さっきまでの盛り上がりが嘘のように消え去って、天志の下っ端たちは意気消沈していた。
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「全力の攻撃?それは楽しみだな。やってみろ、ピースウォーカー」
それは挑発的な言い方ではなくて、本当にその攻撃が気になるからそう言っているといったような感じだった。
このスラッとした長身の男ハイパーマンは、自分に対して圧倒的な自信を持っているのだろうか?
やっぱりあんまり強い言い方をしない方が良かった。
挑発的な言い方をしたことによって、衝突することになったからだ。
これだけ天志に囲まれているのだから、強気でいないと自分を保っていられない。
それが仇となった。
「どうした、ピースウォーカー?やってみるんだ」
「なんでよ!こっちは全力の攻撃を浴びせるって言ってるのよ?なんでそんなことを言うの?」
「ピースウォーカー、貴様は終焉の惡魔となかなかいい戦いをしているんだろう?だったら一度全力で攻撃してみろ」
「だから何でそんなことをしてほしいの?」
「気になるんだよ。私は救世軍に所属している軍人だ。だから強さに対する憧れがあるんだ。だからどんなものか気になるのは当然ってものだろう?それともなんだ。恐気づいたか?嫌だというのだったら別にやらなくてもいいが。まあ、ルルには拷問を受けてもらうがな」
「分かったわよ。そこまで言うんだったら全力の攻撃を浴びせてやるわよ!ピースハーモニーをね!ありったけの威光を込めたやつ!!」
しかしそう言ったのにも関わらず、ハイパーマンの自信満々な態度は崩れなかった。
長身でスラッとしているのだけど、よく見てみたら軍人らしく筋骨隆々でなかなかたくましい肉体をしている。
そこに威光が加われば驚異的な耐久力に変わるだろう。
どうしよう、だんだん自信がなくなってきた。
しかし自信がなくなってきたことを悟られるのはまずい。
1ミリでも弱みを見せれば、一斉にこの天志たちは襲いかかってくるだろう。
どうしよう?
何かもっといい方法はないだろうか?
この窮地を切り抜けるもっといい方法が。
これが通用しなかったらどうすればいい?
「どうしたんだ、ピースウォーカー?早く全力の攻撃とやらをしてこないか。こっちは貴様の全力の攻撃を楽しみに待っているのだが?待ちくたびれそうだ。今すぐにでもその全力の攻撃とやらを受けたい」
腰に手を当てながら高圧的な態度をしているハイパーマン。
こっちとしてもメンツというものがある。
周りの天志に舐められたら厄介だ。
かなり性格が悪いから、一斉に襲いかかってくることだろう。
何のためらいもなければ、何の慈悲もなく一斉に襲いかかってくるのは間違いない。
「分かったわよ、やればいいんでしょ、やれば!覚悟しなさいよね!」
チャキッ........
「行くわよ!!」
「来い!!」
そう言ってハイパーマンは大の字になってこっちの攻撃を受ける気でいたのだった。
「後悔しても知らないから!!ハルモニア、ピース・ハーモニー!!!!!!!!」
ドゥルルルルルルルルルルルルルッッッ!!!!!!!!
キャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!
「ハイパーマン様!!」
周りの天志が心配する。
ジュウウウ!!!!!
プスプスプスプスプス........
煙が晴れて見えてきたのはピンピンしているハイパーマンの姿だった。
「なかなかいい攻撃じゃないか、ピースウォーカー。しかしこんなもんでは私は倒せないぞ!」
「ウォオオオオオ!!!」
天志たちは盛り上がった。
「さすがハイパーマン様だ!」
「本当だな!」
「さすがだ!!」
かなり盛り上がっていて、コンサートの会場かと思うほどだった。
「見ろよ、ピースウォーカーがうろたえてる!」
「強がってるぞ、今がチャンスなんじゃないか?」
「そうだな、みんな一斉にかかれ!!」
1人の天志がそう言うと、一斉にこっちに向かってきたのだった。
まずい、全力でピース・ ハーモニーを放ったから、息を整えるのに時間が必要だ。
どうしよう?
反撃することができない!
そんな風に焦っていた。
絶対絶命のピンチだった。
...その時だった。
「ゼロジック、ロジカルナイン!!」
そういった声がしたかと思うと、9の形をした光の輪っかがハイパーマンの首にかかって、首輪のように締め上げた。
グググググ...!!
「どうだ、ハイパーマン!いくら君のその耐久性でも首を絞められたらひとたまりもないだろう?」
「ガハッ!!」
どうやら息だけじゃなくて声を出すことも難しいらしく、9の形をした光の輪っかを掴みながら足をジタバタさせていた。
見ているだけで苦しくなりそうなほど、哀れなもがき方だ。
「ルル、大丈夫なの!?」
聞いてみたけれど返事はない。
相当、無理しているんだろう。
今にも死にそうな顔をしながら、覚悟を持った表情をしてハイパーマンを攻撃している。
「無理しないで、ルル!無理したら死んじゃうかもしれないよ?」
それでも返事はなかったけれど、でも攻撃することをやめなかった。
そしてとうとう頑丈な体を持っているハイパーマンが元気をなくした。
周りの天志の下っ端たちも焦り始めて、ハイパーマンの元に駆け寄るべきか、ルルに攻撃をやめさせるべきか、それともうかに攻撃をするべきか、迷っている様子だった。
「ハァハァ...」
そしてルルの方もいよいよ力尽きて攻撃の手を緩めたのだけど、ハイパーマンはぐったりとしたままだった。
さっきまでの盛り上がりが嘘のように消え去って、天志の下っ端たちは意気消沈していた。
「ご無事ですか、ハイパーマン様!?」
自分たちの上司にそういう風に問いかけてみるのだけど返事はなく、相当ルルの攻撃が効いているようだった。
ルルのおかげで間一髪のところで助かった。
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