そして大勢の開闢の天志とともに、金色に染まった太陽に向かって突っ込んで行き、うか達は楽園の中に入っていくのだった。
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「邪魔」と言われた後に「殺されたい?」とピアスピアを向けられたので、すぐにその身を引いて、ただ傍観することしかできなかったのだった。
「何をやっておるのじゃ?」
そこに天愚親子の東光坊さんが現れた。
そうすると僕ちゃんが軽く説明した。
「ここで揉めている場合ではないじゃろう。しっかりするんじゃ!」
そうやって諭されたのでしょうがなくこの分からず屋の二人に、戦うことをやめてほしいと頼むことにした。
「お願いします、ウォーカーたちを巻き込まないでください!!」
これだけうかが言っているにも関わらず、この2人はキラーズを狩るのに夢中で全く持って聞く耳を持とうとしない。
「これだけ言ってるのに無視をするの!?最低!!」
悪態をついてみたけれどやはり耳に入っていないようで、はしゃぎながら2人はキラーズを狩っていたのだった。
そして一生懸命止めていたのだけど、そこで日光坊がうかの肩をポンと叩いて、「なんか終わったっぽいな」と静かにつぶやいた。
そして、そう言われたので、辺り一帯を見回してみると、なんとさっきまでうじゃうじゃいたはずの終焉の惡魔が開闢の天志に撃退されているじゃないか!
これにはさすがに驚いた。
開いた口がふさがらなかった。
だって自分で戦ったことがあるからわかるのだけど、キラーズというのはなかなかしぶといやつらだからだ。
卑怯だからいつも集団でいるし、おまけに残酷だから手に負えない。
「全部殺した?」
「余裕だったな」
なんてことのないように、2人はそう言うのだけど、やはり驚いた。
まるで余裕じゃないか。
うか達はあんなに必死になって戦っていたのに、この人たちは軽い運動でもするかのように奴らを屠った。
驚きを感じている中、何やら天志たちがこそこそと話し合いか何かを始めて、うかはきょとんとしていた。
「何があったんだろう?」
「僕ちゃんに聞かれても分からんぜ」
僕ちゃんはあまり頼りにならないので、高天坊さんの方を見ていた。
しかし高天坊さんは神妙な面持ちだった。
なんでだろうと思ったのでそれを聞こうとした瞬間、うかはあることを思い出した。
それは羽蟲という差別用語だった。
そうだ、天愚はたしか天志たちからそうやって見下されているから、あまりいいイメージがないのだろう。
天愚親子も難しい顔をしていた。
そしてよくよく聞く耳を立ててみると、とんでもないことが話し合われていた。
「僕たちのことを邪魔してきたウォーカーがいる。あそこのピースウォーカーだ。あんなピースウォーカー、普段ならどうでもいいけど、終焉の惡魔を殺している最中に邪魔をしてくるんだったら話は別だ」
「なんでそんな話になってるのよ!」
ボソッとつぶやくと、僕ちゃんが「だな」もいつものように軽く返事をしてきた。
見てると、なんだか様子がおかしい。
ただの愚痴だとか文句だとか、そう言ったレベルを超えて、何やら殺伐とした雰囲気が流れ始めたのだった。
そしてルルとゴスペルが同時にパッと振り向いてきて、うかと目があった。
「ピースウォーカー、今からお前のことを連行する」
「連行!?何でよ!!なにもやってないじゃない!!」
抵抗したのだけど、すぐさまゴスペルにとらえられた。
赤子の手をひねるように易々と拘束された。
「ちょっと何すんのよ!!助けて3人とも!!」
「うか!!なに触ってるんだ!!キリバサミ!!!」
シャキン!!!
「興味ない。向こうに行けよ、羽蟲」
ルルが迷惑そうにそう言い放った。
「ぶち転がすぞお前さん!!」
差別されたので当然、高天坊さんは怒って、他の2人の天愚も怒った。
その怒りようは尋常じゃなかったけれど、興味ないと言った天志の2人は羽根を広げて飛び立った。
拘束したうかを連れて。
「待つんだ!!」
バサッッッ!!!!!!
ビュウウウウウウン!!!!!!!!!!
そして大勢の開闢の天志とともに、金色に染まった太陽に向かって突っ込んで行き、うか達は楽園の中に入っていくのだった。
「ちょっと僕ちゃん!今ピンチなんだけど!あんたしか話を聞いてくれそうにないんだから僕ちゃんが頑張って弁解してよ!!じゃないと雰囲気からしてなんか大変なことになりそうなんだけど!!」
「面倒だな」
「何が面倒なのよ!!早く言ってやってよ!!じゃなきゃあんたも大変なことになるかもしれないわよ!!」
「分かったよ、うーかー。聞いてくれるかどうかわかんないけど、話すだけ話してみる。でもあんまり期待すんなよ。あー、えー、うーかーを見逃してやって欲しいんだが」
パタパタパタ.......。
「...なんだこいつ?幼精ごときが何を話しかけている」
このウォーカーは神楽坂うかって言うんだけど、ただ正義感が強すぎるだけで特に害はないんだ。だから見逃してやってくれねえか」
「何だと?」
その後も押し問答のような会話が続いて、僕ちゃんのこの軽薄な態度から敵意や悪意はないと判断されたようで、ようやく誤解が解けた。
そしてそのままの流れで楽園の中に入って行ったのだけど、楽園の中のものは何もかもが輝いていた。
空気から木々から大地から何もかもだ。
こんな世界があるのだろうかと思うほど輝いていて、風はなめらかな布地のような心地で、川のせせらぎは子供の歌声のように純粋だ。
そんな世界に見とれていると、なにか刺すような視線を感じたのでパッと振り向いてみたら、ルルとゴスペルがこっちを睨みつけていた。
誤解が解けたというのになんでまだあんな態度を取るのだろう?
まだ話し合いが必要だというのだろうか?
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