39章「漆黒のRevolution 10」
ランエボとインプレッサは加速ではほぼ離れることは無い。
ただコーナリングではランエボに分がある。AYCによる制御で華麗なコーナリングをランエボは見せる。
一方インプレッサは可変バルブタイミング機構、AVCSによる吸気でパワーがある。
どちらも全盛期はライバル同士で争われたクルマだ。どちらにも勝機はある。
あとは、ランサーと清水。どちらかの腕が上か、それにかかる。
「・・・コタロー。いくらアイツが強かったって、きっと清水の方が上だよな」
「・・・ああ」
慣れない運転に戸惑いながら僕はそう答えた。
ポジショニングは、清水の方が上手く見える。元々ランサーは峠しか走っていないので、サーキットでのレースは苦手なのかもしれない。それなら清水はポジショニングで勝負をするしかない。
またランサーの運転が少し不安定に見える。何となく、苦戦している様だ。では何故サーキットを選んだのか・・・。
既に4コーナーを通過した。依然差は開かない。
どちらも抜き抜かされ、揺るがない。
そしてコーナーの曲がるスピードで優位に立ち、ランエボが先頭になった時。
突然、前に黒い穴のような物が現れた。
二台は戸惑う様子もなく平然と前の穴に入っていく。
「何だ!?」
思わずハンドルをきつく握った。原則する間もなく、僕のGTRも穴の中に入っていく。
思わず目を伏せた。だがそんな余裕など無かった様で。
「馬鹿!コタロー!ブレーキ!!」
佐藤の怒鳴り声にハッと慌てて全力で左脚に力を入れた。
今まで調子良く唸っていたGTRはブレーキされるのと合わせてグゥンと鳴った。
そして速度が落ち、前を凝視した。
さっきまで昼のサーキットだったのが、いつの間にか、夜の峠に変わっていたのだった。




