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ep10 ルミカが仲間になった!

コンコンコン!


「んん……?」


ドアを叩く音で目が覚めた。


「……今日も休みだってーの……」


昨日、久々にゆっくり休んで、買い食いパーティーまで満喫したっていうのに。

早朝から叩き起こされるとは。


「ったく、誰だよ……」


寝ぼけ眼でドアを開けると


「ここで働かせてください!」


小柄な女の子が立っていた。


肩までの黒髪、パッチリした目、可愛い顔。


「……ちっ」


バタン。


ドアを閉めた。


気のせい、気のせい。夢だろ、今の。


 


ドンドンドン!


「ここで働かせてください!」


「うるせーな!」


仕方なくもう一度ドアを開ける。


改めて見ると、やっぱり若い。


「お前、いくつだ?」


「16歳です!」


「お引き取りください」


バタン。


ドンドンドンドン!!


「くっそ……!」


再びドアを開ける。


「未成年は雇えません!」


「この国では15歳で成人です!」


「……は?」


「もう大人です!」


「……マジで?」


異世界ルール、そういえばまだ全部把握してなかったわ。


「ちっ……じゃあ、掃除しとけ」


箒を渡して、私はもう一度布団へダイブした。


眠気には勝てない。


 

昼頃——


「……ん?」


起きて店に降りると、店内がピカピカになっていた。


床も、窓も、施術ベッドも。

今まで見たことないレベルに輝いている。


「えっ、すげぇ……」


「今日からここで働くルミカです! よろしくお願いします!」


「え、決定事項なの?」


「はい!」


「いや、ちょっと待っ……」


「よろしくお願いします!」


ルミカはニコニコしながら深々と頭を下げた。


どうやら、もう入社したつもりらしい。


「……ま、まぁ見習いでな!」


「はいっ!」


ルミカが仲間になった!


 


昼ご飯を食べながら、ルミカといろいろ話してみた。


「で、なんでうちに?」


「服屋で働いてたんですけど、クビになって……」


「クビ?」


「私、魔法がちょっと特殊で」


「魔法士なのか?」


「はい。でも、……電気です」


「雷魔法きたーーー!」


「違います。電気です」


「え?」


「ピリピリするやつです」


「雷じゃないの?」


「雷じゃないです。電気です!」


ルミカは何度も強調した。


「静電気みたいな?」


「そうです! それです!」


「え……それでクビになったの?」


「試着室とかで服着てもらう時に、バチッて……」


「うわぁ……」


「お客様に怒られて、何度も……」


そりゃクビになるわ。


「でも、その能力、施術に使えるんじゃないか?」


「え?」


「ツボ押しとか、血流改善とか慢性の腰痛とかに……ビリビリマッサージ!」


「え、そんなことできるんですか?」


「またもやこの世界にはないのか?」


春香はニヤリと笑った。


もしかして、また新たな「魔法士様伝説」が生まれるかもしれない。


「とりあえず、見習いってことで」


「はい! 頑張ります!」


 


こうして、私は助手を手に入れた。


施術技術はゼロだけど、掃除が完璧で、電気魔法もちょっと期待できる。 


それにルミカが来てくれたことで、一人きりだった店に、少しだけ賑やかさが加わった気がした。


「さて、どうなることやら……」


私はそんなことを思いながら、明日からの営業に備えて、またクッションに腰を沈めた。

何故かルミカが隣で眠っていた。

「......家もないんかーい。」

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