5(完結)
ただの興味で聞いたなんて嘘だ。林が好きなのは三崎だっていうのは分かっていた。高校一年の時は、よくクラスに来て、三崎と喋っていた。そのときの表情を見てれば分かる。そんなことにも気づかず、彼女と付き合い始めた三崎は気に食わないと思ったし、それを林が泣いていた原因だって分からない鈍感さにもいらいらした。2年生になって林と同じクラスになれてよかったと思ったのにこんな形で失恋するとは。
「ふう・・・」
「どうした、ため息ついて」
「別に?」
またまた、翌日、相変わらず弁当を持って三崎はクラスに来ていた。ごはんを掻き込みながら、
「好きな奴でもできたのか?」
この前、したような質問を返された。
「いたけど、振られた」
ゴホッゴホッ、蒸せる三崎。
「は、まじで?告ったの?」
「いや、言ってない」
「え、じゃあなんで振られたの?」
「一途な子だったから!」
「な、なんで俺を睨むんだよ」
「気に食わないから」
なっちゃん今日機嫌悪いなー、そう呟く。
「でも、ほんとは優しいよね」
にこにこと言われ、恥ずかしくなり、赤面する。
こっちが恥ずかしくなるようなことをさらっという天然さ、そして鈍感さ、イライラしたり、気に食わないとも思ったりもするが――――――なんだかんだで仲はいいというか、許してしまう。
のんきに弁当を食べている三崎を一瞥する。
林琴未は多分、こいつをずっと思い続けるだろう。他の男なんて眼中にない。それが分かったから、俺は身を引くしかない。
だか、三崎には彼女ができた。そのことがどう転がるだろうか。林琴未の一方通行の想いで終わるか、それとも―――――
「・・・ていうか、彼女いるんだから、彼女と食べろよ。」
もっともなことを今更つっこむと赤面して、ごにょごにょと下を向いてなにか言っていたが聞こえなかった。
恋愛して、失恋して、友人と他愛もない話をする。そんな平穏な日々。
そしてきっと青春と呼ばれるのだろう―――日々が過ぎ去っていく。
ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。




