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幼馴染は二人とも愛が重いです!  作者: 河井こまち
一章 高校1年生一学期
21/23

第二十一話 中間考査

ゴールデンウィークが明けてしばらくした5月の最終週。

いよいよ明日から中間考査である。


「疲れた〜」


そう隣で嘆いた雫は俺を見て言った。


「ねえ奏汰君。テスト明日だしこれくらいで勉強終わりにしない?もう10時過ぎてるよ」


そう言われ時計を見ると、確かに時計の針は10時を回っていた。


「本当だ。全然気付かなかったよ。そうだね明日も早いしそろそろ終わりにしようか」


ちなみになんで夜遅くに雫が俺の部屋にいるのかと言うと、今日は学校が4時間で終わってそこから2人で勉強会、昼と夜はうちで食べて今を迎えている。


「うん。あとさ、奏汰君。今回のテスト勝負しない?」

「え?勝負?」

「うん。私と奏汰君の合計点でどっちが高いか競うの」

「はあ、良いけど」

「本当?じゃあ決まりね。ちなみに勝ったらご褒美として自分の好きなことを1つ叶えられる権利を与えるよ」

「権利?」

「そう。例えば私が勝ってケーキが食べたいって言ったら、奏汰君がそれを叶えるの」

「はあ、要するに命令権ってわけね」

「そう。良いでしょ?」

「まあ良いよ」

「やった!じゃあ正々堂々勝負しようね」

「わかった」

「じゃあ帰るね。おやすみ」

「うん。おやすみ」


そう言って雫は部屋を出ていった。

そして雫がいなくなった部屋でふと気づいてしまった。


(あれ?そういえば中学の時、俺ずっと雫に点数負けてたよな?)


そう、中学の時から雫は頭が良く3年間の全てのテストで学年1位を取り続けていた。

ちなみに俺はその下の2位である。


(あれ?これ俺に勝ち目あるか?)


そう。この点数勝負は雫が非常に有利なのである。


(まあ、高校になってテストの量や難しさも上がったから少しばかりは俺にも勝算はあるか。まあ頑張ってみよう)


そう思い、明日の準備を済ましてから布団に入り眠りについた。


◇◇◇


翌日から中間考査が始まった。

うちの学校は3日間の日程でテストを受ける。

1ヶ月前から勉強していたお陰で最初のテストにしては手応え十分だった。

どのテストも全力で解いているうちに3日間全てのテストが終了した。

ちなみに、雫との勝負は頭から抜けていた。


◇◇◇


テストから1週間後。

全教科が帰ってきた。

その次の日には学校に順位名簿が張り出された。

その名簿が張り出された日の朝。


「いよいよだね」


雫と朝並んで学校に向かているとそう言われて頭にクエスチョンマークが浮かんだ。


「いよいよって何?」

「えっ?奏汰君覚えてないの?」

「えっ、何のこと?」


雫は俺の言葉を聞いてムスッと頬を膨らませた。


「私言ったよね?テストの点数勝負しよって。覚えてないの?」

「あー、そんなこと言ってたね。ごめんテストに集中して頭から抜けていたよ」

「ふ〜ん。それで約束は覚えてるよね?」

「えっと、相手への命令権だっけ?」

「そうだよ。約束ちゃんと守ってよね」

「守ってって、まだ雫が勝ったって決まってないじゃん」

「いいや中学から奏汰君にはずっと勝ってるから今回も勝つの」

「まあ、早く行って見てみるか」

「うん。早く行こう」


そう行って学校に向かった。


◇◇◇


学校に着くと、教室に荷物を置いて雫と一緒に廊下に張り出されている名簿を見に行った。

掲示板の前には沢山の人がいる。

雫と俺は名簿を見てどこに自分がいるかを探した。

すると俺の名前を見つけるより先に雫の名前を見つけてしまった。

順位は1位。点数990点。

そしてすぐに俺の名前を見つけた。

順位は2位。点数は983点。


「やった。奏汰君に勝ったぞ。ほらね言った通りでしょ」

「クソ、また負けた」

「じゃあ帰ったら命令するね。何に使おうかな」


そう言って雫は何を命令するか考え始めた。

俺はまた負けた事を悔しく思って次は勝つためにどうするか少し考えていると周りの声が聞こえてきた。


「1位の子すげえ。990点って満点1000点だろ。凄すぎるって」

「河村雫ってこの子何組?」

「1組よ。ほらあの」

「あ〜あの学年一の美少女と言われてる河村さんか。頭も良いのかよ」


他にも雫のことを噂する声が聞こえてきた。


(あ〜うるせえ。こいつら誰の雫に向かって言っとんねん。てか頭良いとか美人とか褒め言葉だけどな、それを維持するために雫はお前らと比べ物にならない努力を積んでるんだよ。それを知らずに噂するな。雫を褒めて良いのは俺だけなんだからな。やっぱり雫は何でもできるから人の目につかないようにしないといけないかもな。やっぱ俺の部屋で2人で一生一緒であるべきなのかな?そうすれば俺だけの雫、雫だけの俺になるしな。やっぱそれが良いよなあ。アハハ)


「・・・か・・た、君。か・・な・・た君。奏汰君!」

「はい?」

「はい?じゃないよそろそろ教室戻らないと、ホームルーム始まっちゃうよ」

「あっ、う、ん。戻ろうか」

「うん」


そう言って俺達は教室へと戻った。

どうやら周りの声から変な妄想に入ってしまったようだ。


(まずいな。流石に気をつけないと)


妄想から救ってくれた雫に感謝しつつ教室へ戻った。


(そういや、雫は何を命令するんだろう?)

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