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アニムスVSボルグ ルシャ・ウクラーダ戦争  作者: ◣₤▧₪▣◢◤◆◥◤₡でぶにゃーちゃん


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イルピン市街戦


 タタタタと自動小銃の発射音が、連続で建物内や、市街地に響き渡る。


 おそらく、AK74やRPKー74等だろうと、ルキヤンとオレーナ達は思う。



「私たちが入っているのは、バレているわっ!」


「だろうな? ルシャ兵士も、潜伏しているはずだ」


 オレーナとルキヤン達は、敵に見つからないように、物音を立てず、静かに階段を移動する。


 こうして、建物を制圧するべく、二人は動いていたが、いきなり機関砲の弾丸が襲ってきた。



「ぐっ! 味方の射撃か? あ、誰か来るぞっ!」


「敵だわっ! 撃ち殺すわよっ!」


「ストーイッ! 貴様ら、動くなっ!」


「降伏しろっ! そうすれば、命は助けてやるっ!」


 ルキヤンは、両手で階段の上方に向かって、激しい銃撃を行い、オレーナも同じく銃を撃ちまくる。


 対する、ルシャ空挺兵たちも、AN94から銃火を放ち、二人を殲滅しようとする。



 しかも、分隊支援火器RPKー74を持った奴も存在するらしく、機銃掃射が上から行われる。


 さらに、カンカンッと金属音を立てて、グレネードが落下してきた。



「伏せろっ! オレーナ!」


「きゃああっ!」


 直後、爆発が起こり、灰煙の中で、ルキヤンとオレーナ達は床に伏せたまま身を守るしかない。



「やったぞっ! RPG部隊を守った!」


「まだ息が、あるかも知れないっ! 注意しろ!」


「な、なんだっ! ぐあわっ!」


 下から投げられた物が、カンカンッと言う、先程と同じような金属音を鳴らす。


 すると、空挺兵たちが逃げる間もなく、それは跳ね返ったまま、空中で炸裂した。



「今だっ! 制圧するぞっ!」


「邪魔よ、死んでっ!」


「ぐわああ!」


「ぐうううう…………」


 ルキヤンは、AK74Uを連射しながら突撃していき、階段を駆け上がると、周囲の敵を攻撃する。


 あちらこちらに、銃口が向けられる度に、悲鳴が聞こえ、防弾ベストが貫かれていく。



 オレーナの射撃も、不意を突いて銃撃しようとする空挺兵を射殺する。


 こうして、瞬く間に階段は制圧されたが、まだ残敵が潜んでいる可能性がある。



「オレーナ、手榴弾を有り難う、今のは助かった」


「礼を言うのは、まだまだ先よ? 行きましょう」


 ルキヤンは、敵の隙を突いて、かなり無茶をしたが、何とか生き残れた。


 それは、オレーナの機転と援護があったためであり、冷静な彼女は頼りになる。



「ルキヤン、第二次世界大戦時じゃないのよ? 無闇に突撃するのは控えて…………」


「わ、分かった」


 オレーナは、志願兵ではなく、正式な軍人であり、戦闘訓練も受けている。


 そのため、FPSゲームしか遊んだ事がない、運転手であるルキヤンより彼女は強い。



「敵を近寄らせるなっ!」


「グレネードランチャーも、この距離じゃ……」


「PKPだっ!」


「撃ちまくれっ!」


 階段から廊下に進もうとして、ルキヤンとオレーナ達は、左右両側の壁に身を隠す。


 そこからは、汎用機関銃PKPを撃ちまくる機関銃手も存在するらしい。



 また、反対側からは味方の歩兵部隊が、AK74を撃ちまくる姿が見える。


 彼等も、壁やドアに身を隠しながら、反撃で飛んでくる銃撃を耐え忍んでいた。



「オレーナ、行くぞ」


「ええ、行くわよ?」


「うわあ――――!」


「後ろからっ!」


「うっ!」


「うごあ、がっ!」


 ルキヤンが、AK74Uを発砲すると、オレーナも背中を狙って、何発か銃弾を放つ。


 今ので、PKP射手は、背後から撃たれた事で、叫びながら力なく倒れた。



