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アニムスVSボルグ ルシャ・ウクラーダ戦争  作者: ◣₤▧₪▣◢◤◆◥◤₡でぶにゃーちゃん


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2/13

隣国からの来訪者 ビロホロードカの学校前。


「ルキ兄? 今日は、宿題でた? 私、歴史と数学が苦手だから手伝ってぇ」


「いや、オリハ? 僕だって、数学だけは苦手なん…………」


 ルキヤンは、従妹のオリハと手を繋いで、ゆっくりと歩きながら学校から帰る。


 彼女は幼く、茶色に近いブロンドのロングヘアで、瞳は薄い水色だ。



 道路を歩く二人は、学校の授業から解放されて、少し嬉しそうな表情をしている。


 二人は、十字路を目指して歩き、そこから両親が乗っている民間ボルグ、ハイラックスを目指す。



「でも、私より出来るじゃん? それより、見えてきたわ」


「ああ、叔父さんの車だ」


 これは、葦島国のトヨダ社製で、青い機体カラーが目立ち、手足には裏側に車輪がある。


 オリハが指差す先に、ルキヤンも目を向けながら、それに並びながら歩いて向かう。



「叔父さん、オリハを連れてきたよ」


「ねっ! 早く帰ろっ! 叔父さん」


「お前ら、もう来たのか? ああーー? 昼寝も終わりか」


 ルキヤンとオリハ達が、ハイラックスの背中右側にある窓を叩くと、叔父さんは目を覚ます。


 黒い帽子を被った彼は、二人が荷台に乗ったのを確認すると、機体を走らせる。



 ここは、首都キーウから西にある、地方都市ビロホロードカの街中だ。


 平和で、明るい午後の陽日に照らされた街並みは美しく、茶色や白いビルが目立つ。



「ぶっ飛ばすぜ、捕まってろよ?」


 そう冗談を言いながら、叔父さんは、ハイラックスの手足後部に付いた、車輪を回転させる。


 この機体は、山岳地帯なら四肢を使って登山し、舗装された道路では、タイヤを走らせる。


「綺麗ね? 春から夏に変わる匂いがするわ?」


「ああ、もう少しで暑くなるな」


 ルキヤンとオリハ達は、背部にある荷台で足を広げながら、町の景色を見ていく。


 それが通り過ぎると、太陽光を受けて、金色に輝く小麦の畑が見えてきた。



「もう少しで、家に着くぜ? ルキヤン、オリハ、宿題と家の手伝いは、しっかりやれよ」


「パパこそ、仕事をしないで、寝てばっかりは止めてよねっ!」


 二つ並んだ邸宅の前に、見慣れない赤い民間用・猫型ボルグが止まっている事に気づいた。


 どうやら、これはルシャ連邦で生産される、ラーダ社製、ニーヴァ・コーテのようだ。



 右側にあるドアが開かれると、ルキヤンを少し成長させたような薄茶髪で、茶目の少年が登場する。


 それは、従兄弟のイリネイ・バシャノフであり、彼は笑顔を浮かべていた。



 ルシャ連邦から来た彼と一緒に遊べるので、ルキヤンとオリハ達は、すごく嬉しくなった。



「シモン叔父さん、お久しぶりですっ! ルキャン、オリハ、今日は外で遊ぼうっ!」


「イリネイ、よしっ! サッカーでもするか? 後で、近所の連中も呼ぼう」


「泥まみれになるまで、遊びましょうっ! ね? ね?」


「おうっ! 久しぶりだな、イリネイッ! お前ら、遊ぶのは良いが、宿題を忘れるなよーー」


 そう、イリネイが提案すると、ルキヤンとオリハ達は、大喜びで荷台から飛び出していった。


 シモンは、挨拶した後、ハイラックスを車庫へと移動させるべく、ハンドルを回す。



 広い庭には、色とりどりの花が咲き誇り、木々が木陰を作り、天には青空が広がっている。


 土や草花は、暖かな湿気の匂いを漂わせ、太陽は明るい日射しを見せる。



「先に、庭に行ってるから、二人はボールを持ってきてね~~」


「僕は、雑用がかりか、オリハ…………」


「ハハッ! オリハは、変わらないな? ルキヤンは少し背が延びたか?」


 オリハは、庭にある立派な花壇で、花を摘みながら、二人が来るまで待つことにした。


 ルキヤンとイリネイ達は、木造小屋に行って、サッカーボールを蹴りながら走り始めた。



 玉を追いかける中で、元気な笑い声が大きな屋敷にまで響き渡る。


 その時、ふと空を見上げると、カトラーガが編隊を組んで、飛行する姿が見えた。



