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幼馴染は二人とも愛が重いです!  作者: 河井こまち
一章 高校1年生1学期
24/25

第二十四話 宿泊学習1日目

朝から日差しが降り注ぎ、部屋に居ても眩しいと感じる今日は宿泊学習当日である。

見ての通り天候にも恵まれて晴天となった。


俺は支度を全て終えて部屋で最終確認をしていた。

荷物のリストをもう一度見ながら確認する。


忘れ物がないことを確認した後、俺は荷物を持って玄関に向かった。


「それじゃあ行ってきます」

「は〜い行ってらっしゃい。楽しんできてね」

「うん」


そう母と会話して家を出た。

そして目の前の雫の家から雫が出てくるのを待った。


待ち始めて10分も経たないうちに雫が出てきた。


「それじゃあお母さん行ってくるね」

「は〜い。あっ奏汰君おはよう」

「おはようございます。お義母さん」

「雫の事頼んだわね」

「おっお母さん!?」

「承知しました」

「奏汰君も!?」


玄関に居た雫の母にそう言われ雫を全力で守る事を心に誓った。

その会話を聞いていた雫は少し頬を赤く染めボソっと何か言っていた。


「雫。大丈夫?」

「あっ、うん。大丈夫だよ」

「そう?それじゃあ行こうか」

「うん。じゃあ改めて行ってきます」

「行ってきます」

「は〜い。行ってらっしゃい」


そう雫の母に挨拶して俺達は学校へと向かった。

今日から2日間どうなるのか楽しみだ。


◇◇◇


学校に着いてから集合場所の体育館に向かうと先に着いていた人たちがそれぞれ班で固まってクラスごとに座っていた。

俺達は同じ班の遥斗と薫ちゃんを探した。


「おーい奏汰、雫ちゃん。こっちこっち」


2人を探していると先に俺達を見つけた遥斗から声を掛けられた。

俺達は2人のもとによる。


「おはよう。早いな」

「おはよう。少し早起きしてしまってさ。」

「ああ」


俺は遥斗と挨拶を交わす。

その間に雫と薫ちゃんも挨拶を交わしていた。


「なあ奏汰」

「うん?どうした?」

「俺達さ男女の幼馴染じゃん」

「ああ。そうだな」

「こういうときさ、女子側の親からよろしくって言われない?」

「ああ、よくあるね。てか今日も言われたし」

「やっぱり?俺も俺も」


遥斗と幼馴染の子の親から、その子のことよろしくねってよく言われるみたいな話で盛り上がった。

確かによくあるし、てかさっき言われたし。


「後さこういう事言われたらさ、その子のこと守らなきゃってならない?」

「めっちゃなるわ。俺は彼氏だから尚更」

「だろ?」


そう言って俺達はチラッと2人の方を見る。

2人は楽しそうに宿泊学習の話をしていた。


「なあ遥斗」

「ああ奏汰」

「俺達は2人のことを命に変えても守らなきゃいけないな」

「ああ。わかってるよ」

「頑張るか」

「頑張ろうぜ」


2人でお互いの幼馴染を守る誓いを立てたのだった。


時間になると人員確認を行ってから、全体での確認をしてバスに乗り込むことになった。

今回俺達は、最後列の席となった。

席の配置は進行方向右側から俺、雫。一つ開けて薫ちゃん、遥斗という席の配置となった。

バスに乗っている時間は2時間半ほど。

その間は自由時間である。

全員が乗り込んだのを確認した後、扉が閉まりバスが発車した。


「ねえ奏汰君」

「うん?どうした雫?」

「今朝さ、お母さんに私のことよろしくって言われてわかったって言ったじゃん」

「うん言ったね」

「それはどういう意味なのかな?」


雫の頬が少し赤く染まっている。

俺は決意をそのまま口にした。


「それはね、雫が宿泊学習を楽しめるようにサポートしたり、何かあったら雫を守ったりして、雫のことを全力でアシストするって事だよ」


雫の母から言われたお願いは雫を守って無事に帰ってくることや宿泊学習を楽しんでもらう事を指していると思う。

なのでそれを果たすために全力を尽くすつもりだ。


「うふ、うふふ。なるほどね。そうかそうかふ〜ん」

「わかってもらえた?」

「うん。わかったよ。うふふ。それじゃあよろしくね奏汰君」


雫によろしくと言われ更にやる気が出てきた俺は、雫を守ることを改めて心に誓った。


しばらくバスに揺られていると、昨日の勉強の疲れか眠くなってきた。


「眠そうだね奏汰君」

「うん。昨日の勉強の疲れかな?」

「もう。宿泊学習の前ぐらい勉強しなくてもいいのに。それじゃあ少し寝たほうが良いよ。着く前に起こしてあげるから」

「うん。ありがとう。それじゃあ遠慮なく」


そうして眠りについた。


◇◇◇


寝てからどのくらいの時間が経ったのだろうか。

俺は車内の騒がしさから目を覚ましたのだが、


「あっ起きた。おはよう奏汰君」

「あっ、ああ。おはよう雫」


俺は雫の太腿を枕にして、いわゆる膝枕をして寝ていたようだった。


「え?これ、あれ?確かに普通に寝てたはずなのに。え?」

「うふふ。奏汰君あんまり騒がしくするとみんなに気づかれちゃうよ」

「あっごめん」


俺は体を起こしながら聞いた。


「それで、この状態は結局なんで?」

「うふふ。それはね、寝ている間に私の肩に寄りかかったのだけど、あまりにも疲れていたのか気持ち良さそうに寝ているからさ私の膝の上で寝たほうがもっと良いかなと思ってね」

