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2、国道で寝てたら人生終わったと思ったら始まった件 〜黒糖飴を奪い返したら大富豪に拾われた〜完璧な世界編  作者: Nao9999


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第40話:執行者

第40話です。


世界が本当に異常を排除したい時、

最後に現れる存在。


“執行者”。


それは、

人間ではなかった。

「……アレが、執行者」


教育係の声が震えている。


初めてだった。


ここまで露骨な恐怖。


「……」


通路の奥。


白い服の影が、

ゆっくり歩いてくる。


音がない。


足音すら。


なのに――


近づいてくるだけで、

空気が重い。


「……マジでヤバそうだな」


小さく笑う。


だが――


笑ってる場合じゃない。


本能が警告していた。


危険。


今までと違う。


完全に。


「……見るな」


“失敗作”の男が低く言う。


「目ぇ合わせんな」


珍しく真剣だった。


「そんなヤバい?」


聞く。


男は即答した。


「死ぬ」


空気が止まる。


「……」


白い影は止まらない。


一定の速度。


無駄がない。


まるで――


“処理”そのもの。


「対象確認」


声。


感情がない。


男でも女でもない。


「特例個体を確認」


その瞬間。


空気がさらに重くなる。


「……認識してんのか」


俺が呟く。


「当然だ」


“失敗作”が答える。


「あいつらは“ズレ”を探すための存在だ」


静かな声。


「感情も、迷いもない」


だから――


「止まらない」


白い影が、

こちらへ視線を向ける。


その瞬間。


背筋が凍った。


「……っ」


呼吸が止まりそうになる。


見られただけで。


「対象を修正します」


静かな声。


機械みたいだった。


「……修正、ね」


少し笑う。


「便利な言葉だな」


だが――


返事はない。


感情がない。


会話じゃない。


ただの確認。


「危険です!」


教育係が叫ぶ。


「下がってください!」


でも――


足は動かなかった。


「……」


白い影。


近づいてくる。


そして――


止まる。


数メートル先。


「対象」


顔は見えない。


なのに。


確実に、

こちらを見ている。


「異常を確認」


静かな声。


「排除を開始します」


その瞬間――


消えた。


「……!」


次の瞬間には、

目の前。


速いとかじゃない。


“存在が飛んだ”。


「っ!」


反射で避ける。


直後。


後ろの壁が消し飛んだ。


爆音。


衝撃。


「……は?」


思わず声が出る。


人間じゃない。


完全に。


「避けた?」


初めて。


白い影が止まる。


わずかに。


「……記録外」


その一言。


「はは」


笑ってしまった。


「お前、喋れんじゃん」


空気が揺れる。


“失敗作”が叫ぶ。


「ふざけんな!」


珍しく焦ってる。


「アイツは会話する相手じゃねぇ!」


「だろうな」


でも――


面白かった。


「対象、危険度上昇」


白い影。


いや――


執行者が、

ゆっくりこちらを見る。


「再評価」


空気が変わる。


重圧。


さらに強い。


「……っ」


教育係が膝をつく。


「うそ……」


呼吸が乱れている。


「……圧か」


見えない何か。


空間そのものが押し潰される感じ。


「対象」


執行者が言う。


「なぜ抵抗する」


質問。


でも――


理解しようとしてるわけじゃない。


確認だ。


「……さぁな」


笑う。


「そっちこそ、なんでそんな必死なん?」


沈黙。


数秒。


「秩序維持」


即答だった。


「世界の安定を優先」


「なるほど」


小さくうなずく。


「じゃあ」


一歩前へ出る。


“失敗作”が目を見開く。


「お前、“生きてる”って分かる?」


その瞬間。


空気が止まった。


教育係も。


“失敗作”も。


執行者すら。


「……質問の意味を確認できません」


やっぱりな。


「だろうな」


笑う。


「お前、完璧すぎる」


だから――


「つまんねぇ」


その瞬間。


空気が凍った。


「……対象」


執行者の声が、

初めてわずかに揺れる。


「危険思想を確認」


「光栄だな」


笑う。


すると――


執行者が、

ゆっくりこちらへ手を向けた。


「強制修正を実行します」


直感。


ヤバい。


今までで一番。


「避けろ!!」


“失敗作”が叫ぶ。


次の瞬間――


世界が白く染まった。

読んでいただきありがとうございます。


第40話では、

ついに“執行者”との初接触が描かれました。


感情も迷いもなく、

ただ世界を修正する存在。


主人公は初めて、

“本物の脅威”と向き合うことになります。


次回、

物語は大きく加速します。


引き続きよろしくお願いします。

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