表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/27

ep11 ルミカ、住み着く

「おはようございまーす!」


朝、目覚めると隣から元気な声。


「……お前、まだここにいるの?」


「はい! 今日も掃除しようと思って!」


「……家は?」


「ないですよ?」


「いや、そうじゃなくて……」


「春香さんとこ、居心地いいんで!」


「はぁ!?」


布団を畳むルミカ。その隣で、私は昨夜オキノの所で買ったパンを頬張っていた。


(そういえば昨日も……っていうか、一昨日もいたよな)


夜になると、「隅っこで寝るんで!」と、さっさと布団を敷き、朝になると「おはようございます!」と満面の笑顔。


そして今日


「……もう住んでるじゃん」


「はい! よろしくお願いします!」


「よろしくじゃねぇ!」


「よろしくお願いしますっ!」


ルミカは深々とお辞儀をしてきた。


「……もういいや」


勝てる気がしなかった。


こうして、私は助手兼同居人を迎えることになった。


 

住み込み生活が始まると、思った通りドタバタの日々だった。


「うわぁぁぁぁ! 入ってくるなぁぁ!」


風呂上がり、タオル一枚でくつろいでいたら、ルミカが普通に扉を開けてきた。


「え? あれ? なんでです?」


「着替えてるだろーが!!」


「え? でも女の子同士ですよ?」


「こっちは30歳だぞ!!」


「えっ、そんなに!?」


「おいなんだその反応おかしいだろ!!」


毎日がこんな感じ。


朝、起きると……


「ん……?」


目を開けると、ルミカと隣で寝ていた。


「ぎゃああああああ!」


「わぁ!? なんですか!?」


「なんで隣に寝てるんだよ!!」


「だって寒かったので!春香さんあたたかいので」


「いや、一緒に寝るな!」


「えぇぇぇ……」


小動物みたいな目で見られて、強く言えなくなる。


(こいつ、意外とあざといな)



 


オキノの所にパンを買いに行った時も——


「夏希、最近忙しいか?」


「あー、まぁ……」


「あと、娘できたんだって?」


「ちげぇよ!」


「あははは!」


オキノは楽しそうに笑っていた。


「あいつ、朝も昼も夜もいるだろ?」


「まぁ、住み着いちゃって……」


「家族みたいでいいじゃねぇか」


「……まぁ、そうっすね」


そう言われると、ちょっと悪くない気がした。


家に帰ると、ルミカがご飯を炊いて待っていた。


「春香さん、今日初めてご飯炊いてみました!」


「おお、すげぇじゃん!」


「……ちょっと硬いですけど」


「いやいや、上出来!」


炊きたてご飯に、卵焼きと町で買ってきたベーコン。


なんか、一人の時よりご飯が美味しく感じた。


「……まぁ、悪くはないか」

 心の中でそう呟いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