第81話 ペアルック
足が……寒い……死にそうです。夏にドロドロに解けたのに今度はカチコチに凍ってしまいそうですね(?)それでは楽しんで来てください!
「うーん……2人とも分かりやすいねぇ、隠してるつもりなのかもしれないけれど。」
恐らく付き合ってることを周りにバレないようにしようとしたんだけれど、恐らく由衣君が作ったのかな?手とかは繋いでいないけれどお揃いのマフラー巻いてる時点でアウトだねぇ……
「うーん、いちおう聞くけどそのマフラー誰が作ったの?」
「私だよすずちゃん!つい喜びで昨日帰ってすぐ作り始めちゃって……」
「で、それを翔斗にあげたんだ……ちゃっかり色違いで作ってるし……そもそもなんか2人とも機嫌いいし!え、由衣私に昨日言ってたよね!?しばらく周りには言わないって言ってたよね!?えぇ……?」
凄いね、すず君が僕と涼君の思っていたことを代弁してくれたよ。
「ほらぁ……やっぱり分かりやすいって!俺言ったじゃん、隠すならペアルック早めといた方がいいって……」
怜斗君ちゃんと止めたんだね、呆れてる……フフ、涼君の顔とそっくりだ。2人が兄弟に見えてくるねぇ……
「ユウ、黙れ。」
「あれ、僕口では何も言ってないと思うよ?」
「顔に出てた。それと翔斗、顔赤いぞ。」
「うるせぇ!俺と由衣はなんもねーし!」
「僕らはまだ2人の関係性についての直接的な表現をしていないよ、翔斗君……」
「あっ……」
その様子を見ていた他のクラスメイト達も集まってくる。
「えー!2人とも付き合ったの!?」
「くっ……翔斗よくも校内でトップに上がる由衣をゲットしやがったな!?末永く爆発しやがれ!」
「いいな〜!私も彼氏欲しい〜!」
「いや、あんたはまずそのズボラさを治さないと無理でしょ!」
「はぁ!?そっちこそ!」
「由衣ちゃんが翔斗君選ぶって意外〜!」
「はぁ……とうとう翔斗にも彼女が……俺は嬉しいよ……」
といったふうに口々に話しかける。
翔斗は慌てて誤魔化そうとして
「つ、つつつつ付き合ってねぇし!?」
と言うが由衣に
「翔斗君……それは認めてるのと同じだよ。」
とツッコまれる。
「うるさいなぁ、もう……うわ、人いっぱい……」
すず君のポケットからひょっこり眠そうな顔を出してティール君は顔をしかめる。それにすず君は小声で
「ティール!静かに!顔も出さない!見られたらどうするの?」
と注意するがティール君は余裕そうに
「えーこれぐらい大じょーぶでしょ!」
という。
「……ティール、早く戻って。」
「ピェッ!ごめんなさーい!」
すず君が素でもう一度ティール君に注意すると慌てて顔を引っ込めた。
「フフフ、大変そうだね。すず君も。」
「うーん……まぁ素になれば基本ちゃんと話聞いてくれるから!それよりもあの2人の方が大変だよきっと。」
「……かもな。すごい質問攻めされてるしな。なんで由衣はわざわざペアルックのマフラーをプレゼントしたんだ?どう考えても今までそんなことしてなかった2人が急にお揃いにしてたらバレるだろ。」
「うーん、確かにそうだねぇ。2人はバレたくなかったみたいだし。」
せめて柄の違うものにしておけばまだ「翔斗君普段体温低いから。」って言えば何とかしのげたと思うんだけどねぇ?
その疑問にすず君が
「うーん……由衣って独占欲が強いところがあるからなぁ?それに心配性だし。他の子に取られたくないから代わりにペアルックの物身につけてもらったんじゃない?翔斗は多分バカだからそれに気づかず普通に喜んで受け取ってると思うけど。」
と遠い目をして言う。
その感じだと過去にすず君も似たような体験をしたことがあるのかもしれないねぇ……まぁでも確かに由衣君はすず君関連は過激派だからおかしくはないかな?
「だとしても……分かりやすすぎるよな、マフラーなしだとしても。」
「幸せオーラ全開だったもんね。そりゃ皆にバレるよ……しかも田舎だからか噂が回るのも早いしね。」
「……ということはあの2人もう隠せない、という事だねぇ。それも幼なじみ同士で付き合ってるとなると注目を浴びそうだ。」
これで体調不良関連のことがなければ本当に何も心配することは無かったんだけれど。……まぁ最悪の場合は僕1人で何とかすればいいかな?
