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絡む
女は戦うのをやめた。
正確には。
勝とうとするのをやめた。
美しい女の巣を壊そうとすれば。
自分の糸も切れる。
だから。
女は自分から。
その巣の中へ入った。
美しい女から紹介された人に会う。
誘われた席へ行く。
頼まれれば手伝う。
聞かれれば答える。
隠さない。
逃げない。
美しい女は喜んだ。
少なくとも。
そう見えた。
「最近、よく会いますね」
「そうですね」
「先生より会ってるかも」
女は笑った。
「そうかもしれませんね」
その頃から。
妙なことが増えた。
誰かから連絡が来る。
「彼女に聞いて連絡しました」
別の人からも。
「あなたなら分かるって言われて」
また別の人。
女は答えた。
頼まれたことをした。
約束を守った。
分からないことは分からないと言った。
できないことは断った。
それだけ。
少しずつ。
連絡の最初から。
美しい女の名前が消え始めた。
「彼女に聞いて」
が。
「前に相談した件ですが」
へ変わった。
紹介された人が直接、女へ連絡してくる。
その人が。
別の人を連れてくる。
女は何もしなかった。
ただ。
そこにいた。




