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がらんとした空間。本当に図書室には誰一人いなかった。

戸惑った表情の林。図書室の椅子に向かい合わせで座る。

「えーと、いきなりでごめんね」

そういうと軽く笑った。

「で、何の話?」

真面目な表情になり、話を振ってきた。

「夕方、生徒玄関で林さんが泣くって聞いて、それは何でか原因を突き止めて欲しいって言われた」

「・・・誰から?」

「三崎祥平」

表情がこわばった。

「祥平に言ったの?その答えを」

祥平、そう呼ぶ声から親しさが窺える。

「言ってない」

ほっとした表情になる。明らかに安堵したようだった。

「ごめん、ぶっちゃけこれを聞くのはただの興味からなんだけど、」

不思議そうに見つめてくる。

「―――なんで好きだって言わない?」

玄関から見つめる先には三崎とその彼女が写っていたはずだ。仲睦まじい二人を見て泣いていた。

しばらく沈黙が降りた。

「祥平に、私は一番の親友だから、ってよく言われたの」

そう笑った。

「馬鹿かもしれないけど・・・その関係を壊したくなかったの

ただ、臆病なだけかもしれない。でも言うつもりはないわ」

凛とした表情でそう言い切った。

「そっか」

「話はおしまい?」

「うん、悪いね、いきなりで」

「じゃあね、なっちゃん」

「・・・その呼び方、やめてくれないかなー」

くすりと笑った。

「そう呼ぶの祥平だけだもんね。他の子には呼ばせないのに祥平は別なんだ?」

「いや、三崎にも許可した覚えはない。ただ、面白がって呼んでるだけだよ」

ちょっとふてくされたように言うと、こらえきれなかったようであははっとおかしそうに笑った。

気の強そうに見えるが、笑った顔は優しい。

ああ、そんな笑顔に憧れていたのに、失恋するとはね。


ガタン、椅子から立ち上がり、

「じゃあね、藤崎(ふじさき)夏樹(なつき)くん」

そういって彼女は颯爽と出て行った。


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