「あっ、そっ、それは失礼しました」

「謝らなくても良いよ。あっ、もしかして私の膝枕に照れてるの?」

「てっ、照れてないし」

「うふふ、うふふふ」

「わっ、笑うな」

「うふふ。ごめんごめん。あまりにも可愛かったから。本当可愛いな奏汰君は」

「男に可愛いは褒め言葉じゃない」


俺は雫に少し揶揄われて拗ねる。

そこも可愛いと思ったのか雫はうふふと笑っている。


俺は窓の外を見た。

景色はいつの間にか都会から山や森などの田舎風景に変わっていた。

そんな景色を少し眺めていると前にいた先生から声が掛けられた。


「もう少しで着くぞ。降りる準備を始めとけ」


先生の一声で俺達は降りる準備を始めた。

これから宿泊学習が本格的に始まる。


◇◇◇


バスが目的地のキャンプ場に着いて俺達はバスから降りる。

俺達はまず荷物を今日泊まる部屋に置いて外に集まった。


午前は自然と触れ合う事を目的としたバードウォッチングをした。

班で行うこの活動は楽しく終えることができた。


そして今から行うのは野外炊事だ。

今回はお昼ごはんとして班でカレーと汁物を作ることになっている。

俺達はエプロンをつけ手を洗って早速調理に取り掛かることにした。


「じゃあ、役割分担ね。みんな料理はできる?私はできるよ」

「俺は雫ほどじゃないけどできる」

「私もほどほどに」

「えっ俺だけ料理できない!?」

「じゃあ、奏汰君はご飯をお願い。前にやってたからできるよね?」

「了解。任せて」

「薫は私とカレーと汁物を作ろう」

「わかった」

「遥斗君は料理ができないっぽいから雑用ね」

「はい。わかりました」


そうやって役割分担を終えて早速作り始めた。

俺はご飯を作ることになった。

今回は飯盒でご飯を炊くことになっている。


「奏汰。本当にできるのかよ」

「まあ、1人のときは作るし、雫よりは劣るけどそこそこはできる」

「マジか。てかさっき前にやってたって言ってたけど、奏汰飯盒でご飯を炊いたことあるの?」

「ああ。前にうちと雫のところと一緒にバーベキューした時に、せっかくなら飯盒で炊くかって父さんが言って、それでやった」

「はあ。ってしれっと雫ちゃんとのエピソード入れてくんな」

「そんなのどうでもいい。とにかく遥斗は火を起こしてくれ。それくらいならできるだろ?」

「はーい。わかりましたよ」


そう言って遥斗は火を起こす道具を取りに行った。

その間俺は米を洗って飯盒で炊く準備を整えた。


しばらくすると遥斗が「火付いたぞ」と言った。

俺は火を見て問題ない事を確認して飯盒を火にかけた。


そしてカレーと汁物を作っている2人の様子を見てみた。


「汁物はじゃがいもの味噌汁で良いんだよね」

「うん。じゃがいもは大きめに切ってね。溶けるから」

「うん」


2人はテキパキと野菜を切って調理を進めている。

薫ちゃんは料理ができるらしく、見た感じ雫と同じくらいかなと思った。

その2人を見ていた遥斗が呟いた。


「すげえ。2人とも息ぴったりじゃん」

「ああ。薫ちゃんも料理できるんだな」

「ああ。薫の料理はうまいぞ」

「惚気話は結構。お前も薫ちゃんを手伝えるようになれよ」

「チッ。これだから料理のできるやつは。はあ、俺も料理しようかな」


遥斗はため息を吐きながらそう呟いた。

実際料理ができて損はないと思う。


そんな会話をしながら料理を進めていく。

俺達は雫をリーダーにテキパキと息を合わせながら料理を進めて行き他の班より早く料理を完成せることができた。


できた料理を盛り付けて一足先に食べ始める。


「それじゃあいただきます」

『いただきます』


遥斗の後にみんなそう言ってみんなで食べ始める。

食べ始めて遥斗が真っ先に感想を口にした。


「うめえ。これはうまいよ」

「うん美味しいね。流石雫。薫ちゃんも料理上手なんだね」

「あっ、ありがとう。奏汰君の炊いたご飯も上手に炊けてるよ」

「うんうん。流石奏汰君。この前もそうだけど上手にこなすからね」

「それはどうも。ほら遥斗もこうなりな」

「はあ、やっぱ料理始めるべきか」


