全くバランスが取れないまま一生懸命羽根を動かしていたら、目の前にあった巨大な壁に激突した。
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「お前のようなウォーカーが私たちと同じように羽根を持つなど、生意気極まりない。そんなことが許されるはずがないだろう!!その羽根をむしってやる!!ウォーカーにはふさわしくない!!」
ビュウウウウウウン!!!!!!!!!!
「この裏切り者!!僕ちゃん一旦、ここから離れよう!!」
「了解だ!!」
ビュウウウウウン!!!!!!!!
羽根を広げてここから離れようとしたのだけど、ハイパーマンはぐんぐん距離を縮めてきて、やがてうかは捕まった。
ガシッ!!
「やめなさいよ!!乱暴に掴まないで!!」
しかしハイパーマンは力強い腕で強引にうかの体を掴んできて、一向に離そうとはしなかった。
「だからやめなさいって言ってるでしょ!!ピアスピア!!」
ザシュッ!!!
肩から腰にかけて切り裂いてやったけれど、ハイパーマンの屈強な肉体には通用しなかったようで、全く動じない。
ザシュッ!!
顔、肩、足など、ところ構わず切りつけてやったけど、痛がる素振りも見せず、うかはとうとう諦めた。
「うろちょろするんじゃない!!」
そう言ってハイパーマンはうかの羽根の片方を掴んで、それを強引に引っ張り始めた。
メリメリメリメリ!!!
「キャー!!やめなさいよ!!大丈夫、僕ちゃん!?」
メリメリメリ!!!
ブチッ!!!
なんとハイパーマンはその力で無理やり羽根を引きちぎってきたのだった。
ふらふらふら........。
片方しか羽根がなくなってしまったのでうまくバランスが取れず、どれだけ前に飛ぼうと思ってもなかなかコントロールできない。
「何よこれ!!僕ちゃんどうすればいい!?」
「僕ちゃんに聞くんじゃない!!そんなこと言われても分からん!!」
まずい、このままだと危ない。
「何をしてくれているのよハイパーマン!!ふざけるんじゃないわよ!!」
どれだけ悪態をついてもハイパーマンはまっすぐこちらを見据えるだけで、何も反応しない。
「うわ、どうしよう、僕ちゃん!!」
フラフラフラ.......。
全くバランスが取れないまま一生懸命羽根を動かしていたら、目の前にあった巨大な壁に激突した。
ドカンッッッ!!!!!
「........僕ちゃん大丈夫?うかはもうだめかもしれない....壁に激突してもう力が入らないよ....」
なんとか声を絞り出して僕ちゃんにそう伝えると、僕ちゃんの返事を聞く前にうかは気を失ったのだった。
「うーかー、うーかー、起きろ!!うーかー!!」
意識の底に沈んでいる時に僕ちゃんの声がしたので、うかは目覚めることができた。
「大丈夫か?」
「うん、起きた。ぼくちゃんは大丈夫?羽根を片方もがれたけれど、怪我とかしてないの?」
「大丈夫だぜ。問題ない。それより見ろよ、うーかー」
何を?と言おうと思ったら、パタパタとどこかから音が聞こえてきて、自然とそっちの方向に意識が向けられた。
なんとそこに飛んでいたのは羽根で、ハイパーマンに容赦なくちぎり取られた羽根が一人でに戻ってきて、飼い主を探すような仕草をしながら戻ってきたのだった。
「こっちよ!!僕ちゃんの分身、うかはここにいるわよ!!」
そうやって呼びかけてやると、飼い主を見つけたペットのように嬉しそうにパタパタとこっちに近づいてきて、収まるべき場所に収まった。
しかし、いいことばかりだけではなかった。
「見ろよ、うーかー!」
「今度は何よ?まさか3つ目の羽根が戻ってきたとか言うんじゃないでしょうね?」
「そんな冗談言わねえよ。ほら大ピンチだぜ」
「何よ?」
そこには大量の天志がいた。
ちぎられた羽根を尾行してきたらしく、悪意を持った天志達が、うかの周りをぐるりと囲んでいた。
「何これ、大ピンチじゃない!!」
どうすればこの状況を切り抜けられるだろう?
いやこれだけぐるりと囲まれているのだから、ここから抜け出すのは状況的に厳しいし、もし抜け出せたとしても、こいつらから逃げ出すのは至難の技だろう。
何より天志というのは羽根の使い方が上手いので、うかよりもはるかに上手に飛ぶことができる。
まずい、このままじゃまず間違いなく攻撃される。
いや、攻撃されるだけだったらまだマシだ。
最悪、さっきのキラーズみたいに差別意識丸出しのあいつらから拷問を受けることになるかもしれない。
その時、誰かがうかを助けてくれるとも思えないし、大変なことになった。
拷問を受けそうになったら自分で舌を噛み切った方がいいのかもしれない。
生きていることを後悔したり、生まれて来なければよかったと思わされるようなことをされるくらいだったら、そうしよう。
天志達の悪意にまみれたその表情を見ていると、頭の中でそういった考えがぐるぐると駆け巡り、どうすればこの状況を切り抜けられるかということに意識が向いた。
そうやってぐるりとうかのことを囲んでいる天志に集中していたのだけど、その天志が急にかしこまった態度をとって、うかから目線をそらし、頭上を見上げた。
どういうこと?
急にみんなどうしたんだろう?
みんなの目線を追いかけてそっちの方向を見てみると、なんと壁の上に子供が立っていたのだった。
「ヴィクトル様!!」
「ヴィクトル様?ということはあれが救世軍OLIVのリーダーね!!」
「壁に何かが激突する音を聞いたのだ。一体何が起こった?」
まさかここは救世軍OLIVの本拠地なんじゃないかしら?
そうだとすれば、大きな音がしたのだから、ヴィクトル様がここまで出てきたということの辻褄が合う。
そうだ、今がチャンスなんだ!!
今この場で滞在する許可をもらえれば、周りをぐるりと囲んでいる天志と戦わずに済むかもしれない。
そうだ、この状況を切り抜けるにはそうするしかない。
相手は子供だけど勇気を振り絞って頼んでみることにした。
「ちょっとお願いがあるんだけど!!
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