表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
正しい異能の使い方  作者: 蜂末 新
samourai's road
14/46

 コンビニには、何人か先客がいた。俺たちが入ると、立ち読みをする男、お菓子を選ぶカップル、弁当を買う大学生くらいの男、みんながみんなヘヴンさんの姿を見た。俺がそっちを向くとあわてて目をそらした。怪しい。もしかしたらストーカーの仲間かもしれない。

「あの、すみませんお尋ねしたいことがしたいことが」

 俺が店内にいる客を睨みつけている間に、鳥羽が普通の言葉でレジ係に話しかけていた。後ろにはヘヴンさんがくっついている。あっちはあいつらに任せておこう。

 俺は店内をゆっくりと一周して客の姿を確認した。立ち読みしているやつは明らかに部屋着で、足下はビーチサンダルだった。遠方から来た人ではないだろう。こいつは容疑者リストから外せるな。

 他の人もじっくり確認しようと思ったが、弁当の男はもう会計を済ませて自動ドアをくぐっていた。カップルも鳥羽達が聞き込みをしているレジの、隣のレジで会計中だ。

 俺がヘヴンさんの横に着いた時、カップルはいちゃいちゃしながら店の外に出て行った。まあ、カップルが犯人という可能性は低いだろう。俺は二人の背中を見送った。

「ああ、いたいた。なんか機械の前でずーっと立ってる人がいたわ」

 コンビニの店員は、夕方の時間にしては珍しくおばちゃんだった。

「どんな人でしたか?」

 鳥羽が聞くと、おばちゃんはいぶかしげな表情を見せる。

「その人がどうかしたの?知り合い?」

「あ、いや……その……」

「知り合いだと思うんですけど。さっきプリントされた写真渡されて、犯人当てゲームみたいなのを友達の間でやっていて、分かんないんですよねー」

 鳥羽が口ごもったので、俺は適当なことを言った。

「まあ、そうなのねー。楽しいのはいいことだけど、店員に迷惑かけるのはちょっとねー。夏休みではしゃいじゃうのは分かるんだけどね。次からはもっと考えてやりなさい。今日はあたしが入っててよかったわねー。こう言うのに寛大だから、あたし」

「はあ」

「で、どんな人でしたか」

「そうねえ。背の高い人だったわよ。あなたくらいあったかしらねえ」と、鳥羽を指差した。「ねえ、オリーちゃん?」

 おばちゃんは振り返り、隣のレジの女の人に声をかけた。この人、昼に来たときにもいた人だ。

「え?」

「ほら、さっきずっとあの機械の前にいた人よ」

「え、ああ。あんま覚えてないけど、背の高いスーツ着た人でしたね」

「それ以外に何か特徴とかはありましたか?」

「特に無いわねーオリーちゃんは?」

「あたしも特に無いですねー」

 オリーちゃんと呼ばれたバイトは、面倒くさそうな顔で答えた。

「そうですか、ありがとうございます」

 俺は二人に一礼をすると、二人をコンビニから追い出すように出た。

 コンビニから出ると、むわっとした空気に包まれた。

「ちょっとデウス、どうしたのよ?」

「デウス殿、何を急いでいるでござるか?」

「え?いや?なんとなくさ」

 俺は空を見上げた。大きな積乱雲が見える。一雨来るのだろうか。

「雨振りそうだし、それにもう話は聞き終わったし、いいだろ?あまり長くいて不審がられても困るしさ」

「それはそうでござるが……」

「それともなんか買うものあった?」

「それよりヘヴン殿、あの容姿の男に心当たりはあるでござるか?」

 鳥羽は俺の質問に答えずに、ヘヴンさんに聞いた。

「ええ、なんとなく彼じゃないかと……」

「あ、ヘヴンさん」

 俺はその言葉を遮った。

「ここじゃ誰に話を聞かれているか分からないし、うちに帰ってから話そう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