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ジュン子が言う。
大きな桃を抱えながら。
「お兄ちゃん桃拾った」
「ずいぶん大きいね」
直径1メートルはある。
どうやら川で拾ったらしい。
さっそく食べよう。
サクッ
パンパカパーン
中から桃太郎が出てきた。そして言う。
「私は桃太郎!」
タマちゃんは叫ぶ。
「なんじゃこいつは!」
成人で出てくるんだ…
桃太郎は「少し収穫が遅れたようですね」と。
少し?
ジュン子は聞く。
「本物ですか?」
「いかにも」
タマちゃんも言う。
「そういえばおったな、そんな英雄が」
「知ってるの?」
「無論なのじゃ。日本の神も妖怪も知りえておる」
自信満々で胸を張るタマちゃん。
そして言う。
「さあ、鬼を退治してくるのじゃ!」
でも桃太郎は言う。
「それなんですが」
ジュン子も「どうしたの?」と。
「まずは仲間集めをしないと」
僕は言う。
「犬と猿とキジだね」
「そうなんです」
タマちゃんは「ならばすぐに探せばよかろう」と言う。
う~ん…
犬はともかく猿とキジは…
見つけるのが難しいと思ったけどみんなで解決する事にした。
ジュン子は言う。
「友達のペットの犬を借りてきたよ!」
ケイコは変化の術を使った。
ボウン!
猿になった。
「ウチが猿をやろう」
ほっぺが赤丸で尻尾が細くなったけど、そこまで見た目が変わらない。
タマちゃんも変化。
ボウン!
「儂がキジじゃ!」
手が羽になっただけだった。
僕は言う。
「きびだんご買ってきたよ」
通販で買った。桃太郎は言う。
「どうも」
みんなで食べた。
さっそく鬼退治へ出かけた。
島でジュン子が言う。
「みんなで鬼を退治すればいいんだね?」
でも桃太郎は言う。
「武力はダメです」
驚きの発言。
タマちゃんは怒る。
「なんじゃお前日和ったか!」
「そうじゃありません。最近は表現規制や優しい教育上の配慮で武力侵攻はダメなんです」
時代の流れだね。
「なるべく穏便に済まさないといけません」
僕も言う。
「絵本も暴力を排除して鬼と交渉する桃太郎とか出てるよね」
ケイコも言う。
「こんなご時世大だからやむをえんのう」
僕は言う。
「じゃあその方向で!」
鬼が出た。
「誰だ!?」
「桃太郎です」
「何をしにきた!?」
「交渉しましょう」
交渉する。
鬼は言う。
「要求は?」
「武装解除」
「仕方ないな…」
交渉成立した。
よかった。
平和裏に事が進んだ。
僕らは帰宅する。
でもジュン子が言う。
「お兄ちゃん大変!」
「どうしたの?」
「鬼退治は認めないって! 教育界隈から!」
タマちゃんは聞く。
「なんでじゃ!?」
「きびだんごがダメだって」
どうしてだろう?
僕はジュン子が持ってきた紙を読んでみる。
「ええと、物品で買収した傭兵が出てる、って」
ケイコも言う。
「捉え方が厳しいのう。じゃあ志願兵に改ざんしてしまおう」
表現規制や配慮って大変だね。
「それだけじゃなくて鬼も怒り出したって」
ケイコも「困ったのう」と続ける。
ジュン子は言う。
「もうこうなったら制裁! 経済制裁しかないよ!」
僕は「待ってジュン子。桃太郎さん何かアイデアないですか?」と提示する。
すると桃太郎は言う。
「じゃあ説得とか」
ジュン子は言う。
「桃太郎演説!」
僕は「他には?」と聞く。
「電気工事とかできます」
ジュン子が言う。
「桃太郎電設!」
鬼が島の工事ができる。僕は言う。
「インフラを制する者は土地を制する、だね」
最後に桃太郎は言う。
「優秀な鬼は勧誘してこちらに引き入れてしまいましょう」
ジュン子は「桃太郎面接!」と。
鬼が島を開発して企業誘致した。
そしてきびだんごで買収した。
こうして桃太郎は鬼が島を牛耳った。
めでたしめでたし。




