報われぬ過去 その7
虹色の光の中、彼は歩いて来た。青白き鎧を纏い、肩には二基のロケットランチャー、腰に二丁拳銃。
[ナッ………何者だ貴様!][レオ・バレッタ。以前の俺だと思ったら火傷するぜ、ショットガンナー][バッ…………バカな。リンクアップしたと言うのか?][そう。マリアの想いが、俺の想いが、新たな戦士を覚醒させた][クックックッ………想いなど何になる?目障りな障害物にすがる弱き者よ。知っているか?虫は障害物に左右されない。それは彼らに本能があるからだ!虫以下の愚か者よ!][その台詞、そっくりお前に返そう。利子は高くつくぞショットガンナー][キサマー!]ショットガンナーが飛び込んで来る。レオを掴み、殴りつける。
シュッシュッ
かわすレオ。隙を見て、腕を取り、膝を当てる。
[ウグアーッ………キサマー!]
腕を押さえうずくまるショットガンナー。
[まだわからんのか?俺にはお前の打撃が見切れた][クックックッ…………楽しいねー。アア楽しいよ。このツケは高いよ。レオ君]
ショットガンナーは緑色の炎を纏った。
[レオ。聞こえるか?あれは魔法だ。彼は魔法を纏った。勝負はこれからだ]チャンクはレオの精神に呼びかけた。[わかってます。チャンクさん。まだマリアさんの仇は取ってませんから][レオ。俺がお前の精神に潜れるのは三分。それ以内にけりをつけろ。わかったか?][わかりました。先に仕掛けます]レオはショットガンナーに向かって走った。
体が重い。体力の消耗が激しい。まるで鎖で繋がれたみたいだ。
[クラエーイ!レイジングウッド!]ショットガンナーは周りに木のバリアを張った。
[こい!フライトモード!]レオは空高く舞い上がり、上空からショットを狙う。[行くぜ!ロケットランチャー!]
バッシュッ、バッシュッ
肩のロケットランチャーが火を吹く。
ズガガガーン
ショットが召喚した木は瞬く間に枯れ果てる。
[今だ!]クルクルッと二丁拳銃を回し、トリガーを引く。
バーン!バーン!
銃弾はショットに向かう。煙に巻かれ、ショットガンナーが膝を突く。
[クックックッ………初めてだよ。俺に膝を尽かせた男は。しゃーねー。俺も抜くか。アア、抜くな。背中のショットガンを。マリアを殺めたこのショットガンを]ショットガンナーは背中のショットガンを逆手に取った。
[さてと、本気といきますよ。レオ君]ショットガンナーは銃口を掲げ、トリガーを引く。
ズドーン!
森の中に銃声がこだまし、野鳥が飛び交う。銃弾は、木の枝の様に三つに割れ、レオに襲いかかる。
ヒュンヒュン。レオは銃弾をかわし、再び二丁拳銃を構える。ショットガンナーの撃った銃弾は軌道を替え、再びレオを狙う。[ナニ?ホーミングされてる。これが奴の力。攻撃の銃と格闘。それに防御の魔法。攻防一体のショットガンナー][見とれてる場合か?レオ。俺のロケットランチャーで撃ち落とせ]ロケットランチャーが火を吹く。1つ残さず撃ち落とす。
バーン!バーン!チャンクが銃弾を撃ち落とし、レオがショットガンナーを狙う。[チッ!魔法が間に合わん!]
ズガガガーン!再び煙に包まれたショットガンナーはショットガンを投げ飛ばされ、再び膝を突く。[今だ!あの武器を!]レオは地平線を滑り、投げ飛ばされたショットガンを蹴りあげる。
クルクルッと宙を舞い、二丁拳銃を一本腰に納め、空中でショットガンを捉えるレオ。
キーン!キーン!キーン!
ショットガンが輝きレオの精神に話しかける。
[レオ・バレッタ。チャンク。聞こえるか?我は土の神の力。これより君達に加勢させて頂く。2つに別れた道が繋がるのだ。太古の騎士がそうだった様に。今、時代の壁が開いたのだ。我は待っていた。お前たちの覚醒を。さあ、扉を開けよ。太古の時代から繋がる新たな時代の扉を。君達が継承するのだ]
武器の輝きと共に、その声は消える。
[レオ。もしかしたら………もしかしたらだが、これが完全なリンクアップだ。俺達の力。継承の力。受け継ぐ力][………チャンクさん。なんとなくわかります。受け入れる力。マリアさんの死も、この大地も、人々も。やっとわかりました。僕がなぜここにいるのか][時間が無い。早い所、トドメを刺そう。さもないと奴に利用されるぞ][ハイ!受けてみろ!これがお前の愚弄した力だ!………ファイナル ブラストー!]
ロケットランチャー、二丁拳銃、ショットガン。全ての銃弾が1つになり、炎の狼の様な残像を残しショットガンナーにトドメを刺す。
[バッ………バカな!私が…………この私が!土の神の力を持つこの私がー…………ウグアーッ]
シューッ。レオ・バレッタはリンクアップの時間が過ぎ、虹色の光に包まれ、光は2つに割れ、一方は金色に光り、金色の中からチャンクが現れる。[どうだ?殺ったか?]
攻撃の衝撃でクレーターになった中心にショットガンナーは倒れていた。ピクリとも動かない。[やりましたね。先輩][バカ野郎。先輩は無いだろ。相棒に。アア………邪魔したな。お前の精神の中。居心地が良かったぞ][ヘヘヘ………ありがとうございます。チャンクさん。それに…………マリアさん]レオは手にしたショットガンを見た。[そうだなー。マリアの墓標にしよう。そのショットガンは。二度と失わないと誓ってな][エエ。良いですね。それ]
ガクッと力が抜け、フラフラッと落ちるレオ。
[危ない!レオ。大丈夫か?][ヘヘヘ………もう無理だ。歩けない][ッタク、無茶しやがって]
二人は大の字になって眠り込んだ。気がつくとレオの首にはダイヤモンドが輝いていた。
[良いですね。ボス。逞しい保安官がいて。安心しましたわ][情報屋。詳しいデーターは取れたかな?][エエ。結局、彼等には頭が上がらないと。当分、ツケは結構ですわ][ハッハッハッハッ………また世話になるよ。お互いに休ませてくれそうもありませんな。さてと、荷馬車を一台頼むとするかね]ボスと情報屋は現場を後にした。
次の日の話だった。ボスの部屋に二人が入って来る。[ボス!なんですか?荷馬車代って?][ン?タダで送る訳無いだろう?さあ、働け。警備かなんかあるだろ?やる事が?アア、昨日の報告書は…………良いや。俺がやっとく][また、報告書代とか?]ボスは頷いた。[嫌ですよ!今日は寄りたい所あるんですから。仕事は明日にして下さい。ネー、チャンクさん][そうだな][ジャー、ボス。有休って事で。失礼します]二人は酒を買い込み、マリアの墓標を訪ねた。木の木陰でボスが煙草に火を付けた。
これがレオ・バレッタの過去だった。
報われぬ過去 完結
次回、届かぬ想い




