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僕とお狐様  作者: 話太郎
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1-4

 僕は少し夜に買い物をしていた。

 帰り道、なんだか騒がしい。

 付近の男性に事情を聞く。

「どうしたんですか?」

「ああ、なんだか公園で音がする、とかなんとか」

 その言葉を聞き、公園を確認する。

 でも何事もない。

 一応周囲を確認するけど、気になるものは何もなかった。


 帰宅するとタマちゃんが出迎えた。

「お帰りなのじゃ。どこへ行っておった」

 僕は少し買い物をしていた事、それから公園の事を話した。

 するとタマちゃんは言う。

「ふむ。異常はなさそうじゃが、一応見ておいた方がいいかもしれんのじゃ」

 そう言うので荷物を置いて再び現場へ赴く事にする。

 家を出ようとするとジュン子に見つかる。

 ジュン子にも説明すると声を上げる。

「私も行く!」


 公園でさっそく見回りをする。

「何もないよ、お兄ちゃん」

 みんなで探すけど何もない。

 帰宅しようか、そう悩んだ時、茂みが揺れた。

 ガサガサ。

 タマちゃんは叫ぶ。

「何奴!?」

 すると、妙齢の女性が出てきた。

 でも耳と尻尾がある。

 タマちゃんは更に声を荒げる。

「貴様はケイコ!」

「ケイコ?」

 言われた女性は「ふふふ」と笑う。

 そして僕に言う。

「おやおやまあまあ。可愛い男の子じゃけえ」

 僕は女性に尋ねる。

「君は?」

「ウチはケイコ」

 タマちゃんが警戒して言う。

「気をつけよ! こいつは妖怪じゃ!」

「妖怪!?」

 ケイコは気にせず僕に言う。

「なんぞ力の波動を感じるのう。ウチのモノにならんか?」

「最近勧誘が多いですね」

 タマちゃんが僕の前に出て言う。

「下がれこのタヌキめが」

 タヌキ?  そう呟くとタマちゃんは言うのだ。

「そう、こやつはタヌキ。刑部狸ぎょうぶだぬき刑子ケイコじゃ」

 ケイコは口元に手を当て笑いながら言う。

「ほほほ、なんじゃちんちくりんになったキツネではないか」

 なんだかタマちゃんの事を知っていそうだ。なので聞いてみる。

「知ってるんですか?」

「旧知の仲、いや、ライバルというべきかの。狐の長のタマモ、そしてウチらタヌキの一族。長年競い合った種族じゃけえ」

 ジュン子は言う。

「その親玉が刑部狸なんだね」

「そういう事じゃけえ。ほら、アメちゃんをやろう」

 うわ~い。

 僕とジュン子はアメを貰う。ジュン子は言う。

「この人いい人かも!」

「騙されるでない!」

 タマちゃんは僕らをそう叱責し、ケイコに向き直り言う。

「大体お前なんじゃ一人だけ大きくなった姿で! 儂との争いで妖力も使った筈じゃろ!」

「むう、見破られては仕方ないけえ」 

 ボウン!


 ケイコは変化した。

 等身が下がってタマちゃんに合わせた。

 でもなんだか年配の雰囲気がする。タマちゃんはケイコと対峙する。

「ふん、やはりお前もちんちくりんなのじゃ」

「体は小さくなってもキツネより物知りじゃけえ」

 タマちゃんは「何を!」と怒ってるが僕が後ろから羽交い絞めにして押さえる。

 タマちゃんはジタバタしてるけど僕はケイコとやりとりする。 

「博識なんですか」

「まあのう」

 でもタマちゃんは言う。

「ふん! こんな奴ヤフ●知恵袋みたいなもんなのじゃ」

「そんな事ないよ。落ち着いた雰囲気に見えるよ」

 ケイコは「そうじゃろうそうじゃろう」と。

 僕は続ける。

「ヤフーと言うよりおばあちゃんの知恵袋─」

 すごい顔を近づけてケイコが言う。

「お姉さんと言わんと駄目じゃけえ」

「お、お姉さん」

「離れるのじゃ! 健太は儂のモノじゃ!」

 君のモノでもないよね。

 ジュン子も参戦する。

「そうだよ! なんか袋自慢になってるけど最近は袋は自粛傾向なんだよ!」

 僕も「レジ袋とかの事かな」と。

 タマちゃんは追い打ちをかける。

「タヌキの自慢なんて玉袋ぐらいなのじゃ。ケイコは女だからそれもないのじゃ」

 わっはっは

 笑うタマちゃんにケイコは怒る。

「ウチの堪忍袋も切れるけえの」

 なんだか妖力を高めてるけど僕は諭す。

「そういえば、堪忍袋と言えばそれも自粛傾向にあるよね」

 ケイコは「そうなのか?」と聞いてくる。

「アンガーマネジメントとか流行ってるからね。堪忍袋も抑える時代だよ」

 タマちゃんは「どうじゃグウの根も出んじゃろ」と胸を張る。

 なぜか自慢げだ。

「うぬぬ…ウチとした事が坊に言いくるめられるとは…これはますますそこのキツネに渡すわけにはいかんけえ。しかしここは多勢に無勢、一旦引くとしよう」

 こうしてケイコは去っていった。


 翌日。

 ケイコが来ていた。

「という訳でお世話になるけえの」

 タマちゃんは言う。

「儂の家じゃぞ!」

 違うよね。 

 ジュン子も言う。

「居候が増えちゃった!」

 こうして我が家の同居人が増えてしまった。

挿絵(By みてみん)

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