なんとこっちにやってくるその天志は、ピアスピアの先端に白旗を掲げていて、恐る恐るこっちに近づいてきているようだった。
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バサッッッ!!!!!!
ビュウウウウン!!!!!!!!!
「大丈夫、ルル!?」
ルルを担ぎながら一旦安全なところに移動した。
ルルはかなりダメージを負っていて返事をすることも大変そうだった。
「ピースウォーカー」
「大丈夫!?無理しちゃだめだよ。天志達からあんな攻撃をされたんだから、そうなるのも無理ないよ!これ以上喋らない方がいい。生きることだけ考えて!」
「ピースウォーカー」
「どうしたの、ルル?」
「逃げよう。ハイパーマンは騙してきた。あいつら父上を差し出す気なんてなかったんだ」
「そうだね。最低だったね、ハイパーマン。まさか騙してくるなんてね」
「もっと僕がそういったところに気を回しておくべきだったんだ。不覚だ」
「そんな今更自分を責めてもしょうがないよ」
「逃げるぞ、ピースウォーカー」
「待ってよ、ルルの父上はどうするの?本拠地にいて罰を受けてる可能性だってあるんでしょ?そのまま放っておいていいの?」
そう言うとルルは悲しそうな顔をした。
そして葛藤しているようにも見えた。
そりゃそうだろう。
自分の父上を置いていくような行為、誰だって嫌に決まっている。
しかしそうせざるを得ないのだ。
自分の軽率な発言を少し後悔した。
「ミッション、今から移動するからね」
「分かったよ、お姉ちゃん」
逃げるしかない。
ハイパーマンにダメージ与えることができたけれど、もうこれ以上戦えないだろう。
これだけ大勢の天志から2人のことを庇いながら戦うなんて、さすがに無理だ。
バサッッッ!!!!!!
ビュウウウウン!!!!!!!!!
「待てピースウォーカー!!逃げるつもりか!?」
「落ち着け、お前じゃあルル様に勝てないよ!」
「見逃すっていうのか!?」
「しょうがないだろ!それよりもハイパーマン様だ!ハイパーマン様を何とかしないと!」
天志の下っ端たちが勝手に勘違いしてくれたおかげで、なんとかそこから離れることができた。
そういえばもくもくはどこにいるのだろう?
教義学校で留守番しているのかな?
そうだといいんだけれど。
ここに来ても巻き込まれて攻撃されるだけだし、庇いながら守れる自信はない。
ともかく楽園の光にまで来た。
今すぐにでもこの2人のことを回復させてあげなければいけない。
「ほら、2人とも。楽園の光だよ」
「ありがとう、お姉ちゃん」
「ピースウォーカー、迷惑をかけた」
「何を言っているの。いいのよ」
そしてしばらく2人のことを楽園の光に浴びさせて、回復させてあげた。
その間、当然、天志達が追ってこないかとヒヤヒヤしたけれど、ついにやって来なかった。
今このタイミングで天志が追いかけてきて追撃してくれば、ひとたまりもなかった。
よかった、ハイパーマンを痛めつけたのがかなり有効だったようだ。
さすがルルとしか言いようがない。
ハイパーマンに渾身の攻撃を浴びせてやったにも関わらず、あんなにピンピンしてるとは。
あそこまでタフだとは思わなかった。
「ピースウォーカー」
「よかった、2人とも回復したんだね」
「したさ。楽園の光というのはそういうものだからな」
「何よ、理屈っぽいわね。まあいいや。いつものルルが帰ってきた。ミッションも大丈夫?」
「大丈夫だよお姉ちゃん。お姉ちゃんのおかげで回復した」
「それよりも来ちゃダメって言ったでしょう?」
「ごめんなさい。あんな風になるとは思わなかったんだよ。自分の中ではもっとやれると思ったんだけど」
「あなたはまだ子供だからね。もう勝手なことしちゃだめよ?次は本当に取り返しのつかないことになるかもしれないからね」
そう言うとミッションは素直に頷いた。
やはり子供だ。
「それよりもこれからどうしようか、ルル?本拠地の前にはハイパーマンが立ちふさがっているだろうし、ハイパーマンと交渉しても埒が明かない。どうせ嘘を吐かれるだろうから。これからどうしようか?」
「そうだな、考える必要がある」
「もっと強くなった方がいいかな?」
「それも一理ある」
「だったら僕も強くなりたい!今度こそ足を引っ張らないであいつらのことを倒してやりたい!」
「だからダメよ!あなたは子供なんだから!」
「教義学校をめちゃくちゃにしたあいつらを僕も倒してやりたいんだよ!強くなればいいでしょ?ね?」
「だめよ。まだ精神的にら子供なんだから、騙されるのがオチよ」
「そんな!」
「もしあいつらと戦うとしても2人で戦うから、ミッションはやっぱり留守番してて」
そういうとシュンとしながらも素直に頷いた。
そんな会話をしていた時だった。
意外なことが起こった。
「なんか来てる」
ミッションが呟いた。
「何か来てるって?」
「ほら、あれ」
指をさした先にはなんと、ハイパーマンの部下とおぼしき天志の下っ端がやってきたのだった。
「まさか追撃!?でも良かった。幸い楽園の光で2人を回復させたばかりだったから、かばう必要がない。しょうがない、来たからにはやるしかない。いつまでも逃げてる訳にはいかないしね。ピアスピア!!」
そう言って構えたのだけど、何か様子がおかしい。
「待て、ピースウォーカー。何か変だ」
なんとこっちにやってくるその天志は、ピアスピアの先端に白旗を掲げていて、恐る恐るこっちに近づいてきているようだった。
「どういうこと?」
「分からない」
「ミッション、ちょっと下がってて。あいつはハイパーマンの部下だから、嘘つきかもしれない。だから騙されないように下がっていて。もし攻撃されたら避けてね。十分に注意しておいて」
しかしこっちに近づいてくるその天志の顔つきからして、どうやら本当に戦う気はないらしい。
射程距離までピアスピアを構えなかったからだ。
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