41章「漆黒のRevolution 12」
清水先行のまま峠はストレートに入った。
そして200m程走ると、また入口と同じような黒い穴が現れた。今度は迷わず、中に入る。
抜けた先は、狂いも無い、ホームストレート。サーキットだ。
ここからランサーなら、自由にコース変更をすることも出来るだろう。勝つまで永遠にレースをする事も出来る。
「・・・奴なら、このまま終わらさせそうだな」
僕は二台の様子を見ながら呟いた。
佐藤は未だフロントガラスに釘付けになっている。
「ああ、僕もその理由が分かった」
結果、ストレートで順番が入れ替わる事は無かった。
一夜にして生まれたレースは、清水が勝利を収めた。
インプレッサがポールを超えると、黒いランエボは塵となって消えていく。
・・・・・・
俺は、ただレースがしたかった。いつからだっただろうか。レースがただの優越感を得るだけの物に成り下がったのは。
俺は最初からレースの才能があった。才能があったからレースは向いていると思った。
でも、そうじゃなかった。俺は強過ぎた。
もう誰も俺に勝てなくなり、俺も奴らに負けなくなった。
向かってくる相手を嬲る日々。ただ相手より先にゴールに到着するだけ。
それだけの作業だった。
俺がしたかったのはこんなレースじゃなく。
もっと、魂が揺さぶられる物だった筈だ。
・・・・・・
「だから、言わせてくれ。俺に勝ってくれて、ありがとう、とな」
瞬間、背後からその様な声が聞こえた。
結界が崩壊してゆく。
・・・・・・
気が付けば、僕達は元の場所に戻っていた。いつもの五香峠だ。
ぼんやりしていた僕達に、清水は話しかけた。
「・・・アイツは、楽しく、レースがしたかっただけだったんだな」
峠の化け物、黒いランエボ。その心が今は分かる。
遠くから従兄弟の呼ぶ声が聞こえた。
やべ、凄く長くなった。
次は新キャラ出ます。




