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【書籍重版】契約婚ですが可愛い継子を溺愛します【コミカライズ進行中】  作者: 綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢をよろしく
第五章

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664思った通りのお祝い報告

 ヘンリック様は知っているみたい。様々な手配をする関係上、すでにお話を聞いたのかも。


 リリーに用意してもらった料理を並べる。前世のお弁当の記憶を頼りに、平たく切ったパンの上へ具をのせて……ピンで止めてもらったの。おしゃれに表現すると、ピンチョスだったかしら? ピンは鮮やかな飾りをつけて、間違えて食べないように工夫した。


「まあ、不思議な感じね」


「ええ、ピンをつまんで食べるので崩れにくく、パーティー……えっと、夜会でもいかがかと」


 目を輝かせたのは、マルレーネ様だけではなかった。子供達が指さしながら「あれがいい」「こっち」と選び始める。王宮の侍女やリリーがすっと動き、小皿に取り分けた。


 ピンチョスと呼ぶには、ピン部分が長いのよ。子供の手でしっかり握れる長さがある。そのためバスケットが大きくなったのは……しかたないわね。竹串を用意できたのは幸いだったわ。こんな感じの串なのと説明したところ、料理人の一人が竹を思い出した。


 庭師に確認したところ、竹林が存在したの。増えて困るので、定期的に伐採しているとか。それなら細い串に加工してもらおうと考えた。評判が良ければ、王宮でも活用してほしいわ。竹は加工が楽で、殺菌効果もあるから。


 食べたそうに小皿を見つめる子供達に「カールハインツ様がお見えになってからよ」と釘を刺した。不満そうなのはローズね。でもイヤイヤすると、兄レオンが止める。


「だめ、ろじぃ……いい子して」


「うん」


 魔のイヤイヤ期でも、レオンには逆らわない。見ていて微笑ましいわ。


 すぐにカールハインツ様が到着された。もちろん、奥様になるフィーネ様をエスコートしている。参加することに遠慮がちなフィーネ様を促し、カールハインツ様も絨毯の上に座った。スカートの裾を気にするフィーネ様に、マルレーネ様が「気にしなくていいのよ」と微笑む。


 小皿に移した料理を興味深そうに見つめるカールハインツ様だけれど、食欲や興味より報告が先よ。挨拶を交わして、カールハインツ様の言葉を待った。


「実は、その……準備が整ったので結婚しようと思います」


 祖母や母が同席しているからか、カールハインツ様は丁寧な口調で結婚式の予定まで教えてくれた。きょとんとしたローズの隣で、レオンが手を叩く。拍手の音に、私やラルフも加わった。口々におめでとうを伝え、お祝いムードの中で昼食が始まる。


「これは何ですか?」


「ピンチョスと呼びます。こうして手を汚さずに食べられますので、立食などに便利ですわ」


 伐採した竹を使うことで、処理も簡単になる。そう説明したら驚いていた。緑の串は今までなかったらしく、目にも鮮やかだ。竹の匂いも、日本人だった記憶から好ましく感じる。みんなはどうかしら?


「おいちぃ」


 ローズが嬉しそうに自分で口に運ぶ。あーんのチャンスを失い、ヘンリック様が肩を落とした。でも、自分でできるならローズも楽しめるでしょう。ルイーゼ様もご機嫌で口に入れ、もぐもぐと咀嚼した。


 口の中で刺さらないよう、竹の先が切ってあるのね。食べるほうはいいけれど、食べ物を刺すときに不便よ。あとで料理長に聞いてみようかしら。

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