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僕とお狐様  作者: 話太郎
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13/18

1-13

 ジュン子が言う。

 大きな桃を抱えながら。

「お兄ちゃん桃拾った」

「ずいぶん大きいね」

 直径1メートルはある。

 どうやら川で拾ったらしい。

 さっそく食べよう。


 サクッ

 パンパカパーン

 中から桃太郎が出てきた。そして言う。

「私は桃太郎!」

 タマちゃんは叫ぶ。

「なんじゃこいつは!」

 成人で出てくるんだ…

 桃太郎は「少し収穫が遅れたようですね」と。

 少し?

 ジュン子は聞く。

「本物ですか?」

「いかにも」

 タマちゃんも言う。

「そういえばおったな、そんな英雄が」

「知ってるの?」

「無論なのじゃ。日本の神も妖怪も知りえておる」

 自信満々で胸を張るタマちゃん。

 そして言う。

「さあ、鬼を退治してくるのじゃ!」

 でも桃太郎は言う。

「それなんですが」

 ジュン子も「どうしたの?」と。

「まずは仲間集めをしないと」

 僕は言う。

「犬と猿とキジだね」

「そうなんです」

 タマちゃんは「ならばすぐに探せばよかろう」と言う。

 う~ん…

 犬はともかく猿とキジは…

 見つけるのが難しいと思ったけどみんなで解決する事にした。


 ジュン子は言う。

「友達のペットの犬を借りてきたよ!」

 ケイコは変化の術を使った。

 ボウン!

 

 猿になった。

「ウチが猿をやろう」

 ほっぺが赤丸で尻尾が細くなったけど、そこまで見た目が変わらない。

 タマちゃんも変化。

 ボウン!

「儂がキジじゃ!」

 手が羽になっただけだった。

 僕は言う。

「きびだんご買ってきたよ」

 通販で買った。桃太郎は言う。

「どうも」

 みんなで食べた。


 さっそく鬼退治へ出かけた。

 島でジュン子が言う。

「みんなで鬼を退治すればいいんだね?」

 でも桃太郎は言う。

「武力はダメです」

 驚きの発言。

 タマちゃんは怒る。

「なんじゃお前日和ったか!」

「そうじゃありません。最近は表現規制や優しい教育上の配慮で武力侵攻はダメなんです」

 時代の流れだね。

「なるべく穏便に済まさないといけません」

 僕も言う。

「絵本も暴力を排除して鬼と交渉する桃太郎とか出てるよね」

 ケイコも言う。

「こんなご時世大だからやむをえんのう」

 僕は言う。

「じゃあその方向で!」


 鬼が出た。

「誰だ!?」

「桃太郎です」

「何をしにきた!?」

「交渉しましょう」

 交渉する。


 鬼は言う。

「要求は?」

「武装解除」

「仕方ないな…」

 交渉成立した。

 よかった。 

 平和裏に事が進んだ。


 僕らは帰宅する。

 でもジュン子が言う。

「お兄ちゃん大変!」

「どうしたの?」

「鬼退治は認めないって! 教育界隈から!」

 タマちゃんは聞く。

「なんでじゃ!?」

「きびだんごがダメだって」

 どうしてだろう?

 僕はジュン子が持ってきた紙を読んでみる。

「ええと、物品で買収した傭兵が出てる、って」

 ケイコも言う。

「捉え方が厳しいのう。じゃあ志願兵に改ざんしてしまおう」

 表現規制や配慮って大変だね。

「それだけじゃなくて鬼も怒り出したって」

 ケイコも「困ったのう」と続ける。

 ジュン子は言う。

「もうこうなったら制裁! 経済制裁しかないよ!」

 僕は「待ってジュン子。桃太郎さん何かアイデアないですか?」と提示する。

 すると桃太郎は言う。

「じゃあ説得とか」

 ジュン子は言う。

「桃太郎演説!」

 僕は「他には?」と聞く。

「電気工事とかできます」

 ジュン子が言う。

「桃太郎電設!」

 鬼が島の工事ができる。僕は言う。

「インフラを制する者は土地を制する、だね」

 最後に桃太郎は言う。

「優秀な鬼は勧誘してこちらに引き入れてしまいましょう」

 ジュン子は「桃太郎面接!」と。


 鬼が島を開発して企業誘致した。

 そしてきびだんごで買収した。

 こうして桃太郎は鬼が島を牛耳った。


 めでたしめでたし。

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