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穴掘りの加護『スコップ』は、思ったよりも無双です?  作者: 満原こもじ


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第28話:称号とは

(<ステータスオープン>、<ステータスオープン>、<ステータスオープン>、<ステータスオープン>、<ステータスオープン>、<ステータスオープン>、<ステータスオープン>……)


 いやあ、村に戻ってきたら精霊獣ソラが大人気。

 見かけ可愛いフクロウだもんな。

 精霊獣の卵を拾ったらすぐ孵って、ぼくを親? として認識みたいだと話したら、皆でいいなあいいなあって言うんだ。

 いいでしょ。


 ……でも<ガイド>アリスによると、精霊獣のパートナーになるのって結構難しいみたい。

 何故なら精霊獣に魔力を分け与えないといけないから。

 魔力の豊富な人ならともかく、ぼくみたいな普通の人だとレベル一〇近くあってやっとこさじゃないかって。

 ぼくはレベル三二だから全然問題ないけど。

 レベルって重要だなあ。


 ともかく精霊獣ソラを連れてきたことで、メチャクチャ注目された。

 ヒトシってヤベえやつなんじゃない? ってなりかけた。

 そこで門番さんに教わったアイデアを披露したの。


『ソラは飛べるから、偵察に使えると思うんですけど』

『おう、魔物の出る森の道あるだろ?』

『む? 今は使われていない旧道だな』

『そうだ。ティレニアまで繋がってるって話じゃねえか。現在使われていないとはいえ、あの道を使ってティレニア軍が攻めてくる可能性をまるで考えないのは油断し過ぎだと思うぜ。ヒトシが精霊獣を使役できるようになったのはツイてる。国境までチェックさせとくべきだぜ』

『ヒトシ君、精霊獣に偵察させることはできるんだな?』

『できます』

『ホーホー!』


 村長とかの村の顔役の人達は門番さんの意見を重視したみたい。

 ぼくから注意が逸れた。

 またソラが任せろって感じで鳴くもんだから、皆がニコニコしてるの。


『ではソラが国境の異変を感じたら、ぼくが知らせに行きます。ぼくが遠出しているとかで報告できない時は、門番さんか村長のところに直接ソラを行かせます』 


 というわけで納得してもらった。

 それでソラにもたくさんスキルを習得させたんだ。

 ソラは魔法力とか保有魔力量に優れているから、魔法系スキルをメインで。

 余ってる回復魔法や治癒魔法はもちろん、特にぼくが使ってなかった攻撃魔法を全部覚えさせた。

 これで活躍してよと思う反面、攻撃魔法を使わなきゃいけない場面なんかあって欲しくないなあとも思うの。

 複雑な悩みだね。

 戦いになるかならないかということは選べないのだから、仕方ないとも言えるけど。


 で、ソラのことは一旦ここまでにしておくね。

 ぼくは今、<ステータスオープン>の熟練度を上げようと特訓しているの。

 何故かって?

 こんなことがあったんだ。


『あれっ? 称号が増えてる』


 ぼくは<魔王の討伐者>と<覚醒者>という称号を持っていて、それは魔王のコアを壊した時に得たものでさ。

 今<ステータスオープン>で自分のステータスを見ていたら、<精霊獣の主>という称号が増えてた。

 多分ソラがパートナーになったから得られた称号だよね?

 じゃあこの前ソラのステータスを確認した時には既に増えてたはずだけど、自分のステータスは気にしてなかったから、見ていなかったよ。

 というかぼく、あんまり<ステータスオープン>を使う機会がないなあ。


 <ガイド>アリスに相談する。


(称号について教えてくれる? 以前聖見官ルルイフ様がイベントや経験を通して得られるボーナス的なものとは言っていたけど)

『稀な経験で得られる二つ名のようなものです。ただの呼び名と異なり、何らかのメリットないしデメリットを伴っているものを指します』

(えっ? デメリットになることもあるの?)


