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空いた場所
しばらくして。
美しい女を見かけることが減った。
誰かに嫌われたわけではない。
追い出されたわけでもない。
消えたわけでもない。
ただ。
彼女を通らなければ届かなかった場所が。
彼女を通らなくても届くようになった。
それだけだった。
糸は残っている。
けれど。
巣の形は変わった。
夜。
久しぶりに配信を開いた。
聞き慣れた声。
「いや、それはちゃうやろ」
笑い声。
流れるコメント。
何も変わっていない。
配信者は知らない。
自分のすぐ近くに。
二匹の蜘蛛がいたことを。
そのうち一匹が。
もう以前と同じ場所にはいないことを。
少しして。
メッセージが届いた。
配信者からだった。
『最近、顔見てないですね』
女は画面を見た。
別の通知が。
その上に重なった。
仕事で知り合った人から。
その人の先に。
また別の人がいる。
女は先に。
そちらを開いた。




