本音ではそう思っていたけれど、ルルのことを傷つけそうだったのでそれは口にしなかった。かなり絶望的な状況が続いていた。
この作品はプリンセスヒーローものです。
「この作品、好きだなあ」「気に入ったから応援したい!」「もっと読みたいから頑張れ!」とかちょっとでも好きだと思ったら、ブックマーク、いいね、評価、感想をお願いします。
作者のモチベーションになります!
かなりの速度で飛んでいたのだけど、何やら浮かない表情をしていたルルだった。
これは理由を訪ねてもいいのだろうか?
人付き合いにちょっとだけ不器用で、なんとなく人に対する扱いが雑なところがあるからここで尋ねたら怒鳴りつけられるんじゃないだろうか?
いや、もしかしたら反対にこの表情は自分が悩んでいることを「どうしたの?」と尋ねて欲しいと言ったような顔だろうか?
ともかく何かに対して悩んでいるのは間違いないので、結局のところ話すことになりそうだと感じたうかは、何を悩んでいるのか尋ねてみた。
「ねえねえ。何でそんな顔をしているのよ?一応ハイパーマンを撃退できたし良かったじゃない」
「そうなんだがだがな」
「何よ?何か言いたいことがあるんだったらはっきり言いなさいよ」
「あそこに救世軍OLIVが来たということは、父上が僕たちを匿っていたことがバレたということだ。これがどういう意味だかわかるか?」
「なるほど、そういうことか。お父さんのことを心配していたのね」
「そりゃそうだろう。巻き込みたくなかったのだが、責任を取らされるかもしれない」
「もし責任を取れと言われたら、一体何をされるの?」
「救世執行妨害だと言われ、粛清対象になるかもしれない」
「つまり攻撃されるということね?」
何も返事をしなかったのでつまりはそういうことなのだろう。
その表情は不安げで、目は悲しみに揺れていたのだった。
ルラさんはうかのことを一応受け入れてくれたので胸が痛んだ。
しかしうかに何ができるというのだろう?
救世軍OLIVの天志達がわんさかやってきた時に対抗できるだろうか?
その可能性は限りなく低いだろう。
「だったらルラさんも一緒に逃げるというのはどう?」
「どうだろうな。生徒たちを置いて教義学校から移動するとも思えない」
「それでも一応掛け合ってみる価値はあるんじゃないかな?救世軍OLIVの天志達が大量にやってくる前に、一旦教義学校に戻ってルラさんと喋ってみようよ」
こんな風に言うとルルもわずかな希望にすがってみたくなったのか、何も言わずについてきた。
「...みんな大丈夫!?!?!」
なんと教義学校に舞い戻ってきたら、なんと、何もかも破壊されつくしていたのだった。
教義学校の校舎から、その周りに生えている木だったり、一緒に缶蹴りをした広場まで荒れ果てていた。
こんな短時間でこんなに破壊行為をするなんて、なんて極悪非道な奴らなんだろう。
そう思ったのと同時に全身に鳥肌が立って、あいつらの残酷さが恐ろしく感じられた。
「まさか生徒たちも蹂躙したんじゃないでしょうね!?」
確かハイパーマンがそんなことを言っていたような気がする。
蹂躙されたんだとしたら死体があるはずだけど、でもそんなものはない。
だからあの子たちは逃げられたのかしら?
ルルはかなり不安そうな顔をしていていたので慰めてあげようと思ったのだけど、もしあいつらが思った以上に残酷で生徒が蹂躙されていた場合、無責任な事を言うなとトラブルに発展しそうだったのでやめておいた。
まさかこんなことになるなんて。
ゴスペルが事故とはいえ死んでしまった時に罪悪感を覚えたけれど、今回もそれと同じくらい罪悪感を覚えたのだった。
もしここに来なければミッションだったりルラさんはこんな目に遭わなかったんじゃないだろうか?と思ったら、申し訳ない気持ちでいっぱいになって、ここに来たことをちょっとだけ後悔したのだった。
しかし後悔をしてももう遅いということはわかっていたので、とにかく彼らのことを探してみることにしたのだけど、彼らはどこにもいなかった。
「ミッション!!ルラさん!!みんなどこにいるの?出ておいでよ!!」
「父上、ご無事ですか!?」
そんなことを言いながらあらゆるところを周ってみたのだけど、一向に顔を見せなかったので、とうとう諦めて一旦探すのを中止したのだけど、まさかこんなことになると思っていなくて、全身に疲労感がどっと押し寄せてきたのだった。
「ルル、今こんなことを言うべきじゃないのかもしれないけどさ、思っていたことを言ってもいい?」
「なんだ?」
「なんであの時、退却しようなんてことを言ったのよ!あなたが退却をしようなんて言わなければ、もしかしたらこんな風にはなっていなかったかもしれないじゃない!」
「そんなのは結果論だろう。そんなことを言われても困る。僕たちだってこんな風に蹂躙されていた可能性は十分あるんだ。だから後でごちゃごちゃと責め立てるんじゃない」
「そりゃそうだけどさ」
うかの中で罪悪感や後悔というものが渦巻いていたので、どうしてもどこかにはけ口を探したかったんだ。
だからルルを責めてもしょうがないと思っていたのだけど、気づいたらそういうことを口にしていた。
「なんでそんなに冷静でいられるのよ?自分のお父さんが殺されたかもしれないのよ?」
そう口にすると、ルルは体を震わせ始めた。
「冷静でいられるわけがないだろう。今はこの状況でわずかな可能性をたぐり寄せて、奇跡を思い描いているんだ。だから今考え中だから、少し黙っていてくれ」
「分かったわよ」
そうは言ってもやはりここにいる天志達は殺されたとしか思えない。
本音ではそう思っていたけれど、
ルルのことを傷つけそうだったのでそれは口にしなかった。
かなり絶望的な状況が続いていた。
この作品はプリンセスヒーローものです。
「この作品、好きだなあ」「気に入ったから応援したい!」「もっと読みたいから頑張れ!」とかちょっとでも好きだと思ったら、ブックマーク、いいね、評価、感想をお願いします。
作者のモチベーションになります!