 それは困るなあ。


『デメリットになるような称号を得てしまうのは、味方殺しとかひどい裏切りのような、明らかに悪徳となるような行動を取った時だけです。ヒトシ様には無縁と思われます』

(そう? じゃあ安心だね)

『そもそも称号を得ること自体が稀です。称号について知られていることも多くありません』

(だよね)


 <魔王の討伐者>なんて魔王を倒さないともらえないよね?

 歴史上そんな魔王を倒した人が多いわけでなし。

 知られてないことが多いのもわかる。

 むしろルルイフ様はよく知っててすごいなあと思った。

 けど……。


(ねえ、アリス。ぼくの持ってる称号って、多分メリットがあるんだよね?)

『おそらくそのはずです』

(どんなメリットなんだろう?)


 急に気になっちゃった。

 称号が滅多に得られないものなら、すごいメリットがあったりするんじゃないの?

 そもそも自分の称号について内容を知らないって恥ずかしいような気もするし。


『申し訳ありません。データがありません』

(うんうん、称号って稀なんだもんね。仕方ない。じゃあぼくが自分の称号の効果を知るためにはどうしたらいいかな?)

『たまたま称号についての情報を持つ者や称号を知るための何らかの能力を有する者の知遇を得るか、あるいは詳細を記した書籍と出遭う機会があるのでなければ、<ステータスオープン>の熟練度を上げるのが唯一の方法になります』

(<ステータスオープン>の熟練度を上げる?)


 全然考えたことなかったな。

 言われてみれば<ステータスオープン>だってスキルだから、鍛えることもできるのか。

 そして他の手法は完全に偶然頼みだ。

 じゃあ<ステータスオープン>の熟練度を上げるしかない、ってわけで<ステータスオープン>を使いまくっているんだよ。

 今まで<ステータスオープン>をほとんど使ってなかったのが、完全に裏目に出ちゃった。


『称号の内容を知ることになるまでの熟練度は、さほど必要ないと思われます』

(ほんと? じゃあ頑張ってみるよ)


 ってわけで、一時間近くステータスを開いたり閉じたりを繰り返しているの。

 スキルの熟練度を上げるのって大変なんだな。

 <ステータスオープン>は使っても消費魔力がないから根性さえあればいくらでも繰り返せるんだけど、もう嫌になってきちゃったもん。

 一日二〇回くらいをノルマにして気軽にやろうかなと思った時だった。


(あっ、見える情報量が増えた?)

『<ステータスオープン>の熟練度が上がったものと思われます』


 ふうん、熟練度が上がるってこういうことなんだ。

 確実にメリットがあることだということがわかった。

 普通の人はぼくみたいにたくさんのスキルを持ってるわけじゃないから、きっと自分のスキルを磨き上げてる人が多いんだろうなあ。

 じゃあ同じスキルの使い合いになると勝てない可能性が高いということは覚えておこう。

 ぼくも少しずつ自分の持つアクティブスキルの熟練度を上げることを意識しないと。


『ヒトシ様。持ち称号の効果はどうなっていますか?』

(ええと、<魔王の討伐者>はイベントに遭遇しやすくなる、<覚醒者>は運がよくなる、<精霊獣の主>は保有魔力量が増える、だよ)


 ソラに魔力を融通しているから、<精霊獣の主>の魔力量が増える効果はかなりありがたいな。

 でも<魔王の討伐者>のイベントに遭遇しやすくなる効果って、ひょっとしてすごくない?

 運がよくなる<覚醒者>は単純に嬉しいし。


 アリスが静かに言う。


『イベントに遭遇しやすくなる<魔王の討伐者>の称号を持つ以上、ヒトシ様が運命の脇役であることは考えられません』

(ぼくはどうしても目立っちゃうということだね。【スコップ】の加護を隠し通すことはできない?)

『と考えるのが妥当かと思います。実力を磨くのが急務です』

(わかった。実力実力、と)


 より気合いが入ったというか覚悟が決まったというか。

 今日<ステータスオープン>の熟練度を上げてよかった。

 とにかく頑張ろう。

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にわか冒険者の破天荒な一年間 ~世界の王にあたしはなる!
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