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海老フライの尻尾物語  作者: 紙彌成
冴えない尻尾
3/8

海老フライの尻尾は恵まれてる。

俺は、檸檬からコップを受け取った。最初は、その行為の意味を理解していなかったが、体が自然と理解した。俺に足りなかったもの、それは、タレだ。

「醤油、ソース、マヨネーズ、ドレッシング。」

俺と相性のいいソースを見つけないと。

二段弁当のように厚い俺の野心は、今、さえない弁当の中身を救うという使命をまっとうしようとしている。ただ、こればかりは、好みの問題もあるし、それにこればかりは縁だと思う。格式張ったお見合いみたいなのは嫌だし、軽く合コンにしておこう。


早速、誰を連れて行くか考えたが、友人のトマトのヘタと、鮭の骨そして、トウモロコシの芯を連れて行くことにした。もちろん全員俺の引き立て役だ。

女性陣は、醤油、ソース、マヨネーズ、ドレッシングがくるはずだったけど。マヨネーズさんは来れなくて、代わりに、ケチャップさんが来ました。とても好みだ。どうしよう、もしかしたら運命の組み合わせかもしれない。ひとまず合コンは食事と世間話からはじまった。トマトのヘタが同じ原料と言うことでケチャップさんに話しかける。

「貴方も、トマトつながりですね。」

次に鮭の骨は醤油さんに目が釘付けなのがわかった。トウモロコシの芯はみんなにまんべんなく話しかけているけど、こいつも油断ならない。トマトのへたは、ドレッシング一筋かと思っていたが、試行錯誤も必要なのかもしれないな。

そんなことばかり考えていると、私の話より、こいつら引き立て役の話がいつの間にか、盛り上がってやがる。今気がづいたが、皆食えない奴しかいないということを忘れていた。だが私も負けてはいられない。

「ケチャップさんみたいな人は、揚げ物と相性がいいみたいですね。」

嬉しそうな顔で、彼女も話に乗ってきてくれた。

そして、楽しい時間も過ぎていき、私とケチャップさんはアドレスを無事交換し、醤油さんと鮭の骨は付き合うことになっていた。骨のある男が好みらしい。トマトのヘタは所詮手を汚さないだけのつまみだし、トウモロコシの芯も固いばっかりで味はないから、当然の結果といえば当然だ。

彼女らから、相手にされてはいない。


ケチャップさんは、可愛らしい袋入りタイプの箱入り娘のようだった。

俺も一時期トマトのヘタみたいにつままれるためだけの存在だと卑下してた時もあったし、トウモロコシの芯みたいに硬いばかりの役立たずだと嘆いたときもあった。鮭の骨と同じ口を傷つけた同じトラウマを持ち、意気投合したあの日々が懐かしい。

こいつらは一生変われないだろう。だが、おれは変わってみせる。そう新しい目標のために、食べてもらいたい。

生ゴミから俺は、彼女のため一生懸命お金を貯めて、起業し、尻尾まであんこの詰まった美味しい鯛焼きのようにシュリンプ界のヒーローになってやる。

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