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2、国道で寝てたら人生終わったと思ったら始まった件 〜黒糖飴を奪い返したら大富豪に拾われた〜第2章  作者: Nao9999


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第34話:壊される未来

第34話です。


“失敗作”。


その言葉は、

主人公の中に深く残っていた。


もし自分も同じなら。


もし最後に、

全部壊されるのだとしたら――。

「……失敗作、ね」


誰もいない部屋。


小さく呟く。


静かだった。


静かすぎる。


「……」


端末は動いている。


数字も流れている。


いつも通り。


なのに――


頭から離れない。


『俺も、昔は期待されてた』


あの男の声。


「……」


椅子にもたれる。


天井を見る。


「……未来の俺、ってか」


笑う。


乾いた笑い。


否定できない。


それが一番厄介だった。


「……入ります」


教育係の声。


ドアが開く。


「……まだいたんすか」


軽く言う。


女性は表情を変えない。


「監視対象ですので」


いつもの返答。


だが――


今日は少し違った。


「……顔色が悪いです」


珍しいな。


そんなこと言うの。


「そう?」


「はい」


即答。


「考えていますね」


鋭い。


「……」


否定しない。


意味がない。


「……あいつのことですか」


核心を突いてくる。


「まあな」


小さくうなずく。


「……」


女性は少しだけ黙って――


言った。


「気にする必要はありません」


即答だった。


「そうか?」


「はい」


迷いがない。


「彼は、あなたではありません」


シンプルだ。


だが――


「同じだったかもしれねぇだろ」


思わず出る。


空気が止まる。


「……」


女性は何も言わない。


だから続ける。


「最初は期待されて」


画面を見る。


流れる数字。


「面白がられて」


静かに言う。


「最後に切られる」


小さく笑う。


「綺麗な流れじゃん」


皮肉だ。


「……」


沈黙。


長い。


「……怖いですか」


女性が聞く。


その問い。


まっすぐだった。


「……」


少し考える。


正直に答えるか。


迷った。


でも――


「少しな」


言った。


空気がわずかに揺れる。


「……意外です」


女性が小さく呟く。


「俺だって人間っすよ」


苦笑する。


「壊されんのは嫌だ」


当然だ。


「……」


女性は、俺を見ている。


真っ直ぐ。


「ですが」


ゆっくり口を開く。


「あなたは、止まりませんよね」


核心。


俺は――


少しだけ笑った。


「だろうな」


即答だった。


「怖くても?」


「関係ない」


立ち上がる。


前を見る。


「ここで止まったら」


静かに言う。


「本当に、あいつと同じになる」


空気が変わる。


「……」


女性は黙る。


だが――


その目は少し変わっていた。


「……理解できません」


ぽつりと呟く。


「だろうな」


笑う。


「俺も分かってない」


本音だ。


「でも」


端末に触れる。


数字が動く。


流れが変わる。


「進むしかねぇ」


それだけだった。


「……」


女性は小さく息を吐く。


「危険です」


いつもの言葉。


「知ってる」


即答。


「壊れますよ」


「かもな」


否定しない。


「それでも?」


「……」


少しだけ間を置く。


そして――


答えた。


「見たいんだよ」


静かな声。


「この世界が、最後どうなるか」


それが本音だった。


金でもない。


権力でもない。


「……」


女性は何も言わない。


ただ、聞いている。


「完璧なまま終わるのか」


画面を見る。


整いすぎた世界。


「それとも」


少しだけ笑う。


「歪みながら、生き残るのか」


沈黙。


長い。


だが――


嫌じゃなかった。


「……あなたは」


女性が小さく呟く。


「本当に異常です」


「褒め言葉?」


「分かりません」


即答だった。


思わず笑う。


「……いいね」


その返し。


少し、人間っぽい。


「……」


女性は少しだけ視線を外す。


「……ですが」


再びこちらを見る。


「もし壊れそうになったら」


言葉を止める。


珍しいな。


迷ってる。


「……止めます」


静かに言った。


空気が止まる。


「……俺を?」


「はい」


迷いなく。


「それが、私の役目です」


仕事。


そう言いたいんだろう。


でも――


少し違う。


「……そっか」


小さく笑う。


悪くない。


「頼むわ」


軽く言う。


女性は何も返さない。


ただ――


少しだけ表情が揺れた。


「……」


再び静寂。


だが――


前とは違う。


怖さは消えていない。


未来も見えない。


それでも――


「行くか」


端末を開く。


動き出す。


まだ終わってない。


むしろ――


ここからだ。


壊される未来があるなら。


その前に――


全部、見届ける。

読んでいただきありがとうございます。


第34話では、主人公が初めて

“自分の終わり方”を意識しました。


期待され、

利用され、

最後に切り捨てられる未来。


それでも主人公は、

止まることを選びません。


次回、新たな異常が発生します。


引き続きよろしくお願いします。

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