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僕とお狐様  作者: 話太郎
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1-23

 山の奥にあるタマちゃんの神社。

 みんなで補修作業をする事にする。

 タマちゃんは言う。

「でも道具や材料はどうするのじゃ?」

「それならアテがあるよ」

 知り合いの林業をやってる人が居たのを思い出す。


 僕は独り、その人の所へ行って相談してみる。

 すると林業のおじさんは言うのだ。

「道具は貸してやるよ」

 それから材料まで運んでくれると言うのだ。


 軽トラックに載せていざ神社へ。

 一生懸命狩り払いをしたおかげで道は車一台なら通れる。

 ガタゴトと車体を揺らしながら、車は進む。

 やがて到着、みんなは先に待っていてくれた。

 そして荷下ろし。


 おじさんは言う。

「じゃあ頑張ってな」

 みんなでお礼を言い、手を振った。


 僕は言う。

「それじゃ作業だね」

 ジュン子も巫女服の袖を捲っておりやる気十分だ。

 そして言う。

「何からやるのお兄ちゃん?」

 どうしようかな。

 タマちゃんは本殿じゃ! 儂の本殿を直して豪華にするのじゃ! なんて言ってるけど僕は提案する。

「土台からだね」

 社殿の周りを囲む床を高くした土台。

 階段四~五段分の高さのそれは所々痛み、床と地面の間の基礎の柱も痛んでいた。

 なので言う。

「本殿の床、それと周りの土台部分と柱を直そう。基礎の部分が壊れてると上をなおしても崩れちゃうから」

 ケイコも賛成してくれる。

 タマちゃんは「ううむ…」なんて唸ったが「まあ、仕方ないの」と了承してくれた。

「じゃあ早速作業に入ろう!」

 こうして建物の修復作業を開始した。


 補修作業をする。

 トントンカンカン トンカントン


 リズムよく補修していく。

 僕は朽ちかけた土台の柱に添木をする。

 ケイコとジュン子は穴の開いた壁の補修。

 タマちゃんは床材の張り替えをしていた。

 ある程度進んで一息着く。

 タマちゃんは額の汗を拭いながら言う。

「結構綺麗になったのじゃ!」

 痛んだ床や土台は補強され、社殿は補修された。

 素人ながらまずまずの出来だ。

 僕も「とりあえず雨風は防いで耐えれるぐらいになったね」と。

 ケイコも「中の装飾などはおいおいじじゃけえの」と言いながら、みんなを労った。

 いよいよ綺麗な復旧へと本格化を目指す、そんな気持ちになろうとした時だった。


 グラグラ。

 なんだか土台が揺れ始めた。

 僕は驚き言う。

「揺れてる!」

「なんじゃ!? 地震か!?」

 ジュン子も「怖いよ!」と声を上げた。

 何かにしがみつこうとした時、気づいた。

 あれ。

 向こうに見える木。

 その葉が。

 揺れてない。

「お兄ちゃんあれ見て!」

 買ってきて床に置いてあるペットボトル。

 その中身のジュースも揺れてない。

 ということは。

 ケイコが叫ぶ。

「地震じゃないけえ!」

 ケイコに同意するようにタマちゃんも言う。

「揺れてるのはここだけじゃ!」

 グラグラしてるのは足元。

 タマちゃんの「床じゃ! 床が変じゃ!」と叫んだ矢先。

 そこから声がする。

「ぐははははー」

 メリメリ!

 板が一枚剥がれて、立ちはだかった。

 妖怪や魔物が現れた訳じゃない。

 板が現れた。


 タマちゃんは言う。

「き、貴様は板の鬼!」

 板の鬼?

 ジュン子は「そんなの居るの!?」と。

 ケイコは言う。

「今昔物語集に記された妖怪じゃ。鬼と言っても妖怪の一種じゃな。古来、妖怪をひとまとめにして「鬼」と称していた頃の名残じゃけえ」

 板の鬼は笑いながら言う。

「いかにも! 俺は板の鬼! 存分に暴れさせてもらうぞ!」

 タマちゃんは言う。

「なにをー!」

「うはははは」

 板の鬼は補修した社殿を破壊し始めた。

 バキバキ。

 ジュン子が叫ぶ。

「せっかく直したのに!」

 タマちゃんも言う。

「こいつは放置しておけないのじゃ!」

「ぐははははは! こんな神社壊してやる! そしてみんな元の木材、板材に戻してやる!」

「大変だよお兄ちゃん! このままだとみんな板にされちゃう!」

 板の鬼はさらに叫ぶ。

「世の中を板だらけにしてやる!」

 ジュン子は叫ぶ。

「そんな事はさせない!」

 だが板の鬼は言う。

「お前の胸も板みたいにしてやる!」

「そんな!? な私の胸は将来ちゃんと大きくなるもん!」

 お兄ちゃんとしては応援してやりたい、でいいのかなこれ。

 でもタマちゃんは言う。

「わ、儂は大人バージョンならボインボインじゃぞ…」

 ケイコも「ウチも人並みにはあるけえ…」と。

「お兄ちゃんはいいの!?」

「え? 僕?」

「お兄ちゃんもペラッペラの貧弱胸板にされちゃうよ!?」

 そうかな…

「ムキムキじゃなくてもいいからほどよく筋肉質でかっこいいお兄ちゃんがいい!」

 完全にジュン子の趣味だよね。

「許さない!」

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