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怨霊の化R  作者: 新山翔太
38/48

38章「漆黒のRevolution 9」

赤と黒。二つの車が並べられ、レースの準備が始められた。

二人ともエンジンの回転数を見たり、ポジションを確認していたりする。

その中、僕の心中には愚とも言える考えがあった。

「・・・」

車を出現させるには、強くその車をイメージする必要がある。

僕は青色のGTR35を思い浮かべた。

昔、清水とレースゲームをした時に選んだ車。

懐かしい。

そしてGTRの構図を全てイメージし終わった時。

目を開けると、目の前にイメージした通りのGTRか現れていた。

「コタロー!これは・・・」

砂糖は驚きを顔に浮かべていた。

そして僕は佐藤に言った。

「二人が戦ってるのを見ずに、ただここで待つだけなんて出来ないだろ?だからせめて追いかけてレースを見てやるんだ。最悪事故を起こしても助ける事が出来る」

清水はこれから命を賭けるような戦いをするのだ。だからこそ、仲間として見届ける必要がある。

「なあ!良いだろ!」

僕はランサーに向かって叫んだ。

奴は何も言ってこない。

応答を確認し、僕はGTRに乗り込もうとした。

その時、佐藤が背伸びして、僕の肩を掴み言った。

「コタロー。仲間の戦いを見届けるのは良いと思う。俺も同行しよう。ただな、コタロー。決して無茶はするなよ。お前まで消えたら、清水が勝っても意味が無いからな」

真剣でもあり、焦りでもあるような目を向けていた。

「・・・勿論。さあ、乗ろう」

右の方に回り込み、僕は運転席に乗った。佐藤も左から慣れない手つきで助手席に乗った。

僕はシートポジションを合わせ、ハンドルを握った。

佐藤もシートベルトを固く付けた。

二人も準備が終わったようで、インプレッサのEJ20、ランサーエボリューション4の4G63の快音が前から響いた。

同時に僕も鍵を捻り、エンジンを始動させる。

車の外から、動画で何度も聞いた本物のVR38DETTが唸っているのが分かる。

佐藤はその迫力に驚いている様だった。ゴールまで持つといいが。

少し息を整えた後に前を見ると、エボ4の運転席から手が出ている。

そしてその手にはエナジードリンクの空き缶が握られている。

「・・・何だ?」

佐藤の質問に答えるつもりだったが、集中していたので答えられなかった。

きっと落ちた時にスタートするつもりだろう。

空き缶が投げられる。

その時の時間はまるで地球に衝突する隕石を見届ける様でもあり、また憂鬱な時間に蛇口から滴り落ちる水滴を眺めている様でもあった。

そして小さくカランと全てを始める音がした。

その瞬間、一斉に三機のエンジンと3人の人間と一人の妖怪が決着をつけに走り出した。

レースは始められた。

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