1-14
女性の変な妖怪か神様が居た。
「ふふふふ! 世の中を逆さまにしてやるわ」
タマちゃんは驚き叫ぶ。
「き、貴様は天逆海!」
あまのざこ?
ケイコは解説してくれる。
「天を逆さにする海、と書いてあまのざこ、じゃけえ」
ジュン子は聞く。
「あまのじゃくとは違うの?」
「別人じゃけえ。ただし似ている所はある」
タマちゃんは言う。
「天邪鬼と同じく、こいつは物事をあべこべにしてしまうのじゃ。右を左と言ったり、正解を間違いだと言ったり」
あべこべ?
あまのざこは言う。
「うふふふ…私にかかれば世の中の物事は反対になるのよ!」
ジュン子は嘆く。
「そんな事になったら大変!」
そうだよね。
物事は正しく覚えないと。
僕は言う。
「今まででも逆で覚えたり逆さまになって大変な事とかあったよね。電気がプラスからマイナスに流れる、とか」
実際にはマイナスからプラスなのにね。
ジュン子も思い出したように言う。
「役不足、が反対の意味になったり!」
実力が伴わないんじゃなくて実力がありすぎて端役とか合わない、って意味だよね。
タマちゃんは憤慨する。
「うむむ! 今までの間違った知識はもしやお前のせいか!?」
「よく分かったわね! この私にかかれば物事を逆さにする事など造作もない事!」
彼女は言う。
「反転ビーム!」
ビー!
ケイコに命中。
「ぎゃあああ!」
大丈夫!?
駆け寄る。
「ウ、ウチは忘れっぽいタヌキじゃけえ」
ジュン子が叫ぶ。
「物知りだったのに!」
「ふふふ、まずは対策してくる物知りを封じてやったわ!」
さらにビームを撃ってくる。
「反転ビーム!」
ビー!
うわあああ!
僕に命中。
「うう、なんだか気が抜けてきた…」
「お兄ちゃんが頑張り屋じゃなくなっちゃった!」
「さらにビーム!」
「きゃああ!」
ジュン子に命中。
「わ、私はお兄ちゃんなんか、お兄ちゃんのためなんかじゃ…」
だけどタマちゃんは言う。
「こ、これじゃ!」
なにかな。
「逆さま…別にあなたのためにやってるんじゃないんだからね、ってやつじゃろ!?」
そうかな…
ジュン子も叫ぶ。
「あまのざこはツンデレだった!?」
「儂らに足りない物はこれじゃ! あまのざこ、手を貸せ!」
「ちょ…なにするの!?」
「儂らにツンデレパワーを分けるのじゃ! 健太を落とすためじゃ!」
ジュン子も「じゃあ私も! もっとビーム頂戴!」と。
「ちょ、やめ…」
二人に揉みくちゃにされるあまのざこ。
タマちゃんは叫ぶ。
「そのパワーを寄越せー!」
「い、いいかげんにしろー!」
ドカーン!
あまのざこのパワーが爆発した。
「ぬわー!」
吹っ飛ばされる二人。
ジュン子は僕がキャッチした。
タマちゃんは…べしゃって音がしたけどまあ大丈夫だろう。
でもすごいパワーだ。
僕は言う。
「なんだか怖い女神なんだね」
するとケイコは補足してくれる。
「女神じゃが生まれにスサノオの由来を持ち、その怪力を受け継ぐ女神じゃ。神々を投げ飛ばし武器を噛み砕く恐ろしき荒ぶる神やけえの」
「うおおおー許さんぞ! この私を侮辱するのは!」
ジュン子は怯え、「どうしよう…」と呟く。
あまのざこの勢いは止まらない。
「はははははー! 世の中はあべこべ! この世を逆さまにしてやる!」
絶望の逆神。
ここまでか?
そう思った時、通りかかる女性が居た。
「なにしてるデース?」
マリベルだった。
あまのざこは叫ぶ。
「私はあまのざこ! 世の中をあべこべにする存在!」
「な、なんですッテ!?」
「うふふふ、怖い?」
するとマリベルはプルプルと震えだし言うのだ。
「に、日本人は駄目デース! はっきりノーと言わなかったり、できないのにイエスと言ったり!」
ジュン子も「日本人にありがちな気質!」と。
「日本人曖昧な性格直さないといけまセーン!」
「何を言って…」
「改心パーンチ!」
「ギャー!」
あまのざこは吹っ飛んだ。
すごい。
ジュン子も感心して言う。
「怪力女神も倒すメリケンパワーすごいね!」
マリベルさんは意外とパワー系のシスターだった。