「……なんかユウがよからぬ事を考えてる気がするな。すず、くっつくぞ。」
「うん!」
そう言って2人揃って僕に飛びついてくる。勢いでバランスを崩しそうになるのを何とか僕は踏みとどまる。
「2人とも……急に飛びついてくるのは危ないよ。それに教室内なの覚えているかい?」
「いや、またどっかの誰かさんが1人で抱え込もうとしてる気がして……」
「抜け駆けは許さないからね、ユウ……」
「2人とも……そんなに心配しなくても流石に昨日の今日で変なことしないよ。だから離れてくれるかい?」
「って言う割にはそっちも手を回して抱きついてくるんだよね……素直じゃないなぁ。」
「そもそも説得力がないよな。そもそもお前昨日ガッツリ泣いて__」
僕は涼君の言葉を遮って
「うるさいよ2人とも……昨日のことは忘れてくれ……黒歴史みたいなものなんだよ……」
と言う。
「はいはい、まぁ忘れるつもりないけど。」
「そうだな。やっとユウが本音を言ってくれた時のことを忘れるなんて無理だな。」
「そ、それはそうだけれど……ねぇ?」
そんな会話を見ていた他のクラスメイト達がコソコソと
「な、なんかあの3人の周りの空気凄いしんみりしてるんだけど……?」
「なんかすずの雰囲気もちげーし、昨日なんかあったなありゃ。」
「そもそも顔の治安良すぎない?イケメン2人に挟まれてるすずが羨ましー……」
「え、あれどっちと付き合ってんの?俺はユウ派。」
「私は涼君派!」
「いやいやユウだろあれ!」
「えー涼君じゃない?」
と議論をし始める。その隙に由衣君と翔斗君は荷物を置きに逃げたみたいだ。
「……なんかあっち騒がしくない?いつの間にか由衣と翔斗脱出してるし。」
「とりあえず離れるか。」
「……そうだねぇ、手遅れ感はあるけれど。」
この2人は話を聞いてなかったんだろうね、多分。僕は一応聞いていたけど面倒な展開になりそうだ。
そう考えていると案の定数人の生徒達が僕達の元へ駆け寄ってきて
「すずと付き合ってるのどっち(なんだ)!?」
と食い気味に聞いてくる。
やっぱりこうなるか……涼君はかなり気になるみたいだけどね、すず君の回答に。
「え?いや私どっちとも付き合ってないよ?」
サラッとすず君はそう言う。その言葉に拍子抜けしたのか口々に
「え、でも今ハグ……え?」
「いや、いやいやいや!これでどっちとも付き合ってないとか……は?」
と言う。
「まぁ私と涼とユウは家族みたいな感覚だし……恋愛感情はないかな特に。」
「…………」
わぁ、涼君が凄く複雑な顔をしているねぇ。あらかた心を開いてくれて嬉しいけど恋愛対象じゃないのがちょっと……といったところかな?
「そういう事だから残念だけれど僕も涼君もすず君とはお付き合いしていないよ。諦めておくれ。そろそろチャイムもなるし座ろうか、2人とも。」
「あ、あぁ……分かった。」
「うん、そうだね!他の皆も座ろ!」
「お、おぉ……」
「うん……ちょっと残念だけど事実なら仕方ないよね。」
そう言って他の子達もそれぞれの席へ向かった。
さてと、僕も席に戻ろうかな。うーん……1度受けているはずの授業を受けるのは暇だからあまり気が進まないんだけどねぇ?
心の底で愚痴を零しながら僕は席につくのだった。
「アタシが来た!!!」
テンション高っ……寒いのによくそんな元気でいられるよほんと……
「そりゃアタシは特別だしぃ?作者みたいな凡人と一緒にすんなあぁぁぁ!」
うーん、ここに偶然にもくっっっそ重い置物あるんだけど1回踏み潰されてみる?(*^^*)
「ゴメンナサイ…」
よろしい。あ、そうだティール。気になってたんだけどティールよく寝てるよね?なんで?
「ん〜?あ〜なんか下界に落とされてからなァんかイマイチ疲れやすいんだよねぇ?まぁ本来アタシって?死者の世界にいた訳だからまだ順応できてないんだろーね!」
へ〜ティールがナマケモノってわけじゃ無かったんだ。残念だ……
「ま、作者とは違うしぃ?」
置物……?
「ゴメンナサイ……」
学習しないね君は……もう締めるよ。それじゃあまた次回にお会いしましょう!
「まったね〜!(次は作者に絶対仕返ししてやるぅ……!)」