遥斗がそう言ってみんなで笑う。

俺達の班の野外炊事は成功に終わった。

他の班も作り終えて食べ始めるが、上手く行ってないところが多いようだ。

少し他の班を見ていると、耳に少し嫌になる声がちらほらと聞こえてきた。


「なあなあ、河村さんの班見たか?すんげえ美味そうだったよ」

「見た見た。すげえ料理上手なんだな」

「いやー勉強も料理もなんでもできて、そして可愛いって最高かよ」

「彼女にしてー」

「それな。分かる」


俺はその言葉を聞いた瞬間、みんなにはバレないが目が暗くなる。


(チッ。またこれか。彼女にしたいとかふざけんじゃねえよ。雫は俺の物なんだから。人の物に跡を付けようとするんじゃねえよ。雫は俺のもの。誰にも渡すわけがない。やっぱり雫の才能は俺だけの物にして、他の人が居ないところで使うべきかな?そうしたら誰も雫なんて取らない。雫は俺のもの。アハハ。アハ。アハハハ)


俺はなんとかバレないように感情をもとに戻す。

そして普通に戻してチラッと雫を見た。

雫は楽しそうに会話をしていた。

ちゃんと雫を守らないと。

俺は朝約束したことをもう一度思い出して、もう一度心に誓った。


◇◇◇


野外炊事が終わると、レクが行われた。

俺はあまりそういう事が好きではなので隅で過ごしていた。

レクが終わると夕食を食べて、外でキャンプファイヤーを中心とした二度目のレクをすることになっていた。

俺はまた、適当に過ごすかと思いながら渋々外へ出た。


外に行くと集まった事を確認した実行委員が火を付けレクを始める。

一応任意であるので俺は隅で静観していた。

しばらくすると実行委員が別の事をするというので話を聞くことになった。

内容としては散歩のようでクラスごとにそれぞれ決められたルートを行って返ってくることらしい。

行動相手は自由らしい。

俺は、最後で良いかなと思って一番後ろで出発した。

遥斗は薫ちゃんと一緒に行ったようだった。

雫はどこかはわからなかった。


とにかく俺は1人でゆっくりと歩くことにした。

でも少し嫌な予感がする。


◇◇◇


私は夜の散歩と聞いて少しうれしく思った。


(これは奏汰君と一緒にいろんなことができるチャンスかも知れない)


私は奏汰君を探したが見つけられなかった。


(あら?奏汰君は先に行ったのかな?でもそのうち見つけられるよね)


そう思って私は言われたルートを歩き始めた。


少し歩くと突然声を掛けられた。


「河村さん。少し良い?」


見ると同じクラスの男子が居た。

その人数は13人ほど。

奏汰君と遥斗君は居ないがその他のクラスの男子がそこには居た。


「はい?何でしょう?」

「あの、俺は河村さんの事が好きです。俺と付き合ってください」

「僕も好きです。付き合ってください」

「俺も」


そう言って全員が私に告白をしてきた。

正直なんとなくは予想していたけどいっぺんに来られると、いいや好都合かもしれない。

もちろん私の返事は一つに決まっている。


「ごめんなさい。私はあなた達とはお付き合いできません」


私は秒で彼らを振った。


「えっ、何で。何で付き合えないの?」

「そうだ。理由を教えてくれ」


複数人がそう聞いてきた。


「それは私には大切な好きな人がいるからです」

「その好きな人ってもしかして冴島か?」

「はい。そうです」

「何であんな暗いやつと、もっと他にいるだろ俺とか」

「そうだそうだ。アイツのどこが良いんだよ。地味だろ」

「あんなやつより僕のほうが良いだろ」


そう口々に言った男子らに私は目のハイライトを消す。

すると男子たちはそれを見て震える。


「ねえ。今なんて言った。もう一回言ってみ?奏汰君は暗くて地味?ふざけるんじゃないわよ。あなた達の目は腐っているのかな?奏汰君は優しくて。かっこよくて、何でもできる私の大切な幼馴染で、私の大切な好きな人。そんな人を侮辱するなんていい度胸ね。奏汰君を侮辱するなんて許せない。許せない、許せない、許せない、許すわけには行かない。あなた達にはわからせてあげないといけないかもね?」


