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僕とお狐様  作者: 話太郎
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1-20

 タマちゃんが唸っていた。

「うう~ん」

 どうしたんだろう。

 声を掛けてみる。

「大丈夫?」

「平気なのじゃ…」

 でも少し辛そうだ。

 何か悩み事だろうか?

 神社の建設で頭を悩ませてたから。

 それとも体調不良かな。

「少し休むのじゃ…」

 そう言って布団に入ってしまった。


 ジュン子が聞いてくる。

「タマちゃんどうしたの?」

「なにか調子がよくないみたい」

 ケイコは言う。

「なんぞ悪い物でもつまみ食いでもしたんじゃろかの」

 そんな事は…ないよね。

 ははは…

 みんなで笑う。


 そのあと。

 台所で昼食の準備をしてると。

 ゴミ箱であるものを見つけてしまう。

「こ、これは!?」

 僕はゴミ箱からそれを取りだす。

 キノコだ。

 赤い傘に白い斑点模様。

 ケイコがそれに気づく。

「そ、それはベニテングダケ!」

 知ってるの?

 かなり驚いてるから嫌な予感がする。ケイコは説明する。

「毒キノコじゃけえ!」

「ええ!?」


 ジュン子も呼んで会議。

 ジュン子は驚いた表情で言う。

「まさか、これを食べちゃったの?」

 僕は意見する。

「でも毒キノコって事は美味しくないんだよね」

 ケイコは言う。

「それがの…すごい美味いけえ」

「「ええ!?」」

「旨味成分がそのまま毒じゃけえ」

 ジュン子は震えながら言う。

「じゃあタマちゃんは…」

 食べてるかな…?

「大変! 助けなくちゃ!」

 ジュン子はそう言うと駆けだした。


 タマちゃんは寝てた。

 ジュン子は声を掛ける。

「タマちゃん!」

「う、ううん…」

「大丈夫!?」

 そう聞くけどタマちゃんは布団の中で身をよじった。

「可愛そうに、辛いんだね」

 するとタマちゃんは少し目を開けた。

 そして言う。

「な、なんじゃみんな…」

 僕は問いかける。

「気が付いた?」

「健太…」

「お腹、痛いんだね?」

「…」

 返事はない。

 でも多分肯定。

 ジュン子も理解したようだ。

 そして言う。

「待っててタマちゃん。私が助けてあげる!」

 ジュン子はスマホを検索した。

「あった! ベニテングダケの毒抜きの方法! ええと、茹でた後塩漬けする、だって!」

 そしてジュン子はタマちゃんを担ぎ上げた。

 タマちゃんは叫ぶ。

「な、何をするのじゃ!?」


 外でお湯を張ったドラム缶にタマちゃんを放り込んだ。

 バシャーン!

 そして茹で上げる。

 グツグツ。

「熱い! 熱いのじゃ!」

 なんか違う気がするけど。

 ジュン子は言う。

「我慢してタマちゃん! すぐに良くなるから!」

 タマちゃんは「茹で上がってしまう!」と悲鳴を上げた。

 ほどなく、のぼせたタマちゃんを今度は塩漬けにする。

 頭から。逆さまにして。

 塩の中から「ん~ん~!」と呻き声がする。

挿絵(By みてみん)

 ジュン子は応援する。

「頑張ってタマちゃん…きっと良くなるから」

 多分この毒抜き、食べた人じゃなくて、きのこそのものの毒を抜く方法だよね…。

 ほどなく。

 もがいてたタマちゃんの足が止まった。


 僕らはタマちゃんを引き上げた。

 タマちゃんはノビていた。


 部屋で落ち着いてからタマちゃんから事情を聞いた。

「アイスを食べすぎた!?」

「暑かったから少しの」

 じゃあ台所のゴミ箱のキノコは。

「さすがに食わんのじゃ。神社の補修準備で掃除してたら生えておったから抜いて捨てておいたのじゃ」

 ジュン子は言う。

「良かった」

 でもアイス食べちゃったの?

「お、美味しそうだったのじゃ。それでつい…」

 ケイコは冷凍庫を開けて中を確認して言う。

「ウ、ウチのレディーボ●デンが…」

 それから叫ぶ。

「おどりゃー! 死にさらせー!」

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