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海老フライの尻尾物語  作者: 紙彌成
冴えない尻尾
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海老フライの尻尾の戦い

私こと千島甲太は、今日を持って起業することになった。尻尾まで綺麗に仕上がって、ふらいと、して初仕事を迎えた。ロブスターに頼んだおかけで、うまくことが運びそうだ。これで取引先のコース料理の一員になれるかもしれない。なんて、うかれていたらパセリが向こうでは、すごく需要があるようだ。私を重箱の隅に追いやって、早くも地位を固めている。

彼の意外な一面を垣間見てしまったが、パセリは、俺と一緒に起業してくれた弁当仲間だから、良しとしよう。


仕事も順調な中、味見も終わり、いつもの弁当に戻ったところ、大きなアクシデントが起こった。

「こんな安物が食えるか。」

心無い声で私を、ののしったのは、いつも贔屓にしてくれている、この弁当の持ち主だ。

私は考え込んでしまった。冷凍食品なのがいけなかったのか、それともブラックタイガーなのがいけなかったのか。

話を聞いてみると、続けて、ある海老を褒めて、言った。

「あんなうまい海老を食べたら、こんな豚の餌が食えるかよ。」

私は、いつもより、あがりすぎてかたくなってしまった。パセリに諭され、

「お前の本体を残すはずがない。」

それもそうか、と思い止どまり、どんな海老なのか興味を持った。


しかし、私に余裕なんかなかった。隣に立地する同業のバナメイ海老が価格競争にのりだしてきたからだ。同じぐらいのサイズでお手頃感を出してきやがった。出身地が一緒だからと馴れ合うわけにはいかない。それに、老舗の桜エビが大量生産で、白米の上を真っ赤に染め始めた。ベンチャーの高級ブランド、セミ海老はマスコミでどんどん宣伝して伊勢海老の十八番の高級感をうばいにきてる。車海老や、赤エビは、生ものだから、ウチとは関係ないだろう。

そんなことより、近年のエビ業界の多様化に際して、起きた海老の戦いは価格戦争だけで蹴りがつくのだろうか。ブランド化の波も押し寄せつつある。

弁当の持ち主は、誰の事を褒めたのだろうか。

俺は、このフライヤーの中で勝ち残るため、多くの戦いが私とパセリを待ち受けていた。

だが、愛しのケチャップのためにおれは、戦い続ける。

しかし、嫌な予感がした。

ケチャップさんが、例のおれを豚の餌と言う屈辱におとしいれた、その海老にとられるのじゃないかと思って、急いで会いに行った。良かった彼女は無事だ。しかし彼女はご機嫌斜めだ。

「大丈夫ですか、おむかえにきましたよ。」

私は、優しく声をかけた。

「酷いのよ、その海老に容量が小さくて、安っぽいて言われたの。」

泣きながら彼女は私に寄り添った。

私は内心、嬉しかった、そいつに彼女がとられなかったから。だが、ケチャップを悲しませた事を後悔させてやる、と心からちかった。

話を聞くと犯人は奴だと確信した。

同じ海老フライで、高級感があって、私と似たような体型をしていて、日本でよく取れるといえばやつしかいない。フライ業界に進出してくるとは思いもよらなかった。

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