私の言葉に男子たちは怯える。


「今日のところは何もしないけど、次奏汰君を侮辱したり、この事を奏汰君に言ったり、奏汰君に何かあったときはあなた達をこの道具で再起不能までに切り刻むからね。私の奏汰君をいじめた罪を味わうが良い。アハ。アハハ。アハハハ」


そういった途端、男子たちは血相を変えて「もうしません。申し訳ありませんでした」と言って逃げていった。

それを見た私はスッキリとした気分だった。


(あー愉快愉快。これで彼らは私に逆らえない。もう私達が付き合うのに反対する男子はこのクラスには居ない。ウフフ。奏汰君はわ・た・しの物。ウフフ)


私はそんな事を思いながら先に進んだ。


◇◇◇


ゆっくりと決められたコースを歩いていると少し声が聞こえてきた。

どうやら告白らしい。

嫌なもの見たなと思いながらチラッと見ると告白されていたのは雫だった。

どうやら告白は失敗したのか声を聞いた後すぐに男子たちがこっちに走って来た。

そして男子たちは俺を見て絶望の顔を浮かべた。

俺の目が暗くなる。


「なあなあそこの男子たちよ、今なにしてたのかな?言ってごらん?」

「かっ河村さんに告白して振られました」


一人の男子が震えながら答える。


「ふーん。そうかそうか。君たちは人の女に告白するのか。へー」

「いっ、一応付き合ってないと聞きましたが・・・」

「良いや付き合ってなくても雫は俺の幼馴染で俺の物であるんだよんね。そんな雫に告白するとはね。君たちは舐めてるのかな?人の女にちょっかいかけて軽い形で済むとか、そんなことないよね?ね?ねえ?」


俺は更に続ける。


「まあまずは、このカッターかハサミでどっか大切なものを切り落としてしまおうかな?それとも喉を切って声を出せないようにする?俺の雫に跡を残したならそれくらいの報いは受けてもらわないとねえ。雫は俺の物なんだからさ。アハハ」

「ひっ、ひい。申し訳ありませんでした。もうしませんのでお許しを。」

「お許しを」


男子たちは口々に許しを求める。


「それじゃあ、土下座してもう一生雫に近づかない事。それなら許してあげる」

「はっ、はい。もうしません。もう近づきません。なのでお許しを」


そう言いながら。男子たちは土下座をする。


「もういい。俺の前から消えろ。約束破ったら今度こそ許さないからな」

「はっ。はい。すみませんでした」


そう言って男子たちは消えていった。


(はあ。これで男子はもう逆らえない。もう雫はオレの物だな。雫のことは絶対に渡さない。渡してたまるか。アハハ)


そう思いながら暗闇の中へ歩いていった。


◇◇◇


ルートを歩いて戻ってきたらすでに何人も戻ってきていた。

全員が戻ってきたらレクは終わり、後は寝るだけである。

ロッジに戻る前に雫と少し話をした。


「お疲れ雫」

「お疲れ様奏汰君」

「楽しかったか?」

「うん。そっちは?」

「俺も楽しかったよ」

「良かった」


俺は雫と話すときが一番幸せに感じた。

そんなことは今は言えないけどね


「ねえ奏汰君。星が綺麗だね」

「ああ。本当にきれいだ」


夜空には満天の星空が見える。

これは都会では見れない風景だ。

この風景に神様は更に幸運を追加してくれた。


「あっ。流れ星」

「本当だ」


そう言って雫と流れ星を鑑賞する。

流れ星はとっても綺麗だった。

でも雫の方が綺麗だと思う。

こんな事言えないけど。


そんな事を思っているとふと思い出した。


(そういや流れ星に願いを込めると願いが叶うんだっけ?)


そう思い出し流れ星に願いを込める。


(雫と結ばれ一生一緒にいられますように)


そう願い事をして隣を見ると雫も願い事をしていたようだった。


「雫も願い事?」

「うん」

「なにを願ったの?」

「うふふ。それはね秘密だよ」

「そっか」

「うん。そろそろ戻ろう」

「うん」


そう言って2人でロッジに戻った。

戻っている時に雫が「’願い事は奏汰君と結ばれ一生一緒にいられますようにだよ’」と小さく言っていたが、なんと言っているかは分からなかった。


「それじゃあ雫。おやすみ」

「奏汰君もおやすみ」


そう言って雫と別れた。


その後寝る準備をして部屋に戻って布団に入って目を閉じた。


(今日は色々とあったな。でもなんだかんだ色々と楽しかったな。明日はどうなるのか楽しみだ)


そんな事を考えながら俺は眠りについた。

急に長くなってしまいました。

どうしてもここは2回でまとめたかったのでこうなってしまいました。

今後もこんな事がちょくちょくありますがよろしくお願いします。

コメントもそろそろ欲しいです・・・

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