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最恐教師の最高傑作 ~「ゴミ」と罵倒してくる鬼教師、脳内AIによれば【期待値MAXの英才教育】が本音らしい。スパルタ課題を淡々とこなし学園無双~   作者: 凪白 黎
第5章:終わらない日常と、まぐれの完全否定

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第28話:対等の提案と、重すぎる友情

俺は石段からゆっくりと降り、円陣の中心に立ち尽くすセドリックに向かって声をかけた。


「……あのさ。俺も様付けしてもらうのは違う気がしてたんだよね。クラスメイトなんだし、対等な感じになれると嬉しいかな」


俺は極力自然なトーンを装った。

ただでさえ目立って平穏が脅かされているのに、高位貴族から「様」付けで呼ばれ続けたら、いらぬ反感を買って命がいくつあっても足りない。


あの長兄が残した「対等な友となれ」という言葉は、俺を神格化の玉座から引きずり下ろし、平凡な日常へ戻るための最高の口実だった。


だが、俺の提案を聞いた瞬間。

セドリックの瞳から、みるみるうちに大粒の涙が溢れ出した。


「対、等……?」

「うん。呼び方も、普通でいい」


これで終わりだ。これで目立たなくなる。

俺は内心で、小さくガッツポーズをした。


セドリックは震える唇を噛み締め、両手で顔を覆った。

そして、喉の奥から絞り出すように嗚咽を漏らす。


「極限の死地で、この命を信じて背中を預けてくださった上に……かつて決闘で刃を向けたこの私を、友として認めてくださると、そう仰るのですか……!」


(待て。俺はそんなこと言ってない)


『坊っちゃん、言葉足らずです! お兄様の後にあのセリフはそうとっちゃいますよね♪』

『とはいえ、お友達になれそうで良かったですね♪ めざせ! 学生らしい青春生活♪』


俺の嫌な予感をよそに、セドリックは大きく息を吸い込み、天を仰いだ。


「……リオ」


ただの一言だった。

けれど、その響きには、これまでの人生すべてを懸けたような重苦しい熱がこもっていた。

気のせいか、セドリックの頬がほんのり赤く染まっている気がする。


「リオっ……! リオぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」


(うわっ!?)


次の瞬間、泥と血と涙にまみれたセドリックが、猛烈なスピードで突進してきて俺の胸へ飛び込んできた。


「俺は、一生ついていく! いや、隣を歩く! 友として、命を賭けて、死ぬまでお前の盾となりましょう!!」


(苦しい! 暑苦しい! 子分感が抜けきってない!)


声は出ない。顔は恐怖で凍りついたまま、ぴくりとも動かない。

抗議したくても動けないその姿は、傍目には、友の暑苦しい抱擁を無言で受け止める「器の大きな男」にしか見えていないだろう。


さらに悪いことに、泥と汗が俺の制服にべったりと擦り付けられている。


(やめろ! 頼むから離れてくれ! 洗濯魔法頼むとけっこう高いんだぞ!)


俺の悲痛な心の叫びを完全に無視して、セドリックは号泣しながら俺の肩へ顔を押しつけてくる。


(涙と鼻水のしみ抜き魔法は料金追加……)


「!? セドリック君が、リオ君を呼び捨てに……!」

「記念日……! 早くノートに記録しなきゃ……!」


背後でアリアが感動の涙を流しながら、焦げたノートの切れ端に猛然とペンを走らせていた。

他のFクラスの面々も、「俺たちも一生ついていきます! リオ!」とまだまだ子分感を残しつつ、次々に涙ぐみながら集まってくる。


演習場全体が、感動という名の完全に異常な狂信の渦に包まれてしまった。


違う。そうじゃない。ただ目立ちたくないだけなんだ。

様付けをやめて、ただのモブキャラに戻れると思ったのに……なんでこんな重すぎる友情物語のようになっているんだ。


『親友になれて喜ぶセド君、とっても可愛いですね♪ ほっこり♪』


脳内で能天気に拍手するマリアの横で、俺は完全に遠ざかってしまった平穏な学園生活に、ギリギリと激しく胃を痛めることしかできなかった。

★★★ 全知の聖母あとがきシステム ★★★

坊っちゃんの「平穏な学園生活」のフラグは秒でへし折られました!

思ってたのと違ったけど頑張れ坊っちゃん♪


「やっぱり、セド君らしいオチだった♪」と思った方は、


ページ下部の【ブックマークに追加】と、

その下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】になるようポチッとしていただけると、私もルンルン気分になれます♪


第2部からは【月・水・金 20:20】の週3回でお届けです♪

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