それでも村人は吸うことをやめなかった。そうすると、だんだん村人全員が年寄りになっていくのが分かった。
この作品はプリンセスヒーローものです。
「この作品、好きだなあ」「気に入ったから応援したい!」「もっと読みたいから頑張れ!」とかちょっとでも好きだと思ったら、ブックマーク、いいね、評価、感想をお願いします。
作者のモチベーションになります!
それが嬉しいのは分かるけれど、でもなんだか複雑な気持ちだった。
だってさっきまでうかのことを十字架にかけていたような奴らなのに、なんでいつの間に味方面なんかしているんだろう?
そりゃ命を奪われなかったわけだから嬉しいことだし喜ぶべきことなんだろうけれど、どうしたって複雑な気持ちは残った。
「なんだかな...」
とりあえず仲間たちで集合することにした。
「みんな大丈夫?ルル!」
「大丈夫だ、怪我をしたがな」
「ミッションは?」
「回復させてもらったから大丈夫だよ」
「もくもくも怖かったでしょう?よく頑張ったね」
「わーい」
そう言ってママと言いながら甘えてきたのだけど、もくもくがあの時素直に言うことを聞いてくれたのもあって無事倒すことができたので、犬を撫でるように一生懸命頭を撫でてやったら、子供のように喜んで愛しさが増した。
「お姉ちゃんは大丈夫なの?」
「うかもところどころ怪我しているんだろうけどあんまり痛みとかはないよ。アドレナリンが出てるからなんでしょうけど」
「そうなんだ無理しちゃだめだよ」
「大丈夫よ。それに無理しなければ倒せないから、無理しなきゃいけないのよ。子供はそんな心配しなくてもいいから、うかに任せなさい」
そう言って強いところを見せるためにポーズを取ったのだけど、その瞬間、右腕にズキッと痛みが走った。
ハルモニアを握っていた手に今までずっと力が入っていたからか、プルプルと震えてしょうがない。
多分、今までだってこういったことはあったのだろうけれど、今まではこういったことは無視してきた。
今、初めて気づいたけれど、うかは結構頑張っているんだな。
「それよりも僕ちゃん、大丈夫?あの時、切り刻まれて大変なことになったけれど、楽園の光でちゃんと回復できたよね?」
「僕ちゃんはちゃんと回復できたぜ。心配いらねえよ」
「そっか、それだったらよかったわ」
特に感謝とか謝罪とかいうものはなかった。
でもそれが何だかいつも通りな感じがして、ホッとしたのだった。
楽観的で物事をあんまり深く捉えない僕ちゃんらしい反応だ。
それがいいんだ。
そういった日常を求めていたのだから。
でもこの時だけはちょっとだけ誰かに褒められたいような気がした。
これって甘えなのかな?
ピースウォーカーとしてそういったことを求めるのは間違っているのかな?
こういったことをもし静さんに喋ったら、どやされるだろうか?
そんな甘い気持ちでピースウォーカーをやっているんだったら、やめなさいとでも言われるだろうか?
厳しい人だから、もしかしたらそういったことを言うかもしれないけれど、でもそんなことを言われたら言い返しちゃうかもしれない。
終焉の惡魔に恋をしているような人にそんなこと言われたくありませんって。
なんだか静さんが恋しくなってきたな。
色々思うところあるけれど、でもお世話になったことは間違いないことだから、いつまでもこうやって隠れているような生活をしないで、なぎさのことをあいつらの元から連れ戻して、堂々と静さんのところに戻りたいな。
もちろん思うところは色々あるけれど。
戦いを終えた安心感からか、そんなことを頭の中でぐるぐると考えていた。
そろそろそうやって考えることにも飽きてきた頃、何やら村人が群がっているのが見えた。
それはジェスの死体に群がっていた。
「すげー、たくさんあるぞ!」
「本当だ、ものすごいぞ!」
「これだったらどれだけ生き延びられることか!」
「こりゃすげえ、十字架の牧場で十字架にくくりつけられていたウォーカーと惡魔の威光を全部集めたものよりもはるかに多いじゃねえか!」
「それはそうだろうよ。だって十字架の牧場にいたやつら全員の威光を吸っちまったんだから!」
「そうだな、間違いねえ」
そう言いながら村人がジェスの死体をいじくり始めた。
ついさっきまでジェス様、ジェス様、と言いながらへりくだって何でも言うことを聞くかのような態度をとっていたのに、この変わり様は一体何なんだ?
生きるためには仕方ないと言っても、なんだか納得できないところがあった。
天志と言っても人間と同じように人としてのカーストみたいなものがあるんだな。
まあこの村人たちも、人間をウォーカーだと言って人間のことを見下してくるのだから、一緒にされたらたまったものではないだろうけれど。
グサグサグサグサグサグサグサ!!!!!
村人たちは、自分たちが持っていた十字架の銃弾をジェスに突き刺し始めた。
「何あれ?」
「分かるだろう?これからいただこうとしているんだよ。ハイエナみたいなものだな」
もくもくとミッションにはあんまりこういった卑しいところは見せたくなかったので、目で隠してやった。
しかしミッションは大人の姿になっていて自分でももう大人だと認識しているのか、その手を振り払って今から何が起ころうとしているのか直視しようとしていた。
もくもくは遊んでもらっていると勘違いして、なぜかわーいと喜ぶ。
そうしていると、みるみるうちにジェスの体が痩せ細って言った。
反対に村人たちは少しだけ頬がこけていたのだけど、それがどんどん丸くなっていって、肌の血色も良くなっていった。
「もうそろそろやめた方がいいんじゃない?」
「何で?」
「見てて気持ちのいいものじゃないもの」
それでも村人は吸うことをやめなかった。そうするとだんだん村人全員が年寄りになっていくのが分かった。
髪の毛が白くなって肌がカサカサして、手足が震えている。
立つのもままならない。
「これは...?なんかこの状況まずいんじゃない...?」
村人たちは明らかに老化していた。
その老化現象は止められなかった。
バタッ!!!
バタッ!!!
バタッ!!!
すぐに駆け寄った。
確認してみると、ジェスの威光を大量に吸い込んだ村人たちは力尽きていた。
この作品はプリンセスヒーローものです。
「この作品、好きだなあ」「気に入ったから応援したい!」「もっと読みたいから頑張れ!」とかちょっとでも好きだと思ったら、ブックマーク、いいね、評価、感想をお願いします。
作者のモチベーションになります!




