40章「漆黒のRevolution 11」
「奴の能力か?!目を瞑る間に・・・」
この場所はランサーの妖怪結界だ。従ってコース等の設定も彼が自由に出来る。
だがコースの変更は視野に入れていなかった。安定していた高速セッティングが途端に扱いづらくなる。
前を見ると、やはり清水も手こずっている様だった。ブレーキングが覚束無い。
今思うと、ランサーの危なかっしい運転は、サーキット、峠、何方にも対応出来る様最適化されたセッティング故かもしれない。
そう思っている内に、ランサーのホームコース、峠でどんどん清水との差をつけていく。
「・・・不味いぞ」
このままでは清水は何も出来ないまま負けてしまう。
・・・・・・
「悪く思うなよ・・・。ここは俺のホームコースなんだ。いくらズルをしてでも、お前との勝負には勝ってみせるぜ。・・・俺はシュソウとの関係があるんだ」
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5回目のコーナーだ。峠なので、アップダウン、コーナーも多い過酷なコースだ。
GTRの横幅にはまるで合っておらず、コーナリングには余裕が無い。
バトルについて行くので精一杯だ。
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「・・・確かに、これは強いな。流石、ランエボ。・・・だがな、お前はいつも走っているコースが故に、癖がついているんだ。右コーナーで、お前は若干脱出のアウトに入るタイミングが遅い。・・・それなら、俺はその弱点を突き、勝つ。・・・詰み(チェックメイト)だ。ランサー」
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コースも終盤といった所だろう。最後に待ち受けるのは右のヘアピン。
そのヘアピンが見えた時、途端にインプレッサが加速し始めた。EJエンジンが唸る。まるで闘牛の様だ。
「何だ!?何をするつもりだ!清水!!」
佐藤は加速に驚き、フロントガラスにへばりついた。
僕は前に一点注目した。
両車、ブレーキランプが光った。どちらも同じタイミングだ。インにいたインプレッサは大きくアウトに向かう。
そして前輪が右に動いた。
スキール音を奏でながら、両車は限界ギリギリの接近走行を始める。
どちらもコンマ0.1秒も狂わず、イン側にへばりついた。清水は勢いでランエボのリアに張り付いた。
ヘアピンを抜け、両車が見えた。丁度コーナーから脱出する所だ。
また、アウト側にぴったり移動すれば、泥沼になり、清水の勝利は遠のいてしまう。
しかし、その時。
赤いインプレッサは、黒いランエボより早く、1秒程。
アウト側についたのだった。
清水は立ち回りを活かした。
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「・・・俺の癖を突きやがった!クソッタレ!!」
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「・・・お前の弱点、立ち回りがお前は弱い。取らせてもらったぜ、アウトを」




