沈黙が重々しかったのだけど、こっちが口を開こうとしたらようやくヴィクトル様が口を開いてくれた。
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「何よ、お前の卑しさに比べれば全部マシって!?そういう言い方しかできないの?あんたっていう存在は!」
「卑しいピースウォーカーにどれだけ罵られても何とも思わないな。家畜が本能のままに喚いているようにしか聞こえない」
「何よ、その言い方!ありえないんですけど!!」
ここまで挑発的な発言をされて黙っていられなかったし、こんな最低なやつを倒すのに何の同情心も湧き上がって来なかったので、容赦なく攻撃をすることができた。
「ピアスピア!ハルモニア!ピース・ハーモニー!!」
ドゥルルルルルルルルルルルルルッッッ!!!!!!!!
キャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!
ジュウウウ!!
「ぎゃあああああ!!」
「あんたなんか相手にしている場合じゃないのよ!!こっちは助けないといけない存在が3人もいるんだから!それじゃ、行くわね!!」
すぐに連れ去られたルルとリリを追いかけて行く。
しかし、すでにその姿はそこにはなかった。
「ちょっと!どこに行ったの、2人とも!?ルル!!リリ!!どこにいるの?返事をして!」
しかし返事が帰ってこないのは分かっていた。
どこを見渡してみてもいないんだ。
「どうしよう、僕ちゃん?どうすればいいと思う?」
「ルルの父上を探しに行けばいいんじゃないか?まあ、探す当てがないという点ではルルやリリと一緒だけどな」
「ほんとにね。僕ちゃんは本拠地の土地勘はないの?」
「ないぜ。さっぱり分からん」
探すあてがないというのが一番応えた。
これだけ広い場所を探し回るのは時間がかかりすぎるし、なおかつ天志が点在しているのだから自分の方から敵に会いに行くようなものだ。
だから何か探すあてが必要なんだ。
どうすればいい?
...そうだ!
こうするしかない。
探すあてがないのだから。
そう言ってさっきの場所に戻って行った。
「大丈夫?」
ピクピクピク......。
「いや、大丈夫なわけないか。ピースハーモニーを放ったんだから。こっちは倒す気でやったんだし。それに直撃した。あなたは大丈夫な訳がない。ちょっと待ってて」
そう言ってその天志を抱えてやって、楽園の光に連れて行ってやることにした。
ピカァァァァァァ!!
その天志は病弱のように見えた。
楽園の光で回復させてやってもあまり見た目が変わらない。
もともと弱々しい見た目をしているのだ。
「大丈夫?」
その口の悪い天志を必要最低限回復させてやって、うかはこう言った。
「回復させてやった所ちょっと頼みたいことがあるんだけれど、この本拠地はちょっと広すぎる。だからちょっとあんた道案内してくれないかな?」
「なんで卑しいピースウォーカーなんて案内してやらないといけないんだよ?」
「そういう態度取るんだ?分かってる?あんたには選択肢なんてないんだよ?今あんたはうかに生かされているの。そこら辺理解してもらわないと困るよ?」
「命は保証してくれるんだろうな?」
「そりゃするわよ。死なれたら道案内してもらえないからね」
「分かった。それじゃあ行くぞ!こっちだ」
そう言って天志が指を差す方向に向かっていくことになった。
そして、ようやく建物にたどり着くことができた。
本拠地の建物はドーム型だった。
天井の一部が空いていて、そこから入っていくことができた。
楽園の光がそこにだけ注ぎ込んでいて、その作りはかなり考えられているようだった。
中に入ってみるとギョッとした。
なんと無数の天志がそこにいたのだ。
まだこっちの存在はバレていないけれど、存在がバレ?のは時間の問題だろう。
「まさか、あんた騙したの!?」
「別に騙してはいない。ただ裏切り者ルルの場所に道案内するとは言っていない!」
「何よそれ!騙したのと一緒じゃない!ふざけるんじゃないわよ!!」
「今更気づいてももう遅い!お前は騙されたんだよ!卑しいピースウォーカー!」
この卑劣な天志のせいで、天志が群がっている場所に一人で迷い込んでいくことになった。
「あっちだ、あっちに行くんだ、ピースウォーカー!あそこにヴィクトル様が座っておられる!」
天志が指をさしたのはこのドーム型の建物の一番高いところだった。
中央に時計塔があって、そこに行けと指示をしてきた。
もしここから離れようとすればこいつは大騒ぎするだろう。
そうすれば一気に大勢の敵に見つかることになるので、こいつの言うことを聞かざるを得なかった。
その中央の時計塔に入っていくと、そこは薄暗かった。
「誰じゃ?」
「噂のピースウォーカーを連れてきました」
「入るのだ」
そう言って招いてくる人の前に向かっていったら、そこにはヴィクトルがいた。
「また会ったの、ピースウォーカー。なんじゃ、また懲りずに滞在許可をもらいに来たのかの?」
「違うわよ。今回はそういうつもりで来たわけじゃない。今回は違うお願いをしに来たの」
「またか。何だ、申してみよ」
「分かってるでしょ?3人のことを解放して。捕まっている3人のことを!話を通っているでしょ?」
そうするとヴィクトル様はしばらく黙り込んだ。
沈黙が重々しかったのだけど、こっちが口を開こうとしたらようやくヴィクトル様が口を開いてくれた。
「いいだろう、許す」
「ということは解放してくれるの?あと、あなたたち天志が思っているようなことは、うかはしていないわよ!全部誤解なのよ!だから乱暴なことをするのはやめて!」
こうやって言うとヴィクトル様が首を縦に振った。
そして顔を横に向けて、そばにいる天志に何やら話しかけた。
薄暗くて分からなかったけれど、他の天志がそばに仕えていて、その天志に耳打ちをした。
しかしヴィクトル様の意向なのにも関わらず、そばにいた天志は「いけません!」と叫んだ。
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