そうだ、やっぱり黄金の太陽から地球に戻るよりも、この楽園を彷徨うことにしよう。
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「とにかく回復させないとだめだな。待ってろ、うーかー!!」
ボロボロになったうかを羽根になった僕ちゃんが、金色に輝いている太陽の光が強いところにまで運んで行ってくれたのだった。
パタパタパタパタパタ!!!
一生懸命運んでくれるのがわかるけれど、うか自身は目を開けるのも大変で、僕ちゃんに任せることしかできないのがもどかしくて、涙が出そうだった。
ここでやっとパートナーらしいことをしてくれたので、嬉しくてそういった感情も混ざっていた。
「着いたぜ!!さあ思う存分回復させるんだ!!」
すごく心地いい光が全身を包み込み、水が乾いた大地に浸透していくようにゆっくりとうかのことを癒してくれる。
そうやって徐々に回復させていったその時だった。
「何をやっている、ウォーカー!!」
聞いたことのある声が耳に突き刺さった。
それは見逃してくれたはずのルルとゴスペルだった。
もうすっかり元気になっていたので、奴らと対峙することができる。
「何よしつこいわね!!もう気は済んだでしょ!!ほっといてよ!!女の子にあんなひどい攻撃しておいてまだ用があるの!?」
「ピースウォーカーごときが何を勝手に回復させているんだ。黄金の太陽を使うな!!」
「何よそれくらい!!別にいいじゃない、ケチね!!」
「第一、ピースウォーカーが楽園に来ること自体が間違いなんだ!!邪魔なんだよ、君という存在が!!」
「知らないわよ!!連れてきたのはそっちじゃない!!うかは連れてこられただけ!!うかが勝手に来たみたいな言い方はやめてよ!!」
「うるさいな。いいから勝手に回復するのはやめろ」
「はいはい分かったわよ!!もう帰るからほっといて!!もう関わらないでよ!!」
そう言うとようやくルルとゴスペルが解放してくれたので、早くここから出て行きたいと思い、再度羽根を動かしてここから立ち去ろうとする。
ビュウウウウウン!!!!!!!!!!!
「全くとんでもない目にあったわね」
「そうだな」
「まさか開闢の天志達がこんなにひどい奴らだとは思わなかった。天志っていうくらいだからもっと聖人君子のフレンドリーな人たちかと思っていたけれど、まるで真逆じゃない!!」
「基本的に差別的なんだよ、天志というのは。自分たちと自分たち以外って感じなんだ」
「何それ最悪ね」
「ウォーカーが勝手に天志に対するイメージを膨らませすぎなんだよ。会ったこともないのに」
「まあ、それを言われたら何も答えられないけど。とにかくいけ好かないやつらね」
そんな会話をしていたらだんだんイライラしてきた。
やはりあの時、人間を巻き込んで戦ったことがどうしても許せない。
ボコボコにされたけど、いまだに怒りが収まらないのだ。
この気持ちをどうしよう?
回復してきたしもう一度あいつらに挑もうかな?
あいつのやり口はだいたいわかった。
だから気をつければなんだか戦えそうな気がする。
このままあいつの思い通りにさせておくのは良くないんじゃないか?
このまま自分が身を引けば相変わらず人間のことをウォーカーと言って差別してくるかもしれない。
それに天愚の仲間が強ければ高天坊さんたちに対する差別も少しは和らぐかもしれない。
頭の中でいろんなことを考えていたら、だんだん今ここで身を引くことが間違いかのように思えてきたので、うかは自分の意志で羽根をピタリと止めた。
「どうしたんだ、う一か一?」
どうしても許せない。
でも現実問題として、今あいつらに歯向かっても多分いい戦いはするかもしれないけれど、完全に勝てるかどうかは分からない。
ルルの方を倒したからと言って、ゴスペルが倒せるとも限らないし、ルルが負けそうになったら、ゴスペルが途中で参加してくる可能性だって十分ある。
だから今ここであいつらに襲いかかってもそれは得策ではないだろう。
だから、勝つためにはもっと鍛錬が必要だろう。
でもどこでどうやって鍛錬する?
ここで神社に戻っても、静さんにどんな顔をして会えばいいのだろう?
なぎさはどうしたのと言われたら返す言葉がない。
だって奪われたようなものだからだ。
そうだ、ここで天志にかかずらっている暇は本当はないのだ。
だってなぎさのことを奪い返しに行かなければいけないからだ。
でも今のうかじゃどちらにしろ無理だろう。
あれだけの大人数、うか一人の力ではどう考えたってどうにもならない。
それなら高天坊さんたちに鍛錬をつけてもらおうか?
いやそれは良くないかもしれない。
だってなぎさのことを探しに来た静さんと鉢合わせをする可能性だってあるからだ。
本当は説明する責任というものがあるのだろうけれど、でもやはり静さんがどんな反応をするだろうということを想像したら今は会うことはできない。
「どうしよう?」
よくよく考えてみたら、戻る場所がないじゃないか。
戻る場所がないのだから、地球に戻っても意味がないんじゃないだろうか?
だったら地球に戻るよりも、ここで何か強くなるヒントでも得た方がいいんじゃないか?
そうだ、やっぱり黄金の太陽から地球に戻るよりも、この楽園を彷徨うことにしよう。
そしてちょっとでもルルとゴスペルに一泡吹かせるためのヒントをここで手に入れるんだ。
「そうだ、そうしよう!!」
ビュウウウウウウン!!!!!!!!!!
「うーかー、どうしたんだ?地球に戻らないのか?」
「やっぱりここにいることにする」
「地球に戻ったってしょうがないし」
「ふーん。まぁ、僕ちゃんは別に何でもいいけど」
この作品はプリンセスヒーローものです。
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