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月面競争  作者:
3/15

その三

 アメリカ国民が息をのむ中、いきなり映像が途切とぎれて、ソ連の国家元首が登場する。


「本日、我が祖国は月面着陸を達成した。そして、月面最初の『ベースボールスタジアム』を建設した」


 ベースボールスタジアムといっても、先ほど映っていたのは、月面に一塁、二塁、三塁、本塁のベースだけを置いた、貧相なものだ。


 が、それでも「月面初」には変わりない。


 この事実に、アメリカ国民はショックを受ける。


 ベースボールと言えば、アメリカを象徴するスポーツの一つだ。


 だからこそ、月面初の『ベースボールスタジアム』は、アメリカの手によるもの。そうであるべきなのに、ソ連に先を越されてしまうなんて・・・・・・。


 さらに別の映像が差し込まれる。


 今度は『ハンバーガーショップ』だ。月面に貧相な店が建っていて、その看板には『ハンバーガーショップ』とある。


 再び映像が途切れて、ソ連の国家元首が現れた。


「ついでに、月面最初の『ハンバーガーショップ』もつくってみたよ。オープンして三〇分で閉店したがね。どうやら、ハンバーガーはあまり人気がないらしい」


 満面の笑みでかたると、すぐ近くに置いてあった小瓶こびんの中身をグラスにそそいで、


「それでは、ウオッカで乾杯♪」


 美味しそうに飲みした。


 衝撃的なニュースに、アメリカ国民はなげき悲しんだ。ベースボールに続き、ハンバーガーまでも・・・・・・。


 しかし、すぐに怒りへと変わる。


 こうなったら、もう一度月面着陸を実行するのだ!


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