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月面競争  作者:
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その六

 これ以降、米ソの月面における戦いは、この路線で行われていくことになる。


 自国の文化で「月面初」を達成しても、相手に精神的ダメージを与えることはできない。やるなら、相手の文化で「月面初」だ。


 こうして米ソは月に向かって、ロケットをどんどん打ち上げていく。


 月面では、米国が『レーニン像』をつくり、ソ連が『自由の女神』をつくる、そんな時代が到来した。


 この状況に対して、南米の歴史教師が次のように発言している。


「私は今の時代に生まれたことを、神に感謝したい。将来の子どもたちは大変だ。地球の歴史と月面の歴史、両方とも勉強するのだから、混乱するに違いない」


 米ソの間で過熱する月面競争。


 そして一年後、ようやく両国は気づいた。


 この方法は効率が悪すぎる。ロケットで運べる重量には制限があるのに、「建築資材関連」の占める割合が大きすぎるのだ。


 そこで急遽きゅうきょ、米ソは秘密会談をすることに決める。


 開催場所に選ばれたのは、日本だ。京都の料亭。


 会談当日、同じ料亭の別室では、日本の総理大臣が緊張していた。米ソの会談に序盤から同席することはできないが、双方からの強い要請により、この場に待機している。


 しばらくして、米ソが会談している部屋に招かれた。


 その場で秘密会談の内容を打ち明けられる。


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