 近くで、室内から応戦していた空挺兵も、向きなおった時に弾丸を浴びて、死亡する。


 これにより、両側から挟まれた空挺部隊は、銃火を受けて、残りも殲滅された。



「撃つなっ! 味方だっ! 俺たちは、敵じゃないっ!」


「同じ機動部隊よっ!」


「みんな、銃を下げろっ! 緑色じゃない、マルチカムだっ!」


「見ろ、RGー6だっ! これなら、発射煙を気にしなくていい」


 ルキヤンは、AK74Uを両手に抱えて、味方部隊の前に、ゆっくりと出ていく。


 同じように動き、オレーナも誤射を避けるべく、薄暗い廊下を歩いていく。



 向こう側からは、分隊長らしき人物が、仲間たちに命令を下した声が聞こえた。


 また、その中で、誰か分からないが、敵が使用していた武器を拾って調べたらしい。



「どうやら、敵はグレネードランチャーで、我々の車列を攻撃していたらしい」


「それで、コザックホースを破壊していたのか?」


 一人の兵士が、黒いリボルバー式グレネードランチャー、RGー6を握る。


 隊長も、グレネード用ベストや、同じ武器と装備を有する空挺兵の死体を見ながら呟く。



「隊長、我々はコザックホース2に戻りますが、後は、どうしますか?」


「この後も、機動部隊として、機銃掃射による援護を行う予定ですけれど?」


「済まないが、君たちを指揮できる立場ではないんだ? 取り敢えず、持ち場に戻ってくれないか?」


 ルキヤンは、次の命令が下るであろう事を期待して、隊長に話しかけた。


 オレーナも、銃手として、ルシャ空挺部隊と交戦する積もりでいた。



 しかし、隊長の方は、分隊を率いる権限しかなく、二人に何かをさせる事は出来ない。


 言ったとしても、頼みくらいであり、正式な辞令を下せるワケではない。



「分かりましたっ! 取り敢えず、我々はコザックホースに戻ります」


「ルキヤン、行きましょう」


「ああ、外で再び合流しよう」


 こうして、ルキヤンが階段に向かうと、オレーナも後に続いていく。


 隊長の方も、分隊を率いて、反対側から外に向かって歩いていった。



「さあ、乗るか? オレーナ、乗ったか?」


「ええ、大丈夫よ?」


 ルキヤンとオレーナ達は、コザックホース2を再び走らせて、町の様子を探る。



『付近に展開しているウクライナ部隊に続く、敵部隊は、ホストーメリ空港やブチャ方面から向かってくるっ! しかも、残存する歩兵部隊やボルグ部隊が未だ市街地で、奇襲してくるっ! 各部隊は気をつけろっ!』


 二人が聞いた味方の無線通信からは、こちらが不利な事が伝わってくる。


 しかし、それでも、ルシャ軍を迎え討つべく、彼等はコザックホース2の四輪を走らせた。



「銃撃戦かっ! 近いっ! 撃ち合っているんだなっ!」


「行って、確かめる必要があるわね?」


 ルキヤンは、コザックホース2を騎兵モードにすると、四つ足で動かした。


 その背後にある銃座からは、オレーナが機関砲を、銃撃音がする右側へと向ける。



 森の手前で、ルシャ連邦軍が使う芋虫型・装甲車グニセツィガ80が、何台か見える。


 二人は、射撃している敵を目にすると、直ぐさま車体を走らせ、一気に近づいていく。



 ただし、ジグザグに動き、狙いを定めさせないようにして、彼等は突撃していく。



「こっちに気づいたらしいっ! 不味い、一度建物に隠れるぞっ! 向こうの機関砲は、この距離なら貫通するからなっ!」


「分かっているわっ! どうせ、こっちができるのも、威嚇射撃で、注意を引くくらいだしっ! 問題は無いわっ!」


 コザックホース2を、左側の森林へと避難させながら、ルキヤンは叫ぶ。


 機関砲を機銃掃射させているオレーナも、木々が見えると、引き金から指を離す。



 二人が乗っているのは、軽装甲車であり、本格的な装甲車や砲兵戦闘車ではない。


 ゆえに、味方部隊を支援するには、こうして、敵を撹乱するしかなかった。

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