この雰囲気は何と言うか、旧友にでも再会したかのような感じじゃないか。
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行く当てもないからフラフラと楽園をさまよっていた。
「僕ちゃん、あなた道案内してよ!!うかここに来たことがないからどこに行けばいいのかわからないのよ。だから頼むわよ」
「楽園は広いから僕ちゃんも知らないとこはたくさんあるんだぜ。だから僕ちゃんに頼るのはやめてくれ」
「何よそれ。じゃあうかが自分で探索するからいいわよ」
頼りになるのかならないのかよくわからないわね。
まあいいわ。回復させてもらっただけよしとしましょう。
ビュウウウウウウン!!!!!!!!!!
またいつルルとゴスペルと鉢合わせるとも限らないので、なるべくあそこから離れたくて全力で羽根を動かしていた。
そうすることで少しでも距離を離そうと考えたのだ。
そうすると異変が起きた。
「あれなんだ?うーかー、ほらあれだよ。なんかどこかからギャーって聞こえないか?しかも聞いたことのある声だ」
「何それ?何も聞こえないけれど?」
「よく耳を澄ましてみな、聞こえるから」
言われた通りに辺り一帯に集中してみると、確かに何か聞こえるような気がする。
そっちの方向に向かってみると、その声の輪郭がくっきりとしてきて、ようやく正体がわかった。
「これもしかしてキラーズじゃないかな?でもここは楽園よね。キラーズの声なんて聞こえるわけがない」
でも一度そうだと思ったらもうそうだとしか思えなくて、確認するまでここから離れないことに決めた。
「見えてきたぞ」
「ちょっと待って、あれもしかして拷問を受けているんじゃない?」
「なんでそう思うんだ?」
「いやだって雰囲気からしてそうでしょ。いるはずのないキラーズが楽園にいて、叫び声がして、開闢の天志も終焉の惡魔に対して悪意を持っているわけでしょ?だったらそれくらいしてもおかしくないじゃない」
「助けてくれー!!」
キラーズがどれだけ叫んでも助ける気にはならない。
だってキラーズがどれだけ最低な奴らかを知っているからだ。
「うーかー、助けなくていいのか?」
「それ、うかにピースウォーカーとしての力を授けたシマエナガが言うセリフ?」
「そりゃそうだけどさ」
「ボクを助けてくれー!!誰でもいい、誰かいねーのか!?」
天志から拷問を受けて、あまりに大騒ぎしているので、何だか関与したくなってきた。
「なんだうーかー、助けたくなったのか?僕ちゃんは別に止めないぜ」
うかは葛藤していた。
助けたいという気持ちは湧き上がってくるのだけど、今までこいつらがしてきたことを思えば途端にその気持ちが失せていく。
「ギャーー!」
誰かが助けに行く気配なんてないのに、それでも子供のように泣きわめいていたので、だんだんそれがかわいそうに思えてきて、とうとううかはそこに向かった。
ビュウウウウウン!!!!!!!!!!!
バサッッッ!!!!!!
「た、助けてくれー!!拷問を受けているんだ!!」
うかは一旦キラーズを無視して、拷問もしている天志に話を聞くことにした。
「つかぬことを聞くけれど、なんでキラーズを痛めつけているの?遠くからでも声が聞こえるくらいひどい拷問をしているようだけれど、どういうつもり?」
「楽しいんだよ。楽しいこと大好きだ。」
「それだけ?それだけの理由で痛めつけているの?」
「あとはこいつらを拷問してると、自分が優れた存在のような気がして安心するんだ。上には上がいるって言うけど、下には下がいるんだなって思えるから」
さすがにこの返事にはドン引きした。
天志というのはこんなひねくれた奴らばかりなのか?
終焉の惡魔といい開闢の天志といい、なんなんだ、全く。
相変わらず拷問の手は止めないし、ここにいたら気が狂いそうになるから、さっさとここから立ち去ろう。
「質問を返したんだから今度はこっちの番。そっちこそこんなところで何してるの?」
確かにここにいるのは不自然だ。
ここは岩山で、拷問しているこの場所も大きな岩の上だ。
「普通だったらこんなところに用はないはずだ」
「あの、その、それは...」
「それは?何だ?お前本当に天志か?」
まずい、見抜かれた。
「まあそうといえばそうかな」
「もしかしてピースウォーカーか?」
...なんでうかは自分がピースウォーカーだということを隠しているのだろう?
やましいことなんてないのに。
それともルルとゴスペルにされたことが無意識のうちにトラウマになっているのだろうか?
「うん、絶対ピースウォーカーだ!!面白い、ちょっとこっちに来い!!」
拷問を加える手を止めて、こっちに近づいてきたので、とっさに離れた。
バサッッッ!!!!!!
拷問をして遊んでいるようなやつがまともなわけがないから、一度捕まればどうなるか分かったもんじゃない。
「待てったら!!こっちにおいでよ!!」
バサッッッ!!!!!!
この天志の方でも羽根を使って近寄ってきたので、一定の距離を取るために警戒態勢を取った。
「キャー!!」
すぐにパッと振り返って、全力でそこから離れるために、拷問をしていた天志に背を向けた。
と、その時だった。
「ジャスティ!!」
背中の僕ちゃんがそう呟いた。
「何よそれジャスティって。それよりも今は関係ないことで話しかけないで。今すぐ逃げないと!!」
「いや、うーかーに話しかけているんじゃないんだぜ。話しかけているのは拷問をしていた天志にだよ」
そうすると、うかのことを追いかけようとしていた天志が、僕ちゃんに対して返事をした。
「シマエナガ?」
なんだろう?
この雰囲気は何と言うか、旧友にでも再会したかのような感じじゃないか。
まさかそんなことあるわけないだろうけれど。
「久しぶりだな、ジャスティ」
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