報われぬ過去 その6
ショットガンナー。武術と魔法に長けた男は、まだ背中のショットガンを抜いていなかった。レオ・バレッタは吹き飛ばされ、チャンクは彼の能力を分析していた。
さっきの合体攻撃は良かった。もう少しタイミングが合えばリンクアップも可能かも知れない。レオ・バレッタ。なんて新人だ。こんな危機的な状況で対応しようとしている。奴の精神力は敵に回したくは無いな。
[チャンクさん。もう一度お願いします!あの合体攻撃を!][オオ。レオ!位置に着け!俺の対角線に立て!]
レオとチャンクはショットガンナーの周りを走った。二人で呼吸を揃える様に。
[懲りない連中だ。まだわからんのか?お前らに勝ち目は無いのだよ。先ほどの構えと違うのがわからんのかね?不動の構えから仁王の構えに変わっているのだよ。素早さが上がっているのだよ]
[やってみないとわからないんだ。進んだ先に何があるのか?たとえ土の神の力を持つ貴方にも生命の可能性までは越えられない。そうですよねチャンクさん][よくぞ言った。レオ。ショットガンナー。言わなかったか?俺も土の神の力を持っていると。リンクアップ。それさえ成功すれば対等。いや、可能性で言えば上だ!]
二人はショットガンナーを挟んで対角線に着いた。
[行くぞ!レオ!飛べ!]
レオは空高く飛んだ。
[ヨシ。さっきよりタイミングが合ってきている。レオ!まだクロスはしない!もう一度だ!][ハイ!お願いします]
レオはチャンクのいた位置に着いた。
[もう少し助走を付けよう。タイミングが合うまで]
コヤツラ、最初よりタイミングが揃ってきている。なんて対応力だ。これが奴の言っていた生命の可能性なのか?マリア。お前はなんて奴を継承したんだ?
二人のシンクロにショットガンナーも気がついていた。なんとか二人を分断しなくては脅威になると。
[チャンクさん!行けます!]その時、レオの目の前にショットガンナーが飛んできた。
[次は跳ばされ無い!今打ち負けたら終わりなんだ!]
シュッシュッ…………
[見える!さっきと違って全ての打撃が見える]
サッサッサッ…………
全ての攻撃をかわすレオ。レオの体は分身し、ショットガンナーの拳を受け止める。両手をクロスしそのまま投げる。
ズガーン!
地面に顔をめり込ませ逆立ちするショットガンナー。
[レオ?今のは?][わからない。でもさっきと違って全部見えてたんです。パンチ、パンチ、キックのコンビネーションが][…………時は来た。レオ。今のお前なら俺とリンクできる。大丈夫だ。相棒。俺を信じろ。信じる力が新たな力を産む][チャンクさん。賭けましょう。僕達のリンクに。最初の攻撃で悟りました。僕一人では無理だと。あの時見た、虹色の騎士ならできる。マリアさんとチャンクさんがリンクした姿なら。それが僕なら、やりましょう]
地面にめり込み、固定されたショットガンナーの周りを二人は走った。
[ラストチャンスだ。レオ。この好機を逃してはもうチャンスは無い。集中しろ。今は俺と合わせる事に]
チャンクの鼓動がレオに入って来る。その鼓動にレオも呼吸を合わせる。
[今だ!捕らえた!お前の鼓動。飛べレオ!新たな力に飛べ!]
レオは二丁拳銃を腰に納め。チャンクの対角線に立つ。屈伸を使い、渾身の力で大地を蹴りあげる。
[ベストだ!タイミング、呼吸、高さ。これならいける]
チャンクはレオとクロスする
レオとチャンクは黄金の光に包まれる。レオの眼前にダイヤモンドが輝く。
[レオ・バレッタ。よくぞ目覚めた。土の神のライドーの力に。さあ、欲しい物を願いそのダイヤモンドを手に取るのだ][………綺麗だ。これがチャンクさんのリンクアップの世界。僕は…………僕達は勝たなきゃいけないんだ。ここにいる人々の為にも、そしてマリアさんの為にも。この大地を守りたいんだ。だから…………だから盗賊なんて許さないんだ。このリンクアップは人々の為に使う。だから頼む。僕と融合してください。チャンクさん][わかった。お前の願いは叶える。さあ、ダイヤモンドを手に取るのだ]
レオ・バレッタは手を伸ばした。もう少しで手が届きそうだった。
[あとちょっと。あとほんの少し]
[レオ君。後は頼んだわよ。アタイの分まで生きてくれ。頼んだよ]
気がつくとレオの後ろをマリアが支えていた。
[………マリアさん…………わかりました。ウオッー!届け!俺達の願いをー!]
キーンキーンキーン…………気がつくとレオはダイヤモンドを手にしていた。空にダイヤモンドをかざし、叫ぶ。[レオ・バレッタ!リンクアップ!]
カーン!…………眩い光の中、新たな戦士が降臨する。金色の光は虹色になり人の形に収まる。レオ・バレッタに鎧がまとわりつく。青白い炎を纏い、マリアの想いと世界の希望を乗せて覚醒する。
[オッ………お前は?]顔に付いた砂を払いながらショットガンナーが立ち上がる。
虹色の光の中から一人の男が歩いて来る。
続く




