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2、国道で寝てたら人生終わったと思ったら始まった件 〜黒糖飴を奪い返したら大富豪に拾われた〜第2章  作者: Nao9999


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第33話:もう一人の異常

第33話です。


主人公は“例外”。


だが――

例外は、一人ではなかった。


新たな存在が、

静かに姿を現す。

「……呼び出し?」


端末を見る。


通知。


差出人不明。


「珍しいですね」


教育係が言う。


「上層経由ではありません」


つまり――


直接。


「……行ってみるか」


少し興味が湧く。


「危険です」


当然の反応。


「だろうな」


軽く笑う。


「でも」


通知を見る。


指定場所。


上層のさらに奥。


「面白そうだ」


歩き出す。


「……」


女性も続く。


静かな通路。


人がいない。


いや――


気配がない。


「……ここか」


止まる。


古い扉。


今までの区域と違う。


無機質じゃない。


どこか――


古い。


「開いています」


女性が言う。


確かに。


少しだけ隙間がある。


「……」


押す。


扉が開く。


中は暗い。


だが――


人影がある。


「ようやく来たか」


声。


若い。


男だ。


「……誰ですか」


教育係が警戒する。


だが――


男は笑った。


「それ、そっくり返すよ」


ゆっくり立ち上がる。


細い。


だが――


目が鋭い。


「……初めまして」


俺を見る。


まっすぐ。


「噂の“異常”さん」


空気が止まる。


「……そっちもな」


すぐ分かった。


こいつ――


同じ側だ。


「いいね」


男が笑う。


「話が早い」


「……誰だ」


聞く。


男は少しだけ考えて――


答えた。


「名前はない」


その瞬間。


空気が変わる。


「……」


教育係がこちらを見る。


俺も笑った。


「マジか」


「そっちもだろ?」


図星だ。


「……なるほど」


完全に理解した。


「お前、“作られた側”か」


男の笑みが深くなる。


「正解」


やっぱりな。


「……何者ですか」


教育係の声。


警戒が強い。


男は視線すら向けず――


言った。


「失敗作」


静かな声。


だが――


重い。


「……」


空気が変わる。


「俺は、昔のお前だよ」


男が俺を見る。


「……は?」


「もっと正確に言うなら」


一歩前に出る。


「お前みたいなのを作ろうとして、失敗した」


完全に止まる。


「……」


教育係の顔色が変わる。


「そんな記録は――」


「消したからな」


男が即答する。


「上は都合悪いもん残さない」


笑っている。


だが――


目は笑ってない。


「……で?」


俺は聞く。


「何の用だ」


核心。


男は少しだけ黙って――


言った。


「忠告」


空気が静まる。


「お前、そのままだと壊される」


シンプルだ。


「……」


否定はしない。


分かってる。


「利用されて終わり」


男が続ける。


「今は面白がられてるだけだ」


その通りだろうな。


「……経験談か」


聞く。


男は笑った。


「そう」


即答。


「俺も、昔は期待されてた」


だが――


「邪魔になった」


短い言葉。


でも、それで十分だった。


「……」


沈黙。


重い。


「だから来た」


男が言う。


「選べ」


視線が刺さる。


「中で変えるか」


一歩前に出る。


「全部壊すか」


空気が張り詰める。


教育係が動く。


「危険です」


当然だ。


「この人物は――」


「黙って」


男が遮る。


そして俺を見る。


「お前はどっちだ」


核心。


俺は――


少しだけ考える。


静かに。


「……まだ分からん」


正直に答える。


男は数秒見つめて――


笑った。


「いい答えだ」


満足そうに。


「迷ってるうちは、まだ戻れる」


その言葉。


意味深だな。


「……お前は戻れなかったのか」


聞く。


男は少しだけ黙って――


答えた。


「戻る場所が消えた」


その瞬間。


空気が凍る。


「……」


教育係ですら言葉を失う。


「ま」


男が軽く笑う。


「せいぜい気をつけろ」


背を向ける。


「待て」


俺が言う。


男は止まる。


「また会えるか」


聞く。


男は振り返らずに答えた。


「お前次第だ」


そのまま歩く。


暗闇へ。


消える。


「……」


静寂。


長い沈黙。


「……危険人物です」


教育係が言う。


当然だ。


「だろうな」


うなずく。


でも――


「面白ぇ」


本音が漏れる。


「……」


女性がこちらを見る。


「似ています」


ぽつりと言う。


「俺と?」


「はい」


即答だった。


「だから危険です」


なるほどな。


「……」


扉の奥を見る。


もう誰もいない。


だが――


確実に残った。


言葉が。


「……失敗作、か」


小さく呟く。


その言葉は――


妙に、頭に残った。

読んでいただきありがとうございます。


第33話では、新たな“異常”が登場しました。


主人公と似た存在。

しかし、違う道を歩んだ者。


彼の存在は、

主人公の未来を示しているのかもしれません。


次回、主人公は初めて

“自分の終わり方”を意識することになります。


引き続きよろしくお願いします。

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