラゴンだったですね…」

「けど、思っていた以上に小さいな」


…小さいって…レニアにはなんとなく言われたくないんだけど…。


「確かに、あたいが見てきたドラゴンの中でも小さいほうかもしれませんです」


エリンさんはじっとこちらを見ながらそういうと、その後小さく呟いた。


「…にしても、ドラゴンを見ると斬りたくなるです」

「同感だ。打ち抜きたくなる」

『ちょっと!?』


二人して短剣と拳銃に手をかけてこちらを見る。

こんなところで仲間割れしてる暇なんてないのに…!!


「ドラゴンになっても、ヘタレはヘタレか」

『え…?』

「ですね、凶暴になってたらどうしようかと思いましたですが…」

「じゃあさっさと僕たちを乗せていけヘタレドラゴン」

『え…えぇ…?』


僕の反応を見る為にあんな攻撃的なことを言ったのかな…?

それとも、本心か…。

何にしても、背中の鱗が僕のことを守ってくれるのを祈るしかない。


そんな風に思う僕をよそに、エリンさんとレニアは軽々と僕の背中の上に乗る。

まだ、足を折り曲げてもいないのに、だ。


二人とも相当身軽、そして、相当素早い。

恐らくは、あのバケモノたちはこの二人の動きに全くついていけないだろう。


レニアも、白の教会のバケモノたちからこの二、三日逃げ切っているみたいだし…。

こんなに幼いのにすごい子だ…。


「おい、早く飛べのろま」


…まぁ…口は悪いけど…。


僕は小さくため息をつきながら翼を広げてその場から飛び立った。


ーーーーーーーーーーーーーー


どれぐらいの時間飛んでいただろう。

僕の背中の上で、地図を広げていたエリンさんが、不意に声をあげた。


「あそこです! レデルソン!」


そんなエリンさんの声に、僕は視線を下に向ける。

すると、そこには点々と明かりがついており、もう結構暗くなっているというのに、多くの人が出歩いていた。


「おいヘタレ、人に見つからないように着陸しろ」

『…その呼び方、結構傷つくよ…?』

「つべこべ言うな」


…僕の言葉がわかったわけでもなさそうなのに…会話が成り立っているみたいに思えてしまう。

まぁ…僕の言うことなんて、大体想像がつくのかもしれないけど。


とりあえず、僕は町の側の森の中に降り立った。

僕の背中の上に乗っていた二人は、僕が地面に着地した瞬間に地面に飛び降りた。

二人とも、とっという軽い音をたてて着地し、すぐに立ち上がるとこちらに視線を向ける。


僕も素早く人間の姿になると、他の二人に視線を向ける。

僕、レニア、エリンさんは頷きあうと、森の中を駆け出した。


「狙いの白の教会は、この森を抜けて、町を突っ切ったらすぐです!」

「あぁ。侵入経路は打ち合わせの通りに」

「…はぁ…はぁ……」


あ…足……速すぎ…!!

僕がこんな二人についていけるはずがない。


「おい、もっと全力で走れ」

「こ…これが…全力だよ…!」

「はぁ…?」


呆れたような、軽蔑したような眼を向けられるけど、そんなのを気にしている暇は、今の僕にはない。

息が上がって、胸が苦しい。

この速さで走ってて、どうして二人ともほとんど疲れてないんだ…。


「今、あんまり体力を消費しない方がいいですね」


エリンさんはそう言いながら近づいてくると、僕の腕を引いて、あっと言う間に僕を背中にのせる。


「え…えぇ…!?」

「行くですよ、レニア」

「あぁ…」


エリンさんに背負われた僕を白い目で見ながら、レニアはそう返事をする。


なんていうか、僕がダメダメなのってわかってたけど…今日は本当に、なんだかいいところが一つもない気がする…。


レニアとエリンさんは、殆ど息を乱すこともなく、森を抜け、町を突っ切り、そして一つの建物の裏で立ち止まった。


「これが…白の教会…」


エリンさんはそうつぶやきながら、僕を降ろしてくれた。


…この協会の形…。

僕の故郷にあったものと、全く変わらない。

…ここに…僕の力が…。


「行くぞ。必ずここで奴らからジル=オルドランドの封印された力を奪う」


レニアのその言葉に、エリンさんと僕は頷いた。


ヴィッタさんが書いてくれた潜入経路は、まず初めに通気口を通って内部に侵入する。

その後のことも、一応は考えていてくれたが、おそらく相当高い確率で、計画通りに進めないだろうと、ヴィッタさんも、僕たちも踏んでいた。

なぜなら、肝心の目的のものがある場所がはっきりとわかっていないのだ。

そして、おそらく内部に居るバケモノたちにその在り処を問いただすことも、なかなか難しいだろう。


ということは、結局のところ、この建物を隅々まで見た回らなければならないわけで…。

そうなると、あのバケモノたちの出くわさない可能性は限りなく0に近い。


僕が俯きながらそう考えていると、レニアが僕のわき腹を肘で小突いた。


「お前が今回するべきことは一つだけだ。力を取り戻せ」

「…」

「敵は、あたいたちが何とかするですから!」

「……うん…」


二人は、僕が頷いたのを見ると、通気口の中へと入っていった。

…皆、そんなに体が大きくなくてよかった…。

僕で結構きついから、こんなところをヴィッタさんやゼアスさんが通ろうとしていたら、いい大人の男が通気口に挟まるという事故が起こるところだった。


それに、前を行くエリンさんは身長こそ僕より少し低いものの、なんというか…女性らしい体をしているからか少し進みづらそうだ。

一番前を行くレニアは、小さいし平たいし身軽だしで、どんどんと進んでいき、あっと言う間に内部につながる通気口の網のところまでたどり着いた。


「敵は、今のところこの通路には居ない。出るぞ」


僕たちが追いついてきたのを確認して、レニアはそう小さな声で言ってから通気口の網を退けて飛び降りた。

それに、エリンさんも続く。

僕ももぞもぞと進んでいき、それに続いて降りようとしたところ、足が通気口の淵に引っかかって、無様に顔面から地面に落ちた。


「い……っ……」

「随分と綺麗な着地だな。鼻がつぶれたんじゃないか?」

「……うぅ…鼻血でそう…」

「汚い」


…即答で汚いって…。

そんなやり取りをしている僕たちの横で、エリンさんは長い前髪を頭の上の方でピンでとめた。

そのピンには、ドクロのような装飾が施されていて…正直、女の人が身に着けるようなデザインではないような気もする。

エリンさんのいつもは隠れている目は、釣り目気味でとても綺麗だった。

エリンさんはその目を細め、真剣に辺りを見回している。


「…お前、まだそのピンを使っていたのか」

「もちろんです! あたいの宝物ですから。さて…潜入は成功したみたいですが…」

「気は抜けないな。正直、あのバケモノたちに見つかっても、そこまでの障害にはならないだろう。ただ、分断だけはされないように気をつけていくぞ」


そう言いながら、レニアは廊下を歩き出した。

それに、エリンさんと僕は続いていく。


この時、僕たちはまだ、敵の戦力を把握しきれていなかった。


最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

よければブックマークなど、よろしくお願い致します。

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