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月面競争  作者:
2/15

その二

 そして一九六九年。


 ついに米国が成しげる。月への有人宇宙飛行だ。かぐや姫も驚きの大偉業である。


 今度はソ連が衝撃を受けた。


 ソ連の共産党幹部が同志諸君に訴える。


「月に人類が住むのも、遠い日のことではないだろう。ただし、それは我々ではない。アメリカ人だ。このままで、いいのかね?」


 先を越されはしたものの、こちらも月への有人宇宙飛行を実行すべきだ。


 なんたって、月は地球唯一の衛星えいせい。そこに米軍基地をつくられるようなことがあれば、祖国ソ連の宇宙開発において、致命傷ちめいしょうになりかねない。


 そうした宇宙における不利は、冷戦の行方ゆくえにも、大きな影響をおよぼすだろう。米国側に寝返る国が、次々と出てくるかもしれない。


「この世界は、ソ連思いの優しい国ばかりではないのだ」


 米国のちらつかせる不純なお金に目がくらむ、そんな国の方が圧倒的に多いはず。人類はまだ発展途上だ。


「しかし、逆に考えよう。もしも、ソ連軍の基地を月面につくることができれば・・・・・・」


 そのためには何が何でも、月面着陸を実行する必要があった。


 それで翌年、ソ連も成し遂げる。月への有人宇宙飛行だ。


 ただし、これは世界初というわけではない。二番手だ。米国の世論に与える衝撃は、あまり期待できない。


 だが、ソ連側は秘策を用意していた。


 月面からの映像を、世界中に発信する。


 そこに映っていたものに、米国中が震撼しんかんした。あれは、まさか・・・・・・。


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