第十九話 ゴールデンウィークが明けて
〈ピロピロ ピロピロ〉
目覚ましがなっている。
俺はそれを止めて目を覚ます。
時刻は朝の6時30分。
今日からゴールデンウィークが明けて学校が始まる。
俺は眠い目をこすって起き上がる。
今月は中間考査も控えている。
改めてしっかりと勉強をしようと思いながら、制服に着替える。
下に降りて顔を洗っていてふと気付いてしまった。
(そういやこの前雫とキスして別れたよな。これって気まずくない?)
そう前に雫と遊んだ日。
俺は雫とキスしてしまったのだ。
まああれは「幼馴染として大好きで、別れの際にチークキスをしてこの事を伝えた」と結論づけた。
でもいざ会ってみると案外気まずいのではないかと思う。
(まあなんとかなる。別に気まずくないさ、別れたとかじゃないんだし)
その事はなんとかなると考えて朝ごはんを食べようとリビングのドアを明けて気付いた。
「おはよう奏汰君」
「お?おはよう。え?なんで雫がここに?」
そう目の前にはキッチンで母と料理している雫がいたのだ。
「今日は雫ちゃんの両親が忙しくてね雫ちゃん一人だから、折角ならこっちで食べれば良いと思って誘ったのよ」
母さんがそう説明する。
「はあ。それはわかったけど何で雫も料理してるの?」
「それは私も料理したかったからだよ。’本当は奏汰君にご飯を作ってあげたかったからだよ’」
「うん?雫、何か言った?」
「うんうん。なんでもないよ」
「それにしても雫ちゃん料理ホント上手ね。流石雪ちゃんの娘だわ」
「いえいえ、とんでもないです」
「ホントのことよ。将来いいお嫁さんになるわ」
「エヘヘ。ありがとうございます」
雫が恥ずかしそうに笑う。
俺も「お嫁さん」という言葉にドキッとする。
(そうだよな。雫は何でもできる凄い子だからいいお嫁さんになるよな。でも将来、俺が雫をもらうから他の男には関係のないこと。だから雫は俺好みのそのままでいてほしいな)
あっ、朝から俺は何を考えてるんだ。
まっ、まあ少しくらいはいいか?将来は俺の雫だし。
「奏汰君ご飯できたから食べよう?」
「あっ、うん食べよう」
そんなこんな考えてるうちに朝食ができたらしく雫が俺を呼んだ。
「あら、そろそろ行かないと。じゃあ奏汰あとはよろしくね」
「了解。行ってらっしゃい」
「行ってらっしゃいお義母さん」
「あら、雫ちゃんありがとう。それじゃあ行ってくるね」
そう言って母は職場に出かけていった。
「よし奏汰君。冷めないうちに食べよ」
「うん。食べようか」
『いただきます』
そう言って雫が作ってくれた朝食を食べる。
今日のメニューはご飯に大根の味噌汁、卵焼き、鮭の塩焼き、ほうれん草のお浸しだ。
俺は卵焼きを一口食べる。
「うん。美味しい」
「そう?良かった」
「この卵焼き俺好みの甘めの卵焼きだ」
「そうなの。お義母さんから聞いたからやってみたんだけど上手くできてよかった。今度からもそうするね」
「うん。ありがとう」
卵焼きが甘めなのは母さんから聞いたことらしい。
それを含めて完璧に仕上げている雫はやっぱり料理上手だなと思う。
そして「今度からもそうする」という言ったので、(また作ってくれるんだな)と少し嬉しい気持ちになった。
◇◇◇
「ごちそうさまでした。とっても美味しかったよ雫」
「お粗末様でした。ありがとう奏汰君。また作るね」
「・・・ありがとう。じゃあ、お願いします」
「わかったよ。それじゃあ準備して行こうか」
「うん」
そう言って皿を片付けたり、自分の準備を終わらせた。
雫も準備を終わらせて2人で一緒に家をでた。
『いってきます』
そう2人で言って扉を閉めた。