 二機の機体は、下から見ると黒い陰になり、まるで、雲に向かっていくように進んでいく。



「うわ、眩しい…………けど、凄い? 空軍の奴かな?」


 ルキヤンは、思わず手を止め、空を飛ぶ、大きな蛾型ヘリコプターに目を奪われた。



「すごいっ! あれ、カトラーガだよね?」


「うん、ソビイト連邦が作った傑作だ」


 オリハは、かなり興奮気味に言うと、イリネイも頷き、二人の目は空に釘付けだ。


 カトラーガは、自由を求める小鳥のように、優雅に旋回すると、何処か遠くへと消えていった。



「いつか、あの空を飛んでみたいな」


「そうね、アレに乗りたいわ、あのボルグに」


「ウクラーダ空軍や消防局にも、あるはずだよ」


 ルキヤンが呟くと、オリハも同じ気持ちだと頷き、イリネイは二人の背後で話す。


 三人の心には、カトラーガを含む、ボルグに対する憧れが芽生え、夢が広がっていった。



「じゃあ? 操縦士は、無理でも救急医なら乗れるかしら?」


「首都キーウの消防隊や、海軍の救難部隊なら?」


「後は、さっき言った通り、空軍や陸軍とかの部隊だな〜〜」


 未来を想像しながら、オリハは額に右手を寄せて、太陽の光を眩しがる。


 ルキヤンとイリネイ達は、地面を見ながら、二人して、彼女のために悩む。



「軍医とか、衛生兵って、感じ…………かしら? 私、ボルグにも乗りたいけど、将来は医者やナースに成りたいしい~~?」


「ナースか? 医療ドラマでも、見たのか?」


「いいじゃないか、オリハには似合っているし、絶対になれるよっ!」


 オリハは、二人に向き直り、難しそうな表情を浮かべるが、ルキヤンは呑気に呟く。


 一方、イリネイは彼女の目標を応援しながら、にこやかな笑顔を向けた。



「でしょっ! と言うか、医療ドラマって…………ナースの人気は女子の中でも、かなり高いのよっ!」


「まあ? そうだろうな? 男で、医者になりたい奴は、頭が良い連中だけだし」


 オリハは、二人に向き直り、難しそうな表情から、明るい雰囲気に変わりながら怒る。


 笑みを浮かべる彼女に対して、ルキヤンは曖昧で、適当な言葉を呟く。



「ハハハハ…………ルキヤン、医者は無理でも看護師や薬剤師の道もあるだろう? あと? オリハ、俺が戦場で怪我したら、その時は頼むぜっ!」


「もお、その前に軍人にはならないでね」


 イリネイの笑顔は、オリハにとっては、心強い支えになるだろう。


「戦場に出るなんて、危ないから」


 オリハは、自分の悪夢が現実になる事が心配で、不安が胸と脳裏をよぎる。


「でもな? オリハ、こっちは徴兵制があるし、俺の夢は、軍人であり、戦闘用ボルグ乗りなんだ…………」


「でも、後方勤務にしてよ? 死んだら、そこで終わりなんだから」


 イリネイは軍に入隊することを目指す勇気を持つが、その道は厳しく、過酷な戦いが待っている。


 そんな彼の身を案じて、戦場に出て欲しくないオリハは、少し声を潜めた。



「オリハ、イリネイは強いし、徴兵制があるから、彼は戦いの道から逃げられない? けれど、彼は強いし? 軍人になるのは、ヒーローみたいに人を助ける事に繋がるよ」


「そう、よね? ルキヤンの言う通りだけど? イリネイ、必ず死なないでよっ!」


 ルキヤンは、オリハを心配させまいとして、イリネイなら大丈夫だと、根拠はないが力強く語る。


 その言葉は、少しだけ、戦争を怖がり、彼女が胸に感じる不安を和らげる。



「そうだな? 俺だって、死にたくないし、必死で頑張ってみるっ! 何があっても必ず戻ってくるよ? オリハ、ルキヤン」


「だって、オリハ? 君だって、医療の道を進むだろうけど、職種によっては危険が伴う? できれば、三人とも死なないように努力しよう」


「だわね? 人の心配より、まずは自分の事も考えなきゃならないわ」


 イリネイは、逞しい顔つきで語り、ガッツポーズを取りながら自分の強さを見せつける。


 ルキヤンも、彼の決意に驚いたが、とりあえず、夢を応援する事に決めた。



 オリハは、二人の言葉を聞いて、恐怖感が薄れ、自信を取り戻して、微笑みを浮かべた。


 三人による友情と目標は、夢を追う力となって、これから明るく将来を照らしていくのだった。

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