なぜかと言うとそこには大量の人間と終焉の惡魔が十字架にかけられていたからだ。
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ということで2人は楽園の光を頼りにしながら救世軍OLIVの本拠地に向かってひた走っていた。
ルルの言う通り威光を足にまとわせて走っていたのだけど、どれだけ走っていても全くたどり着かない。
だからさすがにちょっと休憩したくて待って!と叫んだ。
「なんだ?」
「どれだけ走っても全く見えてこないじゃない!あと何時間ぐらいで着くのよ?」
「それは行ってみなければ分からない」
「ちょっと遠すぎるからさ、休憩しない?休憩した方がいいと思うんだよね。どうせあっちにたどり着いたら戦闘になるんだから、少しでも体力温存しながら向かって行った方がいいと思うんだけど」
「それもそうだな。それにしてもピースウォーカーというのは軟弱だな。威光をまとわせているというのにも関わらず、もうギブアップか?」
「何よ、うるさいわね。嫌なやつ!」
しかしこんな軽口を叩いても、本気で受け取らずだんだん仲良くなって行っているのを実感した。
しかしたまに何か嫌なことを言ってきたり、ちょっとした裏切りみたいなこともされるので、本気で信頼しているわけではない。
けれど、だんだん距離感が近づいて行っているのを実感して、内心では嬉しかった。
「それにしてもここら辺は何にもないわね。だだっ広いだけ。まあ地球に比べれば綺麗だけれどさ」
「それはそうだろう。楽園と地球を一緒にするんじゃない。ここは僕たち天志にふさわしく、特別な存在だからこそ与えられた恵みなんだよ。ピースウォーカーにら分からないかもしれないけれど...」
「はいはいはいはい、相変わらず差別がひどいわね」
そんな時だった。
このだだっ広い荒野で雑談をしながら休憩をしていたら、空の上から何か白くてふわふわしたものが落ちてくる。
「何あの小さいやつ?」
「なんだろうな?」
ルルも分からないようで、2人でその落ちてくる物体を観察していたのだけど、よくわからなかった。
「威光を目に当てて、よく見てみればいいじゃないか」
ルルに言われた通りそうすると、それは何か生き物のようだと判明した。
最初は雲でもちぎれて落ちてきているのかと思ったけれど、どうやら違うようだ。
なぜかと言うと、その小さな雲は顔と目と鼻と口があって、すごく可愛らしい見た目をしていたからだ。
「待てー待てー」
「なんか空から落ちてくるのを楽しんでいるようなんだけど、あれは何かな?」
「そうだな。あれはもしかしたらもくもく かもしれないな」
「何それ?そういう生き物がいるんだよ。まあ簡単に言うとピースウォーカーが連れていたシマエナがみたいなものだよ」
「幼精っていうこと?」
「まあそういうことになる」
あの可愛らしい見た目には癒された。
この楽園に来てから嫌なことがたくさんあったし、ゴスペルのこともあったし、僕ちゃんのこともあったから、このひと時はかなり心を癒してくれた。
学校の生徒たちと缶蹴りをやった時以来だ。
「見てるだけでほんわかした気持ちになってくるわね」
「そうだな」
「そうだなって、あんたにそんな感情あったの?」
「それくらいはある。物事にあんまり興味が湧かないけど、別に何もかも興味がないというわけではない」
「そうなんですか」
そんな風に見ていたら滑らかな布地のような心地の風が彼らもくもくをこっちにまで運んできて、それが偶然にも手の上に乗った。
「あら可愛い。すごい可愛いわね」
そうやって可愛がっていると、癒されてくる。
そしてもくもく達の方でも、うかが可愛がってやると「わーい」と言って喜んだので、うかとしても嬉しくなって、何度も撫でてやった。
そうするとそのもくもくが口を開いて「ママ、ママ」と言い出した。
「ママじゃないわよ」
それでも甘えてくるので、だんだん母性が芽生えてくる。
それでも「ごめんね、今ちょっと急いでいるから、すぐにここを離れないといけないの。だからあなた達のママにはなれないのよ」と優しく言ってあげた。
そうすると「そろそろ行こう、ピースウォーカー」とルルが言ってきたので、立ち上がって、そこから離れようとした。
そうするともくもくが「連れてってあげるー」と言ってくれたのだった。
「連れて行ってあげるってどういうこと?」
そうすると「見ててー」と言いながら、もくもくが巨大になった。
もくもく達は合体した。
「すごいすごい!あんた達、こんなことができたんだ!?」
ルルにも見て欲しくて、ルルの名前を呼びながらもくもくの方を指を差すと「見ていたよ」と言ってきた。
「これに乗ればわざわざ走って向かわなくても、すぐにたどり着けるんじゃない?」
「そうだろうな」
「それじゃあ乗ってもいいかな?」
「いいよー」
もくもくはそうやって言ってくれたので、2人はすぐさまもくもくに飛び乗った。
「救世軍OLIVって分かるかな?そこの本拠地に連れて行って欲しいんだけど行ける?」
「行くよー」
ビュウウウウン!!!!!!!!!
かなりのスピードで飛んでいく。
「待て待てもくもく!!」
「どうしたのよルル?」
「分かるだろう、ピースウォーカー!こっちは本拠地の方向ではない!そっちじゃないぞ!」
そう言ってルルが指示をしているのに、もくもくはあらぬ方向に飛び始めたのだった。
「わーい」
「もしかして適当に飛んでいるんじゃないでしょうね?」
「もしかしてじゃなくて適当に飛んでるんだろう。子供なんだよ、もくもくは」
「そっちじゃないよ、もくもく!」
それでも言うことを聞いてくれない。
しょうがないので自由に空を飛ばせてあげていたら、なんと村落に連れて行かれた。
しかしただの村落ではなくて、かなり不気味な場所だった。
なぜかと言うとそこには大量の人間と終焉の惡魔が十字架にかけられていたからだ。
そしてその瞬間、疲れたのか、一塊だったもくもくが散り散りになって、うか達はその村落に落とされてしまった。
「逃げましょう、ルル!!ここはどう考えても普通じゃない!!」
そう言って2人で逃げようとしたのだけど、村人に見つかった。
「何だこいつら、捕まえろ!!」
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