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【書籍重版】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
第五章

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824/830

712.バルシュミューデ公爵夫妻の到着

 お昼を食べ終えたのを知っているように、馬車の到着連絡が入った。いつも不思議なのだけれど、入り口の門番が受け答えをする間に連絡が届く。これって誰かが全力疾走しているのかしら? 呼んでいないお客様の場合、通すかどうかを判断したフランクからの返事が必要だもの。


 こそこそと玄関ホールで尋ねたら、フランクが目を丸くした。珍しいわ、こんなに表情を変えるフランクは初めてかも。


「……奥様、旗を利用しております」


 各貴族家には紋章がある。もちろん王族もそうよ。その旗を振って相手を知らせる。でも最初の通知はベルらしい。門番が勢いよく紐を引くと、あちこちで滑車を通じて軽くなったベルが鳴る仕掛けだった。私がその音を聞いた記憶がないのは、使用人が仕事をする地下で鳴るからよ。


 門番は紋章の旗を決められた筒に挿すの。それを見て、フランクへ連絡が入る。すぐに判断して、許可なら白、だめなら赤を振り返す。よくできている仕組みね。王宮でも同じ方法が用いられており、約束がない客人の場合は確認されるみたい。


 感心している間に、バルシュミューデ公爵家の馬車が到着した。恭しく扉が開かれ、ロルフ様が先に降りる。すぐに振り返って、ユーリア様へ手を差し伸べる。ゆったりと降りたユーリア様は、出迎えた私達に一礼した。


 焦っている様子がないわ。落ち着いておられると表現する場面ね。やっぱり公爵夫人とはこうあるべきなのよ。私が同じ立場で、レオンが倒れたと聞いたら……たぶん馬車から降りるときに裾を踏んで転がると思う。


「ご足労をかけてしまい、申し訳ありません。ロルフ様、ユーリア様」


 どうぞと促し、ヘンリック様も挨拶を交わして歩き出した。屋敷の廊下は広いけれど、この場合は縦に連なって歩くの。先頭を家令のフランク、続いてヘンリック様、ロルフ様とユーリア様が続いて、後ろに私と子供達よ。レオンとローズは仲良く手を繋いでいるので、私はレオンと繋いだ。


 さすがにラルフは部屋で待ってもらっている。病人と連絡したのに、息子が出迎えたら心配させちゃうわ。体調ではなくて、この家での扱いについて。


 フランクがノックして許可を得てから、大きく扉を開いた。入室した私の目に飛び込んだのは、倒れかけたユーリア様を支えるロルフ様だった。もしかしてショックを受けている? そうよね、我が子との再会がベッドだなんて……本当に申し訳ないわ。


「ユーリア、だからこの服はやめたほうがよかったんだよ」


「わかっています!」


 こてりと首を傾げた。服のことで喧嘩しているの??


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― 新着の感想 ―
服のせいで倒れかけた?w平和ですね! ラルフさん、これで少しは元気が出るかな? 来客の時、旗を振って合図を…なんか、ぼんやりと運動会を思い出しました。懐かしい。
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