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アニムスVSボルグ ルシャ・ウクラーダ戦争  作者: ◣₤▧₪▣◢◤◆◥◤₡でぶにゃーちゃん


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8/13

南西部オデッサ奇襲&南東部ドネツク地方 &南部黒海近辺


 南西部の都市オデッサまで、ルシャ連邦陸軍は侵攻する事ができなかった。


 ここは、ソビイト連邦時代に建造された、重要な港湾都市だった。



 しかし、二度に渡る独立運動と戦争では、悲劇の舞台となっていた。


 さらに、開戦前年である2021年には、秘密警察に殺害された人々の遺骨が収集された。



 ここは、北部や東部と違い、戦場から遠すぎるので、ルシャ連邦陸軍が侵攻してくる事はない。


 だが、そうは言っても、ルシャ軍が長距離ミサイルを何発も発射してきていた。



 また、この西部には、未承認国家、トランスリサトニア共和国がある。


 独立国家を名乗っているが、ここにはルシャ連邦軍兵士が駐留している。



 流石に、ルシャ連邦軍部隊が動く事は無いだろうが、ウクラーダ軍は警戒を緩めていない。


 トランスリサトニア共和国は、ルシャ系&ウクラーダ系の住民が住んでいた。



 そのため、ルーマリア&モルドラによる領土紛争が起きた時、両国が大規模な兵力を派兵した。


 この時は、ウクラーダ共和国は親ルシャ政権だったからである。



 よって、港湾都市オデッサは西から来るかも知れぬルシャ軍歩兵部隊を警戒せねばならなかった。


 さらに、東からは何時くるか分からない長距離ミサイルに、住民は怯える他なかった。



 一方、ドネツク地方では。



 ここの上空を、ボルグと言うよりも、戦闘機に見える無人航空機が飛んでいた。


 低速で飛行する無人機だが、不思議と地上から攻撃が飛んで来なかった。



 ルシャ連邦軍の対空レーダーは、速度が遅すぎるため、かえって捉えられないからだ。


 しかも、レーダー車両型ボルグすら、低空を飛ぶ無人機を発見できないのだ。



「弾薬を運ぶぞ、前線に届けるんだ」


「ここには、地雷を設置しよう」


 ルシャ連邦軍の防空部隊は、森林地帯に隠しているエダフォサウルス型ボルグ。


 エダフォレールを中心に警戒を行っていたが、不意に、その背鰭がド派手に吹き飛んだ。



「なんだっ! 爆撃かっ! 防空ミサイルを撃ってっ!」


「敵は何処から来たんだっ!」


「負傷者だ、誰か手を貸してくれっ!!」


「ううぅぅ? な、何があった?」


 防空部隊は、反撃する間もなく、混乱に包まれたまま、慌てふためくのだった。



 黒海。



 陸上から、地対艦ミサイルを装備したフセニツィガ3により、ルシャ海上艦隊に攻撃が始まる。


 それと合わせて、遥か上空を、灰色に塗装された謎の戦闘機型兵器が優雅に舞う。



 この機体も、翼下にあるハードポイントから空対地ミサイルを放つ。


 空と陸上から、二つのボルグに攻撃されたルシャ連邦艦隊は、甚大な被害を受けた。



「うわっ! ミサイル攻撃だっ! 総員、退艦しろっ!」


「次弾が飛んできますっ! 間に合いませんっ!」


 ルシャ連邦艦隊旗艦のクジラ型・巡洋艦クレイセノールキートは、ミサイル攻撃で爆破轟沈した。


 ユクルース軍が行った奇襲攻撃により、ルシャ海軍側の艦隊は壊滅的となった。



 クジラ型駆逐艦ミノノーセツキート&首長竜型フリゲート艦プリオザウラー。


 これ等からなる海上艦艇ボルグも、次々と破壊されて、海の藻屑と化していく。



「バイラクタル、任務完了、帰投する」


「バイラクタル、レーダーに異常なしっ!」


「帰投次第、次は陸上部隊を爆撃するぞ」


 車体後部に、緑色のコンテナを載せた、民間アニムス、ティルティルは何処かで停車していた。


 これは、テルクス共和国の芋虫型トラックであり、通常は戦闘に使用されない。



 ここは、森の奥深い場所であり、ルシャ連邦軍に知られていない、仮設された秘密基地だ。



 モニターを見ながら、無人機を帰還させようと、女性オペレーターはパネルを操作する。


 その隣では、男性オペレーターが椅子に座りながら、レーダーで敵機の襲来を警戒している。



 二人に、野戦帽子を被った秘密裏に派遣されているテルクス人の軍事顧問団員は、指示を出す。



 今、ルシャ艦隊に打撃を与えたのは、新型無人鳥飛行機アニムス、バイラクタルだ。


 西側の無人機アニムスは、実験機から小型機に至るまで、多数が戦場に投入されていた。



 だが、この機体は今まで使用された物より、航続距離が格段に向上している。


 そして、機体自体の製造費用は安い。



 と言っても、本機を使用するには、通信衛星や通信指揮者型ボルグのシステムが必要だが。



 このシステム自体が、かなり値段が高い。


 だが、ルシャ連邦が侵攻する前に起きた、ナゴルノ・カラバフ紛争では大活躍した。


 ウクラーダ空軍は、テルクス共和国より輸入した本機を、偵察や爆撃に使用した。



