番外編「香田化郎の弱小人生」
何故。
何故。
僕は死んだのだろうか。今も思う。
何故だ。
僕は、望んでいた筈なのに。
何故だ。
死にたかったのだろう?
終わらせたかったのだろう?
解放されたかったのだろう?
僕は、弱い。
現実を変えられない。弱い男だ。
・・・・・・
高校生の時、僕は楯突いてしまった。
人生史上最大の悪手だった。
奴の虐めが許せなかった。
「・・・辞めろよ!!」
「あ?」
冷たい哀れみの視線が僕を突き刺す。
いじめられっ子は僕の友達だった。
彼の見下すような視線が耐えられなくて。
彼の傷ついた顔はもう見たくなかった。僕はいつも保身の為にしか行動出来ない。
いじめっ子は教師の前では優等生を演じていた。そして力があった。誰も何も出来なかった。
その日から僕の精神は死んだ。
朝来てみると、僕の席に中に1輪の花がある花瓶が置いてあった。
周りの人がクスクス笑っている。
嘲笑う。見つめて。ただ。
僕は精神が崩壊する前に、友達に相談する事にした。
だが。
「はあ?知らねーよ。そんな事。お前が勝手にやったんだろ?自分の事くらい自分で何とかしろよ」
彼は今思えば相当な屑だったかもしれない。
虐めはエスカレートしていった。
靴を隠された。
上靴に画鋲を詰められた。
抑えられ、爬虫類の死体を食べさせられた。ジャリジャリとして、無味だった。不快だった。
そのまま。僕の人生は進んでいく。終末へ向かって。
誰も助けてくれない。
終わらせよう。こんな人生は。
テレビで、自殺する人が増えている、とニュースでやっていた。今なら、解る気がする。
死ぬ人の気持ちが。僕は生きる屍になった。
屋上に立つと、冷たい風が頬を撫でた。
さっさと死ねと聴こえる気がした。
飛ぼうとすると、前に友達だった屑が来た。
「辞めてくれ。そんな事は!生きてれば良いことがある!」
振り返り、僕は言った。
「・・・君が助けてくれれば、そうだったかもしれないね。でも君は助けてくれなかった。・・・君以外の誰でも良かった。僕を、救い上げてくれれば良かったのに」
前を見た。天国が見える。
「誰でも良い。僕を助けて」
弱い僕は消えた。
遅れてすみません