 これにより、ルシャ軍の地上ボルグ部隊や海軍部隊に、かなり被害が出た。


 南方戦線で使用された本機は、軍歌まで作られるほど、人気の機体となった。



 しかし、実際の戦果は、かなり誇張されて、マスメディアを通じて宣伝されていた。


 それでも、この機体は、ウクラーダ空軍にとって、貴重な無人爆撃機であった。



 バイラクタルの戦果は、過剰に宣伝されたらしく、世界的に有名になった。


 これにより、ウクラーダ共和国とテルクス共和国は、互いに次世代機を共同開発する事が決定した。



 バイラクタルが華々しく活躍する間、ルシャ連邦軍航空隊も、新型ボルグを投入してきた。



 キュネーオサウルス型ボルグ、アリガートルだ。


 これは、珍しい並列コックピットを採用した重装甲戦闘ヘリ型ボルグである。



 機体形状は、コモドドラゴン&イリエワニに非常に似ており、翼が生えている。


 それもそのはずで、設計上は、それらの生物を参考にしているからだ。



 また、両機体に酷似した、この機体は、まさに空飛ぶワニに見える。


 よって、本機はルシャ語でワニを表すアリガートルと名付けられたのだ。



「コサックホースとコサッククーガー達を下げろっ! 航空機が来るぞっ!」


 コザックホース2に乗った、ユクルース軍高速機動隊の隊長は、無線で味方に後退を指示する。


 これは馬型・軽歩兵機動車ボルグであり、深緑色の車体には、背部に機関砲を搭載した砲塔がある。



 コザッククーガーは、深緑色に塗装された機体であり、ピューマ型の軽歩兵機動車ボルグである。


 背部には、自動機関砲とグレネードランチャーを装備している。


 しかし、ルシャ連邦軍の航空部隊を前にして、空爆を避けるべく彼等は、逃げ惑うしかない。



 航空機ボルグ、アリガートル&カトラーガからなる部隊は、猛爆撃を開始する。


 ウクラーダ共和国のボルグ達は、散開しながら直ぐに撤退準備に移る。



 ルシャ連邦側の航空機部隊は、ロケットポッドやガンポッドから弾丸を発射しまくる。


 コザックホース2&コザッククーガーの装甲は、連射される実弾射撃に耐える事はできる。



 しかし、防弾ベストや重装甲でも、攻撃を何発も当てられたり、上から爆撃されると不味い。


 いくら装甲が硬くても、同じ部分に弾丸を当て続けると、流石に耐えられないのだ。



 ルシャ連邦軍の攻撃は、上空からだけでなく、正面からも砲撃やロケット弾が飛んでくる。


 つまり、機動部隊は、敵の猛攻により、砲撃で吹き飛ばされると思われた。



「マロース1、ロケットポッドを発射するっ!」


「マロース2、援護するっ1」


 アリガートルは、翼下のハードポイントに装着したロケットポッドと二連機関砲を撃っていく。


 この爆撃で、逃げ回るコザックホース2部隊や歩兵部隊が、黒煙に包まれてしまう。



 さらに、逃げる部隊を狙って、空対地誘導ミサイルが発射される。


 この攻撃により、ユクルース側は、戦線を後方に下げるしかない。


 ユクルース側のフセニツィガ3&ティーグル55等も、迫るルシャ軍を前に徐々に後退している。



 ルシャ軍側は、ウラガーン・バッファロー、ティーグル90が砲火を放つ。


 これ等の大型ボルグが、延々と続くような砲撃と突撃を繰り返していた。



 ここ、黒海付近の海岸線は、ルシャ連邦側が終始有利に作戦を展開していた。



「マロース3 弾薬補給のため、一度基地に…………ぐわあっ!」


 とは言え、ウクラーダ軍の歩兵には、携帯式対空ミサイル、ジャベリンが大量に供与されていた。


 また、地上には両軍とも同じ、地対空ミサイル、S300を配備していた。



 これは、ユクルース軍が過去に、ソビイト軍の一部であったためである。


 これにより、ルシャ連邦軍側も、飛行ボルグ&戦闘ヘリ型ボルグを、多数損失する結果となった。



 ストイヤンカ北部郊外。



「ここが前線の町ストイヤンカだっ! ルキャン、オレーナッ! 両名は、コザックホース2に乗れっ! 前線まで、歩兵部隊を運べっ!」


「了解しましたっ! 直ぐに向かいますっ!」


「了解ですっ! 今すぐ行きますっ!」


 マルチカム迷彩の野戦帽を被る指揮官が怒鳴ると、彼は並べられた装甲車ボルグを指差した。


 そこには、コザックホース2とフセニツィガ3が、十数台も並べてある。



 ここは、野戦陣地であり、町からは離れているが、砲撃音が時おり鳴り響く。


 ルキヤンと女性兵士のオレーナ達は、そこに向かって、素早く走っていった。



 二人は、プラスチック製ケースの上に並べてある防弾ベスト、フリッツ・ヘルメットを取る。


 また、幾つかの弾帯をベルトに取り付け、AK74Uを素早く掴んだ。



「オレーナ、機関銃手を頼むっ! 命は預けたからなっ!」


「分かっているわ」


 ルキヤンは、自分と同じ服装をしているグリーンゴールド髪の女性兵士に声をかけた。

